法政の逆襲16〜新生〜

一段落ついて、話し合う法政達。
神戸「これからどうしましょうか?」
高医「東大軍の動きを知るのが先決だな」
名大「誰かが一橋の跡を継いでたら、結局振り出しだしな」
北里「継いでいるとしたら、誰でしょうね?」
東大「早稲田か慶應だろうな…」
法政「もし、継いでいたら…?」
高医「倒すしかない。“頭を潰す”これが戦争終結のための最良の方法なのだ」
法政(もしかしたら、早稲田さん達と戦うのか…)

その頃、早稲田と慶應は東大軍を探し、集めていた。
早稲田「だいぶ集まったな」
慶應「こんなものでいいだろう…」

 ワ イ ワ イ ガ ヤ ガ ヤ ・ ・ ・

慶應「みんな、聞いてくれ。一橋さんはついさっき亡くなられた。東工大と戦ってな…」
早稲田「これからは俺達が東大軍を仕切る。異存はないな?」
再び起こる早慶コール。

早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶!』

立教「お二人に聞きたいのですが、これからどうするおつもりで?」
慶應「ここにいる全軍で“京大軍基地”へと攻める」
早稲田「一橋さんは命を賭けてくれた。今度は俺達の番だ!」
日大「その通りです!!」
明治「MARCはまだやれます!!」
「やれるぞ!」 「勝ちましょう!」 「京大なんざ怖くねえ!」 「勝てる!」 「早稲田様〜!」
「よっしゃあ!」 「いいぞ〜!」 「素敵〜!」 「慶應さん!」 「ここまで来たら攻めるまでです!」
「この命預けた!」 「粉骨砕身!」 「ウオ〜!」 「早慶バンザイ!」 「関東の意地見せてやるぜ!」

新生・東大軍の目標は決まった。全軍で打倒京大!戦いは最終局面を迎えた…。


〜日本消滅〜
MIT達のアジトに理科大が到着した。
理科大「何でしょうか?緊急招集とは…」
MIT「東工大のバカが死んだ。もはや待つ意味は無い。“日本沈没”の開始だ!」
理科大東工大さんが!?ウソだ…」
CIT「気の毒だが、本当だ。生命反応が消えたらしい」
理科大「ウソだ…」
MIT「うるせぇ!これだから日本の大学は困るぜ。廃校した奴なんざほっておけ!」
理科大「しかし…」
MIT「いいか、これから我々が行うのは“日本沈没”というビッグプロジェクトだ。
    東工大はそれに相応しい男ではなかった。それだけだ!」
理科大「はぁ…」
CIT「理科大、お前は東工大と付き合いが長い。気持ちは察するが、今はそれどころではないのだ」
MIT「そういう事だ」
理科大「分かり…ました…」
MIT「さてと、じゃあロケットの準備だ」
理科大「ロケット!?」
MIT「それで、前もって打ち上げておいた人工衛星へ向かい、その人工衛星に搭載されている兵器で…」
CIT「日本を滅ぼす。“日本沈没”というより、“日本消滅”だな」
理科大「ううう…」
MIT「喜べ、お前は日本で唯一生き残る大学になる」
理科大(私はとんでもない奴らと組んでしまったのでは…)
MIT「ロケットはもう出来ている。しかし、発射場はちと遠い。行くぞ」
理科大「は、は、はい」
CIT「………」

〜最後の希望〜
北軍は九大の見張りのもと、一時休憩していた。
東北「そろそろ出発しよう。ありがとう九大」
九大「礼には及ばない」
東北「九大…」
九大「何だ?」
東北「一緒に来てくれないか?」
九大「フッ…気持ちは有り難いが、MITにやられた傷でもはや役には立たん。足手まといになるだけだ」
東北「それでも構わない」
九大「そうか…では、お願いしよう。私もこのままでは終われん!!」

お茶の水はクローン工場から逃げ出し、森の中を走っていた。
お茶の水「ゆ、許せないわ!あいつら!絶対に借りを返してやるんだから!キィ〜〜〜〜!!
     早く一橋様に報告しなくては…」
そこへ、話し声が聞こえた。
お茶の水「な、何かしら?」

MIT「ロケット発射場はこっちだ」
CIT「随分へんぴな所に建てたものだな。目立ちたがりのお前にしては」
MIT「ふん、発見されて、騒がれても面倒だからな」
理科大「あの、本当にやるんですか?」
MIT「当たり前だ!あと少しで日本はこの世から消えるのだ!人工衛星搭載兵器“MITミサイル”によってな!」
理科大「は、はぁ…」
MIT「宇宙から日本が消滅する瞬間が見れるのだぞ?久々に楽しめそうだ」
理科大「………」

お茶の水「に、日本が消滅!?ど、どうしましょ…誰かに、誰かに伝えなきゃ!!」

MIT「何だ?今、声が聞こえなかったか?」
CIT「いや、気のせいだろう。森の中だし、鳥の鳴き声ではないか?」
MIT「フッ鳥如きに反応してしまうとは…。私も多少は気が張っているらしい」
CIT(今見逃してやった日本の大学よ…。お前が“最後の希望”だ…)
三人はロケット発射場へ向かう。

電通大登場〜
一橋没後の東大軍の動きを追う法政達だが、手がかりはつかめずにいた。
法政「どうなっちゃったんでしょう。東大軍」
名大「ここまで見つからないって事は、全滅したとか?」
高医「さすがにそれは無いでしょう。一橋の墓を造った人は生きてるはずですし」
神戸「新リーダーが現れて、もう京都へ向かったとか…?」
東大「十分あり得るな…。しかし、どこにいるのか分からんと…」
??「ピピピ…ピピピ…」
愛知「だ、誰だ!?」
電通「ピピピ…ピピピ…電気通信大学電通って呼んでくれ」
法政(うわ…また変な奴が…)
東大「で、電通大!お前は東大軍だったな?」
電通「ええ、でも拙者はぐれてしまって。京大軍のレーザー凄かったから…」
名大「他の東京の大学の居場所は分かるか?」
電通「拙者ははぐれてしまったから…。でも…」
名大「やっぱダメか…」
電通「でも、居場所なら分かりますよ。東京の大学ならね」
名大「それを先に言え!!」
電通「す、すみません。一橋様にレーダー係に任命されてましてね。東京の大学の居場所は拙者分かるんですよ。
   これは一橋様と拙者だけの秘密ですが」
法政(思いっきりバラしてやがる…)
東大「今すぐ、調べてくれ!大至急だ!!」
電通「でも、お宅ら、拙者の敵…」
高医「はよぅしちょき!!!!」
電通「は、はい!!え〜と…ピピピ…ピピピ…」
東大「どうだ?」
電通「集団で西へと向かってますね。あと凄い速さで東大軍基地へ向かっているのが一校」
東大「やはり京都へ…!早稲田か慶應だな!」
名大「すぐ追おう!」
神戸「ところで、“凄い速さで東大軍基地へ向かっている一校”って誰でしょうね」
東大「法政、電通とその大学を待っててくれないか?気になる」
法政「え?わ、分かりました!(置いてきぼり!?)」
東大達は東大軍を追跡する事になった。法政と電通は東大軍基地へ戻った。

〜待ち時間〜
東大軍基地―――――
電通「じゃ、二人きりで待ちますか」
法政「そ、そうですね…(この人苦手だ…)」
電通「ところで、何で東大軍にいなかったの?」
法政「(いきなり嫌な質問をしやがって…)え?自分を見つめ直す旅へと…」
電通「じゃあ、戦争初期に京都にいたのは気のせいか…」
法政「(ま、まずい!!)そういう電通大さんはどうしてたんですか?」
電通「これでも国立だからね、指揮官やってたよ」
法政「そ、そうですか…」
電通「どんどん大学が死んでいくんだ。拙者は悲しかったよ…」
法政「電通大さん…」
電通「実は、君達が来る事は知っていたんだ。このレーダーでね」
法政(そうか、東京の大学の居場所は分かるんだよな…)
電通「偶然を装って会ったわけだ。君達なら…戦争を終わらせられると思ってね…」
法政「そうだったんですか…(俺はこの人を誤解してたな…)」
電通「ところで、何で戦争初期は京都にいたの?」
法政「(なぜほじくり返すんだ!)いや、ちょっと京都旅行へ…」
電通「隠さなくてもいい。君は頑張ったよ」
法政「い、いえ…」

いきなり電通大が立ち上がる。
電通「ピピピ…ピピピ…」
法政(この効果音と、“拙者”は何とかならんのかなぁ…?)
電通「来たよ」
法政「え?誰ですか?」
電通「さっきは遠かったから判別できなかったが、この電波は…お茶の水だな」
法政(ゲ!よりによって…)

お茶の水「に、日本が…ゼェ…ゼェ…消滅するのよ〜〜〜〜!!日本が〜〜〜〜!!」

法政(あ〜あ、クローン工場での敗北のせいで、ぶっ壊れてやがる…)
電通「ま、せっかく来たみたいだし、会ってみようか」


〜追跡〜
東大軍改め早慶軍を追う東大達。
香医「電通大は連れていくべきだったのでは?レーダー機能を持ってますし…」
名大「ふん、さっきまで東大軍だった野郎を信用できるか!」
神戸「大丈夫でしょうか?法政だけ残しちゃって…」
産医「今頃、電通に襲われてるかもしれませんよ」
高医「確かに…敵同士だしな…」
南山「でも、今更戻れませんよ!もう法政、殺されてるかも…」
名大「今回は完全にお前の“失敗”だったな、東大!!」
東大(法政、電通。信じているぞ…。私は部下を信じず軍を去り、一橋は部下を信じ最後まで戦った…
   一橋に報いるためにも、私は“かつての部下”を信じ抜く!!)

一方、早慶軍は京都へと歩を進めていた。
早稲田「もうすぐ京都だ!」
慶應「京大軍が現れる気配はないな…」
早稲田「関東にもだいぶ兵を出していたし、兵力不足だろ?」
立教「我々MARCは関関同立と遭遇しました。ただし、いたのは関学と関西だけでしたが…
   4対2なので、もちろん勝ちました」
日大「うちも産近甲龍と一戦交えました。近畿を倒しましたが、東洋が…やられた」
東海「うちは二人もやられて、今や“東国”です…」
国士舘「大東文化…亜細亜…良い奴だった。あのクソ野郎はどうなったか知らねぇがな!」
東海「クソ野郎?」
国士舘「帝京に決まってるだろ!?あいつ逃げやがって…」
日大(帝京が“何をしてたか”は言えないな…)
東海「もう誰かにやられたんじゃないか?」
国士舘「ケッあいつを殺ってくれた奴に礼を言いたいぜ!」

京都では―――――
同志社「ヘックション!!」
立命館「ど、どうした?」
同志社「今、誰かが俺を噂してたような…」



〜〜
京大軍内部
 ICUはあてもなく構内を彷徨う。

ICU「本当に、京大軍について良かったのだろうか?
    おれの願いは京大軍の勝利ではなかったはず…。
    このままでは、京大軍のためにあの言葉を使うことになるかもしれない。
    そのようなこと……ん?」
??「……った…I……東…立…」
ICU「(なんだ? 声が聞こえる…? もっと近くへ寄ってみよう)」
??「Uは何か秘策を……」
ICU「(な、秘策のことがばれてる? 間者か!?)」
??「分かりました。では」
ICU「(いまだ) 其処にいるのは誰だ!」
??「!!」
ICU「あ!! お前は!」
神医「あ、あなたは、ICUさん!」

医大連(京都)
北大「それにしても、援軍が6人も! 全く、名古屋は…」
京医「まあ、そうがなるな。しかし、厳しいな。いちど本部に戻り体勢を立て直すか」
北大「ああ、この人数じゃどうしようもない…。しかし、それにしても神医は遅いな」
京医「確かに。そろそろ着いてもおかしくはないのだが…」
北大「まさか、抜け出すときに何かあったのでは?」
京医「……。とにかく、もう少し待ってみよう。それで来なければ…」

〜〜
再び京大軍内部

ICU「貴様、いったいこんなところで何を…」
神医「ICUさんこそ…。あなたは東大軍では無かったんですか?」
ICU「東大軍はやめた」
神医「それで、今度は京大軍ですか。確かに、いまは京大軍の力が圧倒している…」
ICU「違う、おれは戦争を終結させようと…!いや、そんなことを云う資格は今のおれにはないな
    同志社と共に、そんな夢を語ったことがあった…。しかし…」
神医「ICUさん、京大軍をでて、我々と共に戦争終結へ向けて戦いましょう!」
ICU「そうだな…」
神医「そうですよ。我々はあなたを歓迎します」
ICU「しかし、もしお前達の見方になり、京大軍・東大軍を倒したところでなんになる?
    新たな戦争が始まるだけだ。
    現に、東大軍は一橋亡き後も早慶が中心となって活動を続けている…」
神医「それは…」
ICU「それでは、だめだ。だから、お前達の軍には入れん」
神医「だったら、だったらどうするというのです!
   なにもしないうちから、それを否定することは出来ない!」
ICU「わからない…、わからないんだ。
    ただ、お前達のしていることは正しくない。それだけはわかる」
神医「正しくないか…。そうかもしれません。憎しみは憎しみしか生まない…。
   でも、それでしか解決できないことがある。今がそのときだ!」
ICU「……。そうかもしれん。しかし……。いや、これ以上の議論は不毛だ。
    今回は見逃す。はやくここから立ち去れ」
神医「…わかりました。ありがとうございます。でも、私は…」
ICU「早くしろ!」

神医立ち去る

ICU「おれには、何が出来る? いったい、何が……」



〜三人組〜
電通と法政はお茶の水を迎えた。
お茶の水「日本が〜〜〜〜!!日本が〜〜〜〜!!」
法政「ま、ま、落ち着きなって」
お茶の水「うるさいわね!!アンタこそ、よく落ち着いてられるわね!!」
電通「何があったのか、話してもらおうかな」
お茶の水「あ…!電通大様。いいわ、話してあげるわ」

お茶の水は森の中で聞いた会話について話した。
お茶の水「…というわけよ」
法政「日本を消滅?…んなバカな」
お茶の水「うるさいわね!ぶっ殺す!!」
電通「まぁまぁ、誰が話してたんだい?」
お茶の水「え〜と、見たこともない大学が二校。それと、理科大がいたわ」
法政「手がかりにはならないな…」
電通「拙者のレーダーを忘れたか?“東京の大学”の居場所は分かる」
法政「あ…!」
お茶の水「どうでもいいけど、一橋様を出してよ!アンタらじゃ頼りにならないわ!」
法政「実は………」

法政はためらいながら、一橋の事を打ち明けた。
お茶の水「ウソよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!あの一橋様が死ぬなんて…」
法政「基地内に東工大さんの死体があった。多分、東工大さんと戦って…」
お茶の水「そんな…」
電通「泣くのはそのへんにしておけ。今は悲しむ暇は無いのだから…」
お茶の水「は、はい…」
法政「………」
電通「拙者達は理科大を追おう。日本の消滅について真偽くらいは確かめないと」
法政「そうですね…本当だったら、エラいことですし」
お茶の水「一橋様…」

〜敵も三人〜
電通大はさっそくレーダーを発動させる。
電通「ピピピ…ピピピ…」
法政「どうですか?」
電通「やけにへんぴな地域に一校いる。これが理科大だろうな」
法政「追いましょう!」

京大軍基地―――――
阪大「東大…いや早慶軍がこの基地へ向かっているという情報が!」
京大「その程度、予想済みだ」
阪大「迎撃するなり、防衛するなりしないと…」
京大「ほっておけ、こっちには“奴”がいる」
阪大「信用できるのですか?」
京大「信用などしていないさ。奴は元々東大軍だぞ?」
阪大「だったら…!」
京大「今に分かる。今にな…」
阪大「………」

再び、理科大のもとへ向かう三人組。
法政「もし、戦う事になったら…」
電通お茶の水の話が事実は相手は三人。こちらも三人。三対三だな」
お茶の水「相手が誰だろうと、ぶっ潰してやるわ!」
法政(お〜怖…)
電通「拙者もこうなったら、とことん付き合うぞ!」
三人は意気揚々と理科大を追う。敵に二人も七武神がいるとも知らずに…。

法政の逆襲14〜一橋・京大同時撃破作戦〜

法政達は東京へ向かっていた。
法政「あと少しで東京ですね…」
東大「ああ、失敗は許されんぞ」
名大「一橋が“血を使う前”に倒さないと、勝ち目は薄い。どちらにせよ奇襲しかないな」
高医「一橋は基地内でしょうから、基地のセキュリティーに引っ掛かったらアウトですね」
東大「その点なら心配ない。基地は京大によって爆破されたから、
   防衛システムなどは全て使い物にならなくなっているはずだ。
   この戦火で呑気に防衛システムを直すわけもないだろうしな」
神戸「では、東大軍の兵士に気をつければ何とかなりますね」
東大「そういうことだ」
法政「…いよいよ、この道を出ますよ!」
高医「ここからは安全の保障は無い、と言っていい!気を引き締めていきましょう!」

神戸・医大連本部―――――
北大「名古屋支部から連絡だ。打倒一橋のため、十名が東京へ向かったらしい」
京医「では、我々も京大軍基地へ向かいますか」
神医「………」
京医「まだ神戸の事を気にしているのか!お前もリーダーの一人ならしっかりしろ!」
神医「しかし…」
北大「フッ…神医よ、朗報だ」
神医「何です?ぬか喜びは止めて下さいよ」
北大「名古屋支部に神戸が来たらしい。無論、生きて…な」
神医「本当ですか!?」
北大「本当だ。さて、行くぞ」
神医「はい!(神戸…良かった…!)」
北大「遊撃隊として戦場をかき回している東北大の軍もいつまで持つか分からん。
   一刻も早く、京大を倒し、この戦争を終結させる!」
京医(京大…待っていろよ!)


〜狂気〜
東大軍基地―――――
慶應「京大軍のレーザー光線で、我が軍に多大な被害が!」
一橋「レーザー光線?」
慶應「ええ…この基地に撃ち込んだものと同じやつです。戦場のあちらこちらに発射しております、無差別に」
一橋「やらせておけば良い」
慶應「し、しかし…!」
一橋「私にはクローンがある。いくら兵を失おうと、痛くも痒くもない」
慶應「そんな!」
一橋「慶應………ひとついいか?」
慶應「は…」
一橋「先程から何なのだ、貴様は?クローン技術がある今、貴様等早慶の価値もゴミに等しいのだぞ?
   まぁ、まだ早慶クラスのクローンは作れないが…」
慶應「じゃあ、もしも…」
一橋「何だ」
慶應「もしも、一橋さんのクローンが作れるようになったら…あなたの価値だって…!」
一橋「その時は私の価値もゴミ同然になるだろうな。私はそれでも構わない。
   勝てれば………良いのだ」
慶應(こ、この人は狂っている…)

京大軍基地―――――
京大「どうだ?我が軍の新兵器は…」
阪大「威力は抜群だ、甚大な被害が出ている。お互いの軍にな…」
京大「………」
阪大「そろそろ止めよう。前線にいる九大だって黙っちゃおらんぞ」
京大「九大?」
阪大「奴が裏切ったら、重大な損失だ。九州軍を失う事と等しい」
京大「ふん、九大などどうでも良い。私はこの関西を…京都を!“日本の大学の中心”とするのだ!
   そのためにも、東京の大学は全て滅ぼさねばならない…ヒッヒッヒ…」
阪大(京大よ…どうしてしまったのだ…)


〜絶望〜
東京へ入った法政達。気配を殺しながら進む。
神戸「気をつけて下さい…戦闘は極力避けねばなりません」
東大「うむ」
北里「目標は一橋ただ一人ですからね」
法政「あ、誰かいますよ!」

そこにいたのは明治学院だった。
名大「明学か…どうする?気づかれずに進むのは不可能だ」
高医「では、私が麻酔で眠らせますか」
法政「あ、あれ…?明学がもう一人…いや、ゾロゾロ来ますよ」

明学A「ドウダ?ソチラノ様子ハ…?」
明学B「イヤ、京大軍ハ来ナイナ」
明学C「コチラモダ。奴ラ、全滅シタノデハナイカ?」
明学D「ソウカモシレナイナ。所詮、関西ダ。東京ニ敵ウワケガナイノダ」
明学E「ハハハハ………」
明学F「喋ッテイル場合デハ無イ、一橋サマニ完璧ナ勝利ヲオ届ケスルノダ!」

名大「どうなってんだ!同じ顔が何人も!」
東大(クローンだな…!)
法政「確か、上智さんも三人いましたよね…」
神戸「こ、これはまずいぞ!下手すると、東大軍の戦力は…“無限”だ!!」
愛知大「か、勝てるわけがない!一橋の事だから、自分の周りに優秀な大学のクローンを護衛として置いているはず!」
名大「絶望だな…」
高医「クローン工場を先に叩かないと、とんでもない事になる!」
神戸「工場ったって、どこだと言うんだ!探している間にどんどん兵士は増えていくぞ!!」
法政「心当たりがあるんですが…」
神戸「どこだ?」
法政「東大軍の兵器工場ですけど…」
東大「行ってみる価値はあるな…」
高医「では、東大軍の兵器工場に行ってみましょう!案内して下さい!」

〜いざ工場へ〜
目的地を“東大軍基地”から“兵器工場”に変えた法政達。
法政「じゃあ、俺が先頭で行くんで、ついてきて下さい!」
神戸「頼むよ」
東大「大丈夫だろうな?」
法政「…多分」
名大(限りなく不安だ…)

京大軍基地―――――
佛教「し、侵入者です!」
阪大「東大軍か!?」
佛教「いえ、医科歯科連合だと思われます!」
阪大「くっ…(主力は殆ど東京へ送り込んでしまった、まずいな…)」
???「私がいます。安心して下さい」
阪大「立命館…!だが、医大相手では、関関同立のお前でも…」
立命館「ICUが帰ってきたんですよ。大きな手土産を持ってね…」
阪大「ICU?(話が見えないが…)よ、よし!頼むぞ!」
立命館「お任せを…」

京医「京大軍基地に兵士は殆ど残っていないはずだ!」
神医「なるべく投降させろ!犠牲者は増やしたくない!」
北大「一気に京大の首を取るぞ!!」

再び東京―――――
法政「ここですけど…兵器工場」
名大「こりゃ外れだな、廃墟じゃねえか。こんなとこでクローン培養は無理だ」
神戸「…いや、当たりかもしれませんよ」
名大「え?」
神戸「廃墟の中に、妙に真新しい建物が見えます。カモフラージュしていたんでしょう」
香医「ホントだ!ここですね“クローン工場”は…」
東大「入ろう。そして、クローン製造を止めるのだ!」

〜罠〜
東大軍兵器工場内部―――――精鋭部隊十名は真新しい建物の前に着いた。
名大「これがクローン工場ってわけだ…」
産医「…にしてはおかしくないですか?」
高医「何がだ?」
産医「この工場は東大軍の切り札なんですよ?それにしては、警備が薄い…というより、無いですよ警備!」
東大「いや、逆だろう。こんな廃墟に衛兵なんて置いたら、かえって怪しまれてしまう。
   だから、わざと警備を薄くしてあるんだろう」
産医「ああ、そうか…」
北里「危険な賭けですね。まあ、そのおかげで我々は楽に侵入できるわけですが」
法政「でもクローンで兵力は無限なんだから、一人くらい警備員を置いてもバチは当たらないでしょうにね」
東大「あ………!」
神戸「確かに…兵力は無限にあるんだから、ここをガッチリ守った方がいいよな…」
名大「…という事は」
????「そ、これは罠ってわけよ」
法政「こ、この声は!」
お茶の水「東京のマドンナ、一橋様の第二夫人、そして、クローン工場長!お茶の水よ」
法政(出たよ…)
東大「なぜ貴様がクローンを?そんな技術を持っているとは思えないが…」
お茶の水「ホホホ、鈍いわね東大様。クローン技術はアメリカのものなのよ。
     私は工場長とは言っても、ここの警備が主な仕事ね」
名大「女…一人で我々の相手が務まるとでも?」
お茶の水「ホホホ、これだから名古屋は困るわ。誰が一人って言ったかしら?」
神戸「ま、まさか…」
お茶の水「ええ。ちなみに、この工場は学習院50名、ICU50名、上智50名で囲んでいるわ」
法政「学習院50名!!?」
名大「ICU50名!!?」
東大「上智50名!!?」
お茶の水「ま、“GIジョー”ってやつね」
東大「見逃して下さい」
お茶の水「土下座しても無駄よ。一橋様に“ここに来た者は必ず殺せ”って言われてあるの」
東大(チッ………)
法政(東大さんの土下座も通用しないとは…)

〜多勢に無勢〜
罠にはまり、クローン軍団に囲まれた法政達。
お茶の水「150対10…勝負は見えてるわね」
名大「くそ…!」
神戸「逃げよう!」

法政達は慌てて工場を出ようとするが…。
名大「ダメだ、完全に囲まれている!!」
東大「もう…終わりなのか…」
お茶の水「ホホホ、この工場にたどり着いたのは誉めてやるわ。でも、もう終わり…」
法政(相変わらずキツい性格だな、こいつ…)
お茶の水「あんたらが死んだら、あんたらのクローンを造ってあげるから、光栄に思いなさい!」
高医「くっ…(そんな事になったら、一橋の思う壺だ!)戦おう!」
北里「それしかないですね…」
名大「旧帝の意地、見せてやるぜ!クローン共!!」
神戸「じゃあ、なるべく固まって戦いましょう!」
東大「うむ、行くぞ!!」
法政(逃げたい…)
お茶の水「ホホホ、最後まであがくつもり?クローン達!やっておしまい!!」

学習院軍団「ウオオオ〜ン」
上智軍団「コロス、コロス、コロス、コロス、コロス…」
ICU軍団「一橋サマ、ワレワレノ、生ミノ親!」

東大「東京首都流奥義“東京タワー333連打”!!」
名大「名古屋城パワー全開!“ゴールデンシャチホコ”!!」
神戸「神戸魔法“神戸和牛召喚”!!」
愛知「名古屋城パワー全開!“シルバーシャチホコ”!!」
医大達「“メス乱れ投げ”!!」
法政(どうでもいいけど、技名を叫ぶ意味はあるのか………?)

お茶の水「ホホホ、いつまで持つかしらねぇ、この人数相手に…」


〜再戦〜
東大軍基地―――――
???「意外でしたよ…」
一橋「………」
???「てっきり、クローンを護衛につけてると思ったんですがね」
一橋「…自分の事は自分で守る主義でね」
???「なるほど…」
一橋「………」
???「他の方々はどうしました?例えば早慶とか…」
一橋「全員出撃させた。今この基地にはお前と私しかいない…」
???「何故です?私のように、あなたの首“だけ”を狙っている者もいるでしょうに…」
一橋「お前が病院から消えた時から、いつか私を殺しに来ると予想はついていたんでな…」
???「わざわざ私のために人払いを?有り難い事です」
一橋「何を企んでいるか、知らないが…。東工大、今度こそお前はここで殺す!!」
東工大「前のようにはまいりませんよ。では!!」

その頃、法政達はクローン軍団に苦戦していた。
法政「がはぁ!…いてて…」
東大「ぐっやはり数が多すぎる…!」
神戸「しかも、ただの雑魚じゃありません。学習院、ICU、上智ですからね…」
名大「名古屋城パワーが…尽きてきたぜ…」
高医「ハァ…ハァ…」
お茶の水「ホホホ、情けないわね。じゃあ終わりにしようかしら。とどめよ!!」
お茶の水の号令でクローン軍団が一斉に襲いかかる!法政達の運命は!?


〜逆襲〜
司令室で対峙する二人の男。一橋と東工大
東工大「私は長い時間をかけ“理工系”を極めました…今日はそれをお披露目したいと思います…」
一橋「ほう…」
東工大「こちらから行きますよ!」

東工大はいきなり部屋を出た。一橋はたまらず追いかける。
一橋「………何だこれは!」

そこには、一橋より二回りは大きい二足歩行ロボットが立っていた。
東工大「私が造った戦闘ロボ“トーコー”です。操縦席にはもちろん、この私…」
一橋「実力では敵わないから機械に頼るというわけか」
東工大「これは私が造ったのですよ?MIT様の助けも受けておりません。紛れもない“実力”です」
一橋「MITだと!?まさか貴様!!」
東工大「喋りすぎましたか…まあ冥土の土産に教えてあげましょう。
    私は七武神のMIT様とCIT様とつながっております」
一橋「そうだったのか…。退院したのもそいつらの治療があったからか…!」
東工大「もういいでしょう。貴方の顔はもう見たくありません。“東工大キャノン”!!」

ズドゴォォォン!!

一橋「ぐばはああぁア!!!」
東工大「じゃ、もう一発」

ドゴォォォォォン!!

一橋「うぐわァあアァァ!!!」
東工大「いやぁ、良い気持ちです。ではもう一発」

バガァァァアァアン!!
一橋「グぼァアあぁァあ!!!」
東工大「まだ、くたばらないで下さいよ。じっくり楽しみたいものです」

〜トーコー〜
一橋「う…ぐは…!」
東工大「では、次はこのロボの怪力ぶりを披露しましょう」
東工大のロボ“トーコー”は一橋を軽々と持ち上げ、床に叩きつけた。
ドゴッ!
一橋「ゲホッ!」
東工大「すごいでしょう。自信作なんですよ」
一橋「こ、この卑怯者が!!」
ブンッ!
一橋は殴りかかったが、あっさりかわされる。
東工大「スピードにも自信があります」
一橋(くそ…!)
東工大「前の私とは違うという事は分かっていただけましたか?」
一橋「“レインボーブリッジ”!!」

ドゴーン!!

東工大「すいませんねぇ…あいにく耐久力も抜群でしてね」
一橋「ダメージ0…か」
東工大「まあ、そう落ち込まずに。楽しんでいきましょうよ」

バキッ! ドカッ! ガスッ! ドゴッ! ゲシッ! ボカッ! ボグッ! ゴスッ!

一橋「ガハッ!ゲホッ!…ゼェ…ゼェ…」
東工大「辛そうですね。じゃあ、そろそろ楽になりなさい」
一橋(く、血は引き出しの中…殺される…!)
東工大「どのみち日本は沈没するのです。早く死ぬか、後に死ぬか、それだけの差ですよ…
    東工大キャノ…」
???「“広末ビーム”!!」
バシュッ!
東工大「うわ!だ、誰ですか!?」
早稲田「俺が相手するぜ、東工大さんよォ!!」

〜最強コンビ〜
一橋「わ、早稲田!?なぜ、お前がここに…!」
早稲田「成蹊がボロボロにやられてたんですよ。で、“これは何かあるな”って基地へ戻ってきたんです」
東工大「その洞察力は評価に値しますが、戻ってきたのは賢明ではありませんね」
早稲田「ふん、お前は理屈っぽくて前から嫌いだったんだ。さっさとかかって来いや!」
東工大「いいでしょう。一発で終わらせてあげます!“東工大キャノン”!!」
バシュッ!
図太い光線が早稲田の腹部を貫いた。
早稲田「すいませんねぇ…あいにく耐久力も抜群でしてね。あ、これお前の真似ね」
東工大「バカな、確かに貫通したはずでは…!」
早稲田「これだ」
早稲田は自分の腹についている輪を取り外した。
早稲田「これは“一芸フープ”と言って、取り付けた場所とその反対部分を異空間でつなぐ性質がある。
ようするに、俺の腹は空洞なわけだ」
東工大「そんな物があったとは…」
早稲田「まぁ、“一芸フープ”だけあって、一日一回しか使えないんだけど…」
東工大「そうですか、それを聞いて安心しました」
早稲田「あ………!」
東工大「二度目はありませんよ!東工大キャノ…」
早稲田「今だ!慶應!」
慶應「“一撃KO”!!」

ズバガァァァン!!!

東工大「ぐわああああああ!!」
慶應「フッ…この“一撃KO”は命中率は0に等しいが、当たったら、必ず相手をKOする!」
早稲田「例えるなら、打率は0に等しいが、ボールをバットに当てれば必ずホームランにする打者…」
慶應「まず当たらないが、先程の東工大は早稲田に注意が向いていた。つまり、当たる!」
早稲田「当たる、すなわちKO、すなわち勝利!」
一橋(やはり、コンビを組むと実力が何倍にもなるな…この二人)
しかし、東工大のロボ“トーコー”は静かに起きあがる。
東工大「大打撃は受けましたが、“一撃KO”とはいかなかったようですね…」
早稲田&慶應(勝負はこれから…か)


〜助っ人〜
クローン工場―――――
お茶の水「ホホホ、死になさい!」
法政「もう終わりだァ!!」
??&??「ちょっと待ったァ!!」

謎の液体がクローンに次々と撃ち込まれる。
クローン達「ウゴォォォォ………」
液体を撃ち込まれたクローンは次々に溶けていく。
東大「何だ…?」
名大「あれ…?」
法政「な、何か助かる雰囲気ですね…」
お茶の水「どうなってるのよ!キィー!」
神戸「あ…お前達は…」
樽商&南山「間に合ったみたいですね」
神戸「医大連に報告に言ったんじゃなかったのか?」
樽商「いや実はあの後、変な人にこの銃を渡されて…」
南山「“これで東大達を助けてやれ”って…」
神戸「どうしたんだよ、この銃は!」
南山「“奴らのクローン技術は不完全だからこれで倒せる”って言われたんですけど」
神戸「………(誰だ?)」
法政「ま、まぁこれで形勢逆転…?」
東大「そう…だな…」
お茶の水「キィ〜〜〜〜!覚えてらっしゃい!!」
お茶の水はどこかへ走り去ってしまった。
法政(逃げたか…)

南山「まぁ、クローンの弱点はこの銃ですので、恐るるに足らずですよ」
樽商「一橋を倒しにいきましょう!」
東大「よ、よし!東大軍基地へ行こう!」
高医「勝ちましょう!そして、日本に平和を!」
法政(そういや、ここからが本番か…)


〜一橋の決意〜
東工大「二人共まとめて始末してあげましょう。“東工大マシンガン”!!」

ガガガガガガガ…!

早稲田「くそっ!マシンガンまであるのかよ!!」
慶應「何でもありだな…」

ガガガガガガガ…!

一橋(体が動かない…血を取りに行くのは無理だな…。アレしかないか…)
東工大「どうしました?早稲田さんに慶應さん!私立最高学府もこの程度ですか?」
早稲田「うぜぇ…!自分の力じゃねぇくせに!!」
慶應「マシンガンのせいで近づけん…」
東工大「もし弾切れを狙っているなら、お気の毒です。たっぷり弾丸はありましてね」
一橋「…うおおおお!」

ドカッ

一橋がトーコーに体当たりをした。そのまま、機体にしがみついている。
東工大「み、見苦しいですよ、一橋さん!さっさと離れなさい!」
一橋「やなこった…」
東工大「だったら死んでもらいましょう!」
一橋「…これだけ密着してれば、ダメージがあるだろ?しかも、お前は慶應の技を喰らったばかり…」
東工大「おい!しがみつきながら、技を出すつもりか!貴様もタダではすまんぞ!」
一橋「………」
東工大「仮にも東大軍の司令官なら、じ、自分を大事にすべきだ!」
一橋「司令官…か。俺は最初からそんな器じゃなかったんだよ…」
早稲田&慶應「ひ、一橋さん!!」
東工大「バカ、ふざけるな!私にはまだ仕事が―――――」
一橋「“レインボーブリッジ”!!!!」

ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!


〜再出発〜
頼もしい援軍、樽商・南山と合流した法政達。
東大「では基地に行く前に、この工場を破壊しておかねばな」
神戸「そうですね。二度とクローンはゴメンです」
名大「やっちまおうぜ!!」

クローン工場を破壊していく法政達。

ドガーン! ドガガーン! ガシャーン! ズドドドド…! ズガーン!

東大「すごい施設だな、ここでクローンが製造されていた訳か…」
高医「一橋も大したものやき」
東大「今…方言出たろ」
高医「気のせいです。気のせい…」
南山「ところで、法政のやつ。やけに張り切ってますねぇ」
法政(当然だろ!こんな時じゃなきゃ活躍できないからね!)

そして、あらかた壊し終わって…
高医「じゃあ、行きましょうか」
東大「うむ。だいぶ回り道したが、出発だ」
名大「一橋の野郎をぶっ飛ばしてやろうぜ!!」
愛知大「さ、さすが名大様…!」
愛知医「愛知に生まれて良かった…!」
北里「医大連の名にかけて!」
香医「クローンはもう増えないし、何とかなるでしょ」
南山「出たところで、この銃で楽勝ですよ!液切れは心配ですが…」
樽商「北大様…見ていて下さい!」
神戸「京都で京医や神医達も頑張ってるんだ!僕達も頑張らなきゃ!」
産医「その通りです!」
法政(はぁ…もう一橋さんが誰かにやられてたら、助かるんだけどなぁ…
   まぁ、あり得ない事を考えるのは止めよう…)
こうして一行は再び東大軍基地へ向け出発した。


〜決着〜
東大軍基地―――――

ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!

一橋と東工大のロボ“トーコー”が大爆発を起こす。
早稲田「一橋さん!」
慶應「一橋さん…」
一橋「うぐぐ…あいつは…?東工大はどうなった………?」

三人の目の前には大破したロボットがあった。その下敷きになるように、東工大が白目をむいて倒れている。
早稲田「やりましたよ!倒しましたよ!」
慶應「あなたの勝ちです…」
一橋「良かった…。もう思い残す事は無い…」
慶應「大丈夫です!傷は浅いですから…」
一橋「思えば、私も…随分ムチャをしたもんだ…」
早稲田「しっかりして下さい!!」
一橋「私は…クローンや七武神に…頼るしかなかった…。東大さんの跡を継ぐなんて…私には無理…だった」
慶應「急に弱気にならないで下さいよ…。大丈夫です!」
一橋「毎晩…眠れなかった…怖くてな…。情けない話だ…」
早稲田「しっかりして下さい!!」
一橋「いろいろ迷惑をかけたな…すまない。だが…司令官として…最後の仕事は果たした…。
   これからは…お前達の…時代だ…」
慶應「待って下さい!」
早稲田「死なないでくれぇ!!」
一橋「東大軍を…頼んだ…ぞ…」
早稲田&慶應「………任せて下さい!!」
一橋「………」

遂に、一橋と東工大の決着がついた。二人の廃校という形で…。

法政の逆襲15〜中と外〜

一方、法政達は東大軍基地にようやくたどり着いた。
法政「何か、ひっそりしてますね」
東大「入ってみよう。何かあったのかもしれん」

基地の内部を突き進む法政達。
名大「なんだこりゃ?機械がぶっ壊れてるぞ」
高医「…!誰か埋もれてますよ」
神戸「誰だこれ。もう、死んでるな…」
法政「こ、この人は!」
東大「…東工大だ」
北里「そ、そうだ!この人は東工大だ!」
東大「こいつの始末を一橋に命じて間もなく私は軍を去ったからな…」
法政「何でですか!?東工大さんは東大軍なのに…」
東大「ああ、こいつは兵器開発部長だった。だが、裏切ったんだよ。その後は知らん」
高医「そんな事が…」
神戸「東京もいろいろあったんですねぇ…」
樽商「そうですね」

一方、外で早稲田と慶應は一橋の墓を造っていた。
慶應「一橋さん、安らかに眠って下さい…」
早稲田「京大軍は俺達が必ず…!」
慶應「行こう…」
早稲田「どこへだよ?」
慶應「これ以上、この基地にいても無意味だ。戦場に行かなければ…」
早稲田「そうだな、じゃあ行くか!」

“東大軍司令 一橋 ここへ眠る”

丸太を地面に刺しただけの簡素な墓にはそう刻まれていた。



〜〜
一方京大軍
アメリカから帰ってきたICUが数名の人々と共に京大軍に現われた。

同志社「ICU、遅かったじゃないか」
ICU「悪い、遅れてしまって。
    田子の浦港に上陸してのはいいが、ちょっと手間取ってしまって」
同志社「そうか、それでそちらの方々は?」
ICU「そのときに、ちょっと手伝ってもらった人々なんだ。
    我々に協力してくださると」
静岡「どうも静岡大です。ICUさんが田子の浦にいたときは驚きました」
愛教「愛教ですわれわれも、この混乱の中でどうしようか迷っていたのです」
三重「三重です、それはとにかくあなた方に伝えたいことがあります」
立命館「いったい、どうしたんだ?」
三重「実は……」


同志社「みんな、大変なことが起こった!」
同女「同志社さん、どうしたんですか?」
立命館「落ち着いて聞いてくれ、一橋が死んだ」
阪大「なんだと! 本当か!?」
同志社「ああ、ICUを送ってきてくれた東海国立さんが教えてくれた」
京大「そうか、一橋が死んだか、……これで東大軍も終わりだな」
阪大「いや、まだ慶応と早稲田が残っているうちは安心できません」
同志社医大連と公立大同盟の動きも気になりますね」
立命館「しかし、我々には秘策があります。ICUが持ってきた手みやげです」
京大「ほう、ICUが秘策を?」
ICU「ええ、一応そうなのですが…」
京大「ふむ、それは一体どういったものなのかね?」
ICU「今は、未だ言えません、時が来たら…」
京大「そうか…、期待してるぞ」


〜〜
――そのころの千葉大
千葉大「だからNHK見てないって!」

NHKの集金をめぐって一悶着起こしていた。

――そのころの筑波大
筑波大「だからCOEの採択が少ないって!」

COEの採択をめぐって日本学術振興会と一悶着起こしていた。


〜再起〜
法政達は基地内部をくまなく探索したが、誰も見つけられなかった。
法政「どうしましょうか…?」
東大「考えるまでもない。基地を出るしかあるまい」
神戸「ここで何かあったのは確かですしね」
高医「ちょいと、名古屋の奴らと通信してみるか…」

戦場へ向かう早稲田と慶應。京大軍のレーザーのせいで、両軍の被害は悲惨なものだった。
慶應「生き残っている者をさがそう。そして、“全て”を伝えるんだ…」
早稲田「そうだな…」
そこへ現れたのは専修だった。
専修「あ、早稲田さんに慶應さん!」
すると、続々と大学が現れる。京大軍のレーザーから集団で避難していたようだ。
早稲田「丁度良い、お前達に“全て”を話す」

早稲田は文字通り全てを話した。東工大の侵入、そして一橋の死…。
やはり、大学達はパニックになった。次々と愚痴をこぼし出す。
「もう、終わりだ…」 「リーダーが死んじまうなんて…」 「負けだ…もう負けだ…」
「あの一橋さんが…」 「どうすればいいんだ…」 「あ〜あ…」 「マジかよ…」
「あの東工大がなぁ…」 「やってらんねーよ…」 「全員京大軍の捕虜になって殺される…」
「ウソだろ…」 「一橋さん…」 「東大さんがいればなぁ…」 「絶望だよぉ…」

『ゴチャゴチャうるせーぞ!お前ら!!』

早稲田はたまらず叫んだ。大学達は一瞬で静かになる。
早稲田「まだ、俺達がいる!一橋さんは最期に全てを託してくれた!諦めたら一橋さんが…!」
慶應「その通りだ。我々はまだ戦える。私と早稲田に命を預けてくれないだろうか」
早稲田と慶應の貫禄は東大や一橋に負けないものがあった。やがて、コールが起きる。

早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶!』

東大軍は新たに生まれ変わる―――


〜その後〜
東大軍基地を出た法政達12名。
高医「京都の医大連は京大軍基地から一時撤退したそうだ」
名大「何かあったのか?」
高医「京大軍に正体不明の援軍が来たとか言ってました…。誰でしょうね?」
神戸(神医………)
樽商「京都には北大さんだっているんです!絶対に勝ちますよ!!」

法政「一橋さんはどうしたんでしょう?」
東大「さぁな、逃げたか…それとも、死んだか…」
法政「もし、死んでたら…!」
東大「少なくとも、目標は達した事になるな。後は京都の医大連が京大を倒すのを待つだけだ」
北里「東工大と戦って亡くなったのでしょうか…」
法政「………!」
法政は何かを発見した。

MITとCITの会話。
MIT「おや、東工大の生命反応が消えた…。クックック…」
CIT「あいつに生命反応装置をつけていたのか…悪趣味な奴め」
MIT「一橋には勝てなかったようだな…素直に私のロボを使っていれば死なずに済んだものを」
CIT「多少は同情しているのか?」
MIT「まさか!日本の大学なんざ、全部ゴミだ。奴とは価値観が似ていただけ…」
CIT「………」
MIT「そろそろ大学を殺すのも飽きてきた。理科大を呼び戻して、いよいよ“日本沈没”の開始だ!」
CIT「そうだな…」
MIT「何だ?気がすすまないってツラだな」
CIT「いや、そんな事は…」
MIT「貴様も何かしてたな。材料や薬品からして“クローンを倒す銃”を作ってたってとこか」
CIT「!…流石だな」
MIT「甘く見るなよ。そんな物、どうしようってんだ?」
CIT「気まぐれに作ってみたんだ。それで…捨てたよ」
MIT「ハッ!訳が分からん」
CIT「………」

〜東大と一橋〜
法政は何かを発見した。
法政「これは…墓ですね」
東大「墓だと?」
法政「ええと、“東大軍司令 一橋 ここへ眠る”。一橋さん…死んだのか…」
北里「一橋さん…やはり…」
東大「一橋…すまない!私が…私が…!」
法政「東大さん…」
法政は東大が泣く姿を初めて見た。そして、東大は自分が軍を抜けた日の事を思い出していた。
   ・
   ・
一橋「どこへ行くんです」
東大「全てが嫌になった…。私はもういい…」
一橋「そんな無責任な!私達にはあなたが必要なのです!」
東大「全てお前に任せる。さらばだ…」
一橋「そ、そんな!私には無理です!行かないで下さい!!お願いします!!」
東大「すまんな…」
一橋「待ってくれェ!!うわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!私には…無理だぁ〜〜〜〜〜〜!!
   どうすればいいんだよォォォォ〜〜〜〜〜〜!!」」
   ・
   ・
法政達は墓の前で手を合わせた。
神戸「倒すはずの敵だったのに、手を合わす事になるとは…」
名大「確かに…まぁいいんじゃね?」
高医「あんな東大さんは初めて見ました」
北里「東大さん…」
東大「………」
法政(一軍の長という重圧…か。計り知れないものがあったんだろうな…)
東大「申し訳ない。さあ、出発しよう」
法政「…どこへですか?」
東大「………未来という名の希望へ」
その場が凍り付いた。



〜〜
京大軍から一時撤退した神戸・医大連。

神医「俺が残って奴等の正体を探ってみる」
北大「なにをいうんだ。そんな危険なことをリーダーのお前に任せられるか」
神医「大丈夫だ。俺には神戸から預かったあれがある」
北大「しかし!」
京医「わかった。まかせよう」
北大「京医!」
京医「だが、危険だと思ったら直ぐ逃げろ。お前だけの命じゃないんだ」
神医「わかった。じゃ、行って来る」

援軍の正体を調査していた神医から連絡が入る。

神医「援軍の正体が分かった」
京医「そうか、わかったか。いったい誰なんだ?」
神医「ICUだ。あと、東海国立―静岡・愛教・三重・豊橋技科・名工・岐阜らしい」
北大「なんだと! 名古屋はなにをしていたんだ! あやつの管轄だろうに!」
京医「仕方あるまい。あやつのちからはお前や東北・九州ほど強くはないのだ」
神医「しかも、ICUはなにやら秘策を持っているらしいとか」
京医「秘策…?」
神医「ええ、詳しくは分からなかったのですが…」
北大「そうか、わかった。とりあえず、戻ってこい」
神医「分かりました。では」

神医が京大軍本部からぬけ出そうとしたそのとき。

???「其処にいるのは誰だ!」
神医「(しまった! 見つかったか!?)」



〜〜
筑波研究学園都市にて−

筑波大「ダメだ。計測値の誤差が大きすぎる…」


???「What's up?」
筑波大「誰だよ、この忙しい時に」
東外大「久しぶりです、筑波さん」
筑波大「あ、東外大に阪外大、それに外大のみんな!」
阪外大「みんなでカナダまで研修旅行に行ってた」
京外大「お土産のメイプル饅頭でおす」
筑波大「…実は広島で買ってきたとか?」
関外大「誰もわざわざ広島まで行きまへんがな」
筑波大「いやいや、冗談だよ。ありがとう。なんでまたこんなところまで?」
神戸外「それがですね、空港に着いたとたんビックリですよ」
神田外「もう、東京中が焼け野原」
筑波大「嘘でしょ?この筑波研究学園都市はこんなに平和なのに」
東外大「それなんですよ。上智さんもICUさんもいないし、まともなのはここぐらいでした」
京外大「ちょっと東京に出てきはったらお判りになりますよ」
筑波大「うーん、めんどくさい。そんなことより研究だよ」
阪外大「筑波はいつもこうだ。もっとこれからはグローバルな視野を…」
関外大「もう、よろしいやろ。関東は冷たいわ。とりあえず西へ戻りましょ」
東外大「じゃあ、私も連れて行ってもらいましょうか」

〜〜
−関西にて−

神戸外「あれ?」
関外大「こっちもまぁ見事な焼け野原だな」
阪外大「いったい何があったんだ?」
東外大「これはただ事ではなさそうですね」
京外大「うっ、うっ、わてらのキャンパスが…」
名外大「貧乏な京外のキャンパスなんかたいしたことないだぎゃ」
京外大「なんやて!」
長外大「まぁまぁ、落ち着いて」
関外大「しゃあないからまた留学に行きまへんか?充実の留学制度でお安うしまっせ」
阪外大「じゃあ、ここらでウルドゥー語を学びに行こうか」
関外大「どこやねん」

法政の逆襲13〜到着〜

医大連名古屋基地―――――
名古屋には、高医と名大の部隊がいた。
産医「だ、誰かがこの基地に向かってきてる!」
香医「な、何!高医さんに報告だ!」

高医「誰かがこの基地へ?」
香医「はい。攻撃しますか?」
高医「待て、私も展望台へ行こう」

高医「奴らか?」
香医「ええ」
産医「三人います。双眼鏡をどうぞ」
高医「すまん………むむっ!?」
香医「どっどうしました!?」
高医「神戸だ………!!」
産医「生きていたんですか!?」
高医「そのようだ…出迎えろ!」
香医「ははっ!!」

医大連基地に到着した神戸達。
高医「てっきり死んだのかと…」
神戸「バカ言うなよ」
高医「…それで、一橋の秘密は掴んだのか?」
神戸「ああ。だが、それはこの二人に聞く方が早いだろう」
高医「この二人…?ああっ!東大!!と誰?」
法政「法政です」
高医「包茎?」
法政「ほ・う・せ・い!!!!!」
東大「まあそれより、一橋のことだが…」
東大は一橋と戦った時のことを語った。医大連の面々は驚きを隠せない表情であった。



〜九大軍〜
東京を攻める西軍の一派、九大軍。
九大「くそ、京大に阪大め。同じ旧帝だというのに、奴らは後ろで指示に回り、
   私は九州軍を率い、前線で戦う…不公平だ。これが関西と九州の差なのか…?」
福岡「九大様、北から東京を攻めていた大分軍が敗北しました!」
九大「そうか…」
  (くそ!何が“先制して基地を破壊した。東大軍は混乱するはず、安心して攻めたし”だ!
   混乱どころか基地を破壊された事で結束が強固になってる印象すら受ける…)
福岡「―――――九大様?指示を仰ぎたいのですが」
九大「そうだな…(うう…一気に攻め倒すはずだったのに、策などあるわけがない!)」
その時、空から光が…

ドッカァァァァァン!!

大爆発が起き、多くの兵士達が吹き飛ぶ。
九大「ぐわああああ!!こ、これは阪大の言っていた新兵器!福岡、大丈夫か!」
福岡「な、何とか…でも、動けませ…ん…」
九大の周りでは、多くの部下がうめき声を上げていた。
「くそ………右足が!」「熱い…焼ける…!」「うああああ…」「死ぬゥゥゥ…」「あが、あが、あが…」
九大軍はこの非常事態を受け、無事な者が怪我人の介抱をする事になった。九大もやむなく介抱に参加する。
九大(何を考えている、京大!敵味方関係なく殺すつもりか!)

ドッカァァァァァン… ドッカァァァァァン… ドッカァァァァァン…

九大「色んな箇所に撃っているのか…。久留米、全軍招集してくれ。九州の大学全部、だ」
  (京大は膠着を脱するために冷酷に徹した…!京大がそうするならば、私もそうするまで!)
久留米「どういうことでしょう?」
九大「一点突破だ…全軍で!!」
久留米「そ、それでは怪我人は?」
九大「無論、強引に連れて行くか、置いていくまでだ…」
久留米「そ、そんな…」
九大(もう止まる事退く事は死を意味する…もうこれしか…これしか無いのだ!!)
九大は覚悟を決めた。旧帝として、九大軍大将として、最後まで部下を率いる事を…。



〜大作戦〜
医大連名古屋基地―――――
高医「…では、協力していただけると?」
東大「うむ。こちらとしても大助かりだ」
法政(よかった…。やっぱり、どこかの組織に属してないとな)
高医「では、作戦会議が始まりますので早速…」
東大「そうだな。行くぞ、法政」
法政「はい」

会議室―――――
高医「今日は皆に新たな仲間を紹介する。東大と法政だ」
「本物の東大だ!」「東大が入るのか」「作戦成功も近いな…」「東大とは心強い」「東大かよ…」
法政(お、俺は…?)
高医「静かにしてくれ。今は一刻を争うのだ」
東大「どうでもいいが、高医。方言は直したのか?」
高医「いやいや、全国規模の連合なのでね。合わせてるだけですよ。聞きたいですか?」
東大「…遠慮しておく」
高医「…では新メンバーもいるので、作戦のおさらいをしておく」
法政(どんな作戦だろう…?)

医大連の作戦は一口で言うと“東大軍、京大軍。両軍の頭を同時に潰す”であった。
その為に、神戸基地と名古屋基地を作ったのだ。

東大「なるほどな…」
高医「神戸に残っている神医達が京大を叩き、我々が一橋を叩きます」
香医「これしかないのです。七武神が出てきた以上、我々に出来る事は“兵士達の戦意を削ぐ事”ですから」
法政「医大連と言えども、七武神相手では分が悪いですからね…」

作戦をおさらいしたところで、会議の開始。様々な意見が飛び交う中、一人の男が会議室に入ってきて、叫んだ。

名大「俺は認めないぜ。東大なんてなぁ!!」

〜名大VS東大〜
高医「名大さん、いまは戦争中です。旧帝間のイザコザは今は抜きに…」
名大「東大が入ると言うならば、名古屋軍は離脱させてもらう」
法政「そんな子供みたいな事言わずに…」
名大「黙れッ!!」
法政「は、はい!」
名大「お前らには分かるまい…この旧帝という特殊な枠組みが…」
法政「分かりません」
名大「黙れィッ!!」
法政「は、はい!」
名大「東大の長年のワンマンぶりが京大の反乱を招いたのだ。私は京大を裏切ったが、東大と和解するつもりはない」
法政「まあまあ、一時休戦って事で…」
名大「シャラップ!!」
法政「は、はい!(今度は英語かよ…)」
名大「俺は東大が許せない。半ば独裁的な支配、そのせいで反乱が起こると軍を逃げ、再びおめおめと姿を現す…
   そんな奴に心を許す気はない!!」
法政「心を許さなくても、体を許せば…」
名大「お口にチャック!!」
法政「は、はい!(もう訳分からん…)」

名大の独白により、部屋の中に不気味な沈黙が漂う。やがて、東大が口を開く。
東大「確かに…名大。貴様の言うとおりだ」
名大「ふん、だったら…」
東大「許してくれ!!」
東大はいきなり土下座をした。
名大「うう…!」
東大「………」
名大「わ、分かった…。頭を上げてくれ…今は少しでも戦力が必要だしな…」
東大「ありがとう」

その直後、東大は法政にだけ、そっと呟いた。
東大「…土下座はな、したもの勝ちだ」
法政「は、はあ…(恐ろしい人だ…。さすが、東京大学!!)」

〜十名〜
名大が落ち着いたところで会議再開。
高医「…では、具体的な作戦だが、我々はあまり犠牲者を出したくない。つまり、戦闘は最小限に留めたい」
東大「ということは?」
高医「最小限の戦闘で一橋を倒したい。まあ、一橋だけを倒すのが理想ですが…」
東大「当然、我々の兵が多いと、東大軍と衝突する可能性も高くなるな」
高医「察しの通りです。つまり、今回の作戦は“少数精鋭”でいきたい」
東大「何名くらいだ?」
高医「多くて10名…ってところですか」
東大「なるほど」
高医「今回はそのメンバーを選別したいのです」
名大「まあ、俺と高医、東大に神戸は確定だろうな」
法政(よかった…俺は入らないよな)
東大「法政も入れよう」
法政「(何ィ!)な、何でですか!」
東大「こいつには計り知れない力がある…ような気がする」
名大「確かにな、京大の反乱の作戦名を考えたのもこいつだし」
神戸「じゃあ、法政も入れよう」
法政「(何言ってやがる!)僕はいいですよ、ホント!他の医大の方々を入れたほうが…」
東大「遠慮するな」
法政(してません!)
名大「その謙虚な性格、気に入った!」
法政(心の底から断ってます!)
神戸「期待しているよ」
法政(しなくていいから!)
高医「君がこの作戦のカギだ」
法政(素人のピッキングでも開くようなカギですが、何か?)
法政の思いも空しく、法政は精鋭部隊に加えられてしまった。
ちなみにメンバーは、
高医、神戸、名大、東大、法政、愛知大、愛知医、北里、香医、産医の十名となった。



〜謎の敵〜
その頃、関東の九大は―――――
久留米「九大様、全軍集まりました!」
九大(京大が無差別攻撃を始めた以上、我が軍が生き残るには攻めて攻めて、攻めまくるしかない!)

九大「このたびは急遽全軍に集まってもらった」
宮崎「なぜですか?」
九大「京大達がこの膠着状態を受け、京大軍、東大軍関係無く攻撃を仕掛けている」
長崎「先程のレーザー連射ですか…長崎軍は被害はありませんでしたが…」
九大「おそらく、京大の攻撃はまだ続く。ならば、九州全軍で、東大軍基地を落とす!」
鹿児島「な、なるほど…確かに攻めるしかありませんな」
九大「ところで、熊本軍の姿がないが…」

そこへ、熊本学園大学がやって来た。
熊本学園「きゅ、九大様。我が軍は全滅です…」
九大「東大軍か!?」
熊本学園「い、いえ…たった一人にやられました。確か、“まさちゅう”とか何とか名乗っていました」
九大「“まさ厨”!?(聞いた事ないな…)」
宮崎「一県の大学を全滅させるなんて、簡単にできるものではありませんよ」
九大「そ、そうだな…(確実に早慶以上の実力者だろうな…“まさ厨”って誰だ!?)
熊本学園「お、恐ろしい強さで…あっという間に全滅でした…」
九大(七武神の可能性もあるが…。“まさ厨”なんて大学あったか?)

『大学がうようよいるな…楽しめそうだ』

熊本学園「あ、こんな声でした」
九大「だ、誰だ!!」
MIT「七武神の一人、マサチューセッツ工科大学だ。略してMIT…だな」
九大「(“まさ厨”…こいつの事か!)何の用だ」
MIT「日本を沈没させる前に日本の大学殺戮を楽しもうと思ってね。
    東工大の奴も“一橋を自分の手で倒したい”と言っているし…ま、暇つぶしだな」
九大「面白い…私も旧帝の一人、九州大学だ。アメリカ野郎には負けん!」
MIT「ほう…ならば、10秒で廃校にしてやる」



〜出発進行〜
選ばれた十名は早くも出発することに
高医「では行きましょう」
東大「うむ。ルートは?」
高医「あなた方がこの基地へ来るとき使った獣道です」
東大「(ああ、あそこか…)確かに、あそこなら敵に会う事もないな」

名古屋−東京間の獣道―――――
名大「一橋はどうやって倒すんだ?先程の話だと、ハーバード並の強さを身に付けたとか…」
神戸「この十名で一斉にかかるしかないんじゃないですか?」
高医「勝てればいいが…東大さんでも一撃だし…」
東大「………」
法政「まあ、血を使う前に倒しちゃえばいいんじゃないですか?」
他の九名「………それだ!!」
法政「は?」
東大「それだ、それしかない!」
名大「血を使う前なら、何とかなる!」
愛知大「そうですね、名大様」
法政(気づいてなかったのか…この人達)
高医「やっぱ弱いと、そういう姑息な手段を思いつくもんですね」
法政(悪気がないから、かえってムカつく…)

ガサッ!

神戸「誰かが今、道を横切ったような」
名大「目の錯覚だろう?」
神戸「………(見間違えじゃなければ、あれは“ICU”…)」

見間違えではなかった…
ICU「今のは…どこの組織だ?とにかく、同志社に会わないとな…
    あの言葉は使いたくないんだ…!」



〜〜
九大「みんなかかれ!九州の力をみせてやれ!」
MIT「1校に相手に大勢とは無礼だな まあいい、かかって来い雑魚ども!」
長崎「必殺!長崎ちゃんぽん!」
大分「シイタケ栽培!」
MIT「そんな田舎じみた技がこのオレに効くか!死ねえ!」
長崎&大分「ぐわー」
鹿児島「西郷どんアタッーク!」
MIT「ぬるいわ!」
鹿児島「くっ!つ、強い・・・これが七武神の力・・・」
MIT「見せてやろう、我が最先端技術の結晶MITキャノンの威力を!」
九大軍「なにっ!?」
MIT「MITキャノン発射!」

ドッカァァァァァン!!

〜〜
九大軍「うわー」
九大「みんなー」
MIT「ほう?まだ生き残りがいるか さあ残るはおまえだけだ」
九大「おのれー みんなの仇 くらえ!九大名物 いも九!」
MIT「ぐっ!少しはやるようだな、だがまだまだ甘い!」
九大「くそっ、こうなったら・・・ 奥義!地帝圏!」
(地底である九大は東大、京大の権力を一時的に借りることができる!)
九大「オレも地底の端くれ、ただではやられん!いくぞ!いも九!」
MIT「ぐあっ!こいつ急に強くなりやがった!?」
九大「おらおらー!」
MIT「ぐあーーーー!こっ、こんヤツに本気を出すことになろうとは!くらえ!フルパワーMITキャノン!」
九大「うわーーーー!強すぎる・・・もうだめだ、戦う力が残ってない・・・」
MIT「ハアハア・・・ なかなか楽しめたぞ 礼として、苦しまないように潰してやろう」
???「まてっ!」
MIT「だれだ!?」
九大「おまえは、APU!?生きていたのか!」
APU「おれだって、立命館の分校だ!ここはオレが食い止めるその間に逃げてくれ!」
九大「しかし、おれにも九州の王者としての意地が有るここで引くわけには・・」
APU「ここで死んだら無駄死にだ!戻って、立命の兄貴に協力してくれ!」
九大「だが、あいつは裏で何かたくらんで・・・」
MIT「このオレが逃がすと、思うか!ぐわっ、くそっ、死にぞこないが!」
西南学院「ざまーみろ」
APU「早く逃げろ!」
九大「すまん、恩にきる」
西南学院「うっ・・・」
APU「くらえ!」
MIT「雑魚が!」
APU「ぐわっーーーー!立命の兄貴あとはまかせやした・・・」
MIT「ちっ、1匹逃がしたか・・・ まあいい、さあて次ぎはどこをつぶすかな」

〜九大VSMIT〜
関東では、九大軍とMITの戦いが始まろうとしていた。
九大「随分と余裕だが、この人数だ…生きて帰れると思うなよ」
MIT「予言する」
九大「なに?」
MIT「貴様達は3分で全滅する」
九大「さっき10秒って言わなかった?」
MIT「それは貴様との一対一の場合だ。全員でかかってくるなら、流石の私でも3分かかる」
九大「…そうかい。じゃあ行くぜ!」

そして―――――
東工大「あ、MIT様。ここにおられましたか」
理科大「一人で何をやっていたんですか?」
MIT「…下を見てみろ」
東工大「下…?」
地面にはおびただしい数の廃校になった大学があった。
東工大「まさかこれ全部、一人で…!?」
MIT「まあな。骨があったのはほんの数校だった」
??「まだ…終わっていない…」
MIT「生き残ったのはお前だけか。クックック…」
九大「ゆ、許さんぞ…。絶対に!」
MIT「足掻いてみるかね?」
九大「必殺“明太子フラッシュ”!」
ドゴーン!
MIT「効かないねぇ…」
九大「うぐぐ…秘技“とんこつラーメン醤油味”!!」
バゴーン!
MIT「痛くもかゆくもないな…」
九大「ちくしょう、秘術“博多どんたくポラロイド”!!!」
ズドーン!
MIT「ここまで弱いと、悲しくなってくるな…」
全ての技が無効!九大に勝ち目はあるのか!?

〜〜
??くそっ、、、このまま廃校になったら誰が九州を束ねると、い、、う、、ん
   ドサッ

東北「もう少しで両軍激突か、、」
福医「!! 誰か倒れてます!!」
東北「ん?あ、あいつは、九州!?最終決戦はまだ始まってないはずだ!何故、、」

東北「おい、九州!!しっかりしろ!!傷の手当てを!!早く!!」
九州「お、お前は、、東北、、ふふ、、みっともないだろ?こんな醜態、、」
東北「誰がおまえをこんな目に合わせた?」
九州「外国勢、、、の噂は聞いているな、、、?」
東北「ああ、、、まさか!?」
九州「MIT、、俺の部下は殆どやられた、、頼む、敵を、、」
東北「分かった、分かった、もう喋るな、、」

東北「どうなんだ?治りそうか?」
福医「かなり酷いですね、、体力(偏差値)もかなり低下してます、もって1日、、」
九州「、、ありがとう、、疲れたろ?お前達は休んでいてくれ、私が見張りをしよう」

     ずどぉぉぉぉぉん!       うぉぉぉぉぉ!!!!
   遠くから大気と大地が震えたような轟音が鳴り響いた

東北「は、、始まってしまった、、もう止めることは出来ないのか、、、?」

法政の逆襲12〜衝撃〜

東大「眠くなってきたな、どこか泊まるか」
法政「そうしますか」

ドッカァァァァァン!!

法政「な、何!?」
東大「一橋達の基地が………!!」

突然、東大軍の基地が大爆発を起こした。
一橋「な、何事だ!!」
慶應「京大軍からレーザーのようなものが撃ち込まれました!」
一橋「く…新兵器か!?応戦しろ!!」

阪大「慌てていますよ、奴ら」
京大「今のが宣戦布告代わりだ。一気に全軍で攻め込むぞ!今日中に終わらせてやれ!」
兵士達「お〜〜〜〜!!!!!」

東工大「何だ、今の轟音は!!」
理科大「開戦のようです!どうしましょう!?」
MIT「この国の事情はこいつのおかげでだいたい分かった。殺戮ゲームを楽しむか」
工作員C「何でもお聞き…」
グシャ!!
工作員C「ゲバッ!」
東工大(一橋、あの時の借りは返させてもらう…)

名大「とうとうおっ始めやがったぜ!」
北大「神戸達は間に合わなかったか…出陣だ!」
神医(神戸………)

立命館「始まったな、俺は京大さんの所へ行く。死ぬなよ…」
同志社「お互いにな…」



〜〜
両親との再会を果たしたICUは、早急に日本へと向かった。

ICU「ちっ・・・不覚にも資金が底をつくとは。船を利用したので予定より時間がかかってしまった。」
           サー・・・サー・・・(波の音)
(スワースモア)「ICU、お前に先祖より伝わる魔法の言葉を教える。」
(アマースト)「いいことICU?必要とされた時以外、決してこの言葉は発してはいけないわ。本当はこの言葉が必要とされないのが一番いいのだけれど。」
(ICU)「わかったよ母さん。父さん、準備はできています。教えてください。」
(スワースモア)「そうか。では、一度しか言わんぞ・・・・・
               「旦那!旦那!」
ICU「!?・・・すまん。うたた寝をしていたようだ。で、何かようか?そんなに急いで。」
船員「外を見てくだせー!もう日本につくんですが、東京のあたりで煙が!」
ICU「なに!?もう全面戦争に!?同志社は何をやってるんだ!急がねば。船員!もっとスピードはでないのか!?」
船員「まかせてくだせー!」
ICU「(神よ・・・私にあの言葉を言わせる気なのですか・・・?)」

                ICUを乗せた船は富士山跡の近くに着港した。



〜〜
攻撃を受けた元東大軍の基地近くに神戸たちの姿はあった。

神戸騒がしいな、今、ここを動いて見つかると厄介だ、、、
南山誰か出てきますよ?
樽商あれは、、法政抜けた後のマーチです!!
神戸君、目が良いな
樽商田舎育ちなもんで
南山静かにして下さい!、、え、、と、、彼等は、、東大と法政を追ってるようですね、、
神戸君、耳が良いな。むしろ良すぎるよ
南山田舎育ちなもんで
神戸え?ああ、そう(南山って田舎育ちだったかな、、?なんにしてもレーダーの役割に使えるな、)

ザザザザザザザザザザザザ

青学多分、この辺りにはもういないな、もう少し遠くまで行こう
明治追いついたとしても、法政はともかく東大には俺たちかなわないぞ
中央俺たちは、、只の噛ませ犬だ
明治なにっ!?どういうことだ?
中央一橋さんと東工が戦った時、あの人は工場からクローン技術の書類を盗み出していた。
  おそらく、俺たち以上の人をクローンで何体も作り上げ、それで東大たちを倒す気だろうね。
  全く恐ろしい人だ。東大傘下時はあんな性格じゃなかったというのに、、
立教そういうことだったのか、、でも俺たちは拒否する権利など無い、、、
青学明るいな、、火を燃やしているのか、、多分あそこだな!!!いくぞ!!

〜〜
法政なんか、、話し声が近づいてきますよ!!
東大恐らく追っ手だろうな、無駄な事を、、

日本今、連絡が入りました、どうやら東大を見つけたみたいです、、
一橋、、ふふ、、そうか、、奴等を向かわせろ

青学やっと追いついたぞ!!!ここがお前達の墓場だ!!!
東大法政は下がっていろ、一度に蹴りをつける
立教栄光の3番長島バット斬り
東大なにっ!
法政ぎゃぁぁぁ
東大私を先に狙わずに、法政を狙うとは、、卑怯な真似を
MARCいくぞ!!!うぉぉぉ
東大赤門!!

ズドーーーン

MARCぐはぁっ、、強すぎる、、このままじゃ、、、この薬を使うしか、、

ドギャッ!!!(MARC気絶)

〜〜
ドギャッ!!!(MARC気絶)

東大[[何者だ!!!、、上智?そんな馬鹿な!!!
上Ⅰコノクスリハ、、ワレワレガ ツカウノガ フサワシイ
上Ⅱトウダイ、オマエヲ ケス!!
東大4対1か、面倒だな、、

4体のジョウチは薬を口にした

Ⅰ&Ⅱ渡る世間は!!!学歴オンリー!!
東大ぐうっ、、なんだこの力は?一橋の時と同じ、、まさか!?
Ⅲ&Ⅳカンガエゴトヲ シテイル ヒマガ アルノカ?
東大ぐおっ!後ろからっ!?

南山後ろの方から戦闘音が聞こえますね、おそらく東大、、と追っ手
神戸先ほど、彼等の方向に向かっていった奴等は同じ顔をしているといったね?、、恐らくクローン、、
樽商クローンですって!?馬鹿な
神戸君たち2人は、このことを、すぐさま医大連に伝えてくれ、それと先に元東大軍を潰すべきだとも
   僕は助太刀に行くよ、、

〜〜
東大なんとか一体倒したが、、厳しいな
ⅠⅡⅣオイオイ トウダイサン イキガアガッテマスヨ?
東大くそっ!!
??溺れろ!!灘の銘酒!!!
Ⅱぶぼぼぼぼお、、
東大こ、神戸!?お前は敵陣のはず?何故助ける?
神戸昔はでしょ?今は貴方はどこにも付いていない。行きますよ!!

東大は神戸の助けもあり、ジョウチ4体を打ち破った。

神戸先ほどのクローンは?
東京恐らく一橋がやったものだろう、、あいつは海外とも結びついて、、くそっ!このままじゃ日本が、、
神戸、、日本の大学を建て直すには、貴方の力が必要だ。いくら腐っても東京大学なんだから、
   お願いです!日本のためと考えて、力を貸してください!!
法政あ、あれ、、神戸!?
東大やっと気が付いたか、、。気にするな、彼は何もしない。味方だ
神戸東大さん!!
東大法政、歩けるな?行くぞ
法政行くぞ!!ってどこへ?
東大終戦へ向けてだ!もう一肌脱ぐことにした
神戸僕が先導します、では出発!

〜死闘〜
神戸の案内のもと、獣道をひた進む三人。
東大「この道は大丈夫だろうな?」
神戸「大丈夫です。ここは殆ど知られていません」
法政「もう一度聞きますけど、どこへ向かっているんです?」
東大「神戸達の基地だ」
神戸「正確には旧帝軍ですね。支部が名古屋にありますから」
東大「それじゃあ、神医達に再会できないぞ」
神戸「いいんです、奴らはそんなにヤワじゃない」
法政(名古屋って事は名大…?東大さんと一波乱ありそうな予感…)
東大「早くしろ法政、絶対安全というわけではないんだ」
法政「は、は、は、はい」

東大軍基地では…
一橋「ちィ、東大は逃したか…」
慶應「今なんと?」
一橋「東大を逃したと言ったのだ。足止め役にMARC、仕留め役に上智を送ったが、邪魔が入ったようだ」
慶應「じょ、上智!?奴は軍を抜けたはずじゃ…」
一橋「クローンだ。ちょうど細胞があったので作ったのだ。人格は不安定だが、実力は本物と遜色ないやつをな…」
慶應「な!この前のハーバードさんの血液の件といい、クローンといい、大学を何だと…」
一橋「黙れ」
慶應「………!」
一橋「反抗する気か?私はこの戦争に全てを賭けた!貴様は黙って従っていればいいのだ!!」
慶應「ですが…」
一橋「聞こえなかったか?京大軍は鼻の先まで迫っているんだ、さっさと行ってこい!!」
慶應「………はっ」

そして…
MIT「日本の大学ってのはこんなに弱いのか。沈めるまでもないわ…」
成蹊「た、助けて…!」
MIT「死ね!!」
ドキャッ!
東工大(あの成蹊を苦もなく…さすが七武神。一橋…待っていろよ)



〜血戦〜
先手を取り、果敢に攻め上がる京大軍。
追手門「攻めろ〜〜〜!!」
花園「東大軍をぶっ倒せ!!」
近畿「日本は京大さんのものだ!!」
大経「やっちまえ〜〜〜!!」

後手に回り、決死に守る東大軍。
國學院「絶対に守るんだ!!」
駒澤「敵を東京に入れるな!!」
日体大「関東をなめんじゃねえぞ!!」
神大「食い止めろ〜〜〜!!」

法政達はまだ獣道を進んでいた。
法政「すごい声ですね、戦場からは離れているはずなのに…」
東大「わ、私がしっかりしていれば、こんな事には………!!」
法政「と、東大さんのせいじゃないですよ!」
神戸「そうです。これは全員の責任です…僕にもあなた方にも責任はある…」
法政「大丈夫です。まだ間に合いますよ!」
東大「………」

京大軍基地では…
阪大「戦況は膠着状態だそうだ………」
京大「これでは、何のために先手を取ったんだか分からんぞ!」
阪大「しかし、東大軍の志気も高い。仕方あるまい…」
京大「…やむを得ん。レーザーをもう一発だ。エネルギー充填しろ」
阪大「バカな、我が軍にも被害が出るぞ!」
京大「東大軍如きの防衛線を破れぬ部下はいらん」
阪大「あの兵器をスタンフォードさんに頼んだのは、東大軍基地を先んじて攻撃し、敵の志気を下げるためだ!
   この乱戦下で投入するのは馬鹿げている!」
京大「だが、現に敵は我が軍と張り合っているではないか!」
阪大「………」
京大「決まったな。今度はエネルギー最大だ…!」



〜その頃の筑波大・千葉大
筑波大は朝食を食べていた。
筑波「一人きりのブレックファストってね。いただきま〜す」
今日のメニューは納豆、青汁、メロンパン…。
ひとしきり食べ終えた後…
筑波「ああ、美味かった…。それにしても最近みんな冷たいよな…
   連絡くらいくれりゃいいのに…。まあ俺もしてないけどな」
ポストの新聞を取る。
筑波「最近、新聞読んでないな、取るだけ取って放置してたな…。たまにゃ読むか」
『いよいよ東西大学戦争勃発か!?』
筑波「………なんだこりゃ。いくら平和だからって、こんな嘘記事書くなよ…。みそこなったね、新聞会社も」

ワァァ〜〜〜〜………

筑波「遠くで祭りでもやってんのかな?“殺せ”“死ね”とか言ってるし、随分過激な祭りだな…」
筑波大学は研究を再開した。


千葉大学は寝ていた。

ワァァ〜〜〜〜………

千葉「うるせえなあ…寝られねぇよ!」
しぶしぶ起き出す。
千葉「まあいいや、早起きは三文の得だし。たまにゃいいわな」
そして、大きな鏡の前に立った。
千葉「俺の腹筋、こんなにたくましくなって…今年の夏は房総半島でかわい子ちゃんをゲットするぜ!」
居間に行き、テレビをつけた。すると、大学同士の凄まじい抗争が流れていた。
千葉「なんだ?映画か?こんな朝っぱらから戦争映画かよ…
   は!?出てるの大学ばっかじゃねぇか!しかも俺が知ってる奴!!
   あいつら、俺を出し抜いて映画作ってやがったのか…くそ!!」
即座にテレビを消し、腹筋を始めた。
千葉「さあて、嫌な事は忘れて腹筋、腹筋と…」

法政の逆襲11〜腐っても鯛〜

【前回までのあらすじ】
軍を離脱した東大と再会した法政。そこへ学習院が現れた。

学習院「捜したぞ、法政!」
法政「学習院!」
学習院「東京へ戻ろう。お前の力が必要なんだ…」
法政「俺の力…?」
学習院「ああ。俺はあれから北大達に見切りをつけ、新しい人達と戦争終結を目指してる」
法政「新しい人達って?」
学習院「帝京さ…」
法政「帝京!?最初の犠牲者って聞いてたけど…」
学習院「あの方がそう簡単に死ぬはずないだろう?“死んだふり”ってやつさ」
法政「へえ」
学習院「七武神の介入もあり、日本を救えるのはもはや帝京しかいない。
    そして、彼はお前の力を必要としている。戻ろう!」

『帝京が日本を救う?あいつがそんなタマなはずがなかろう…』

学習院「誰だ!?帝京を侮辱するのは!」
東大「私だが?」
法政「と、東大さん…何もいきなり…」
学習院「東大がいたのか…そんな浮浪者同然の格好では分からなかったぞ」
法政「学習院!失礼だぞ!」
学習院「ふん、法政よ、よく見ておけ。かつての帝王の最期をな!」
東大「かつての部下のよしみだ…その仮面はぎ取ってやろう。
   東京首都流奥義“ハチ公の遠吠え”!!」

アオオオ〜ン

学習院「あれ、俺は今まで何をしていたんだ…」
東大「ハチ公の悲しき遠吠えは全ての異常を浄化する…おそらく、帝京のやつに洗脳でもされていたのだろう」
法政(す、すごい………これが東京大学………!)

〜〜
工作員A「(・∀・)ヒソヒソ…学習院の洗脳が解けたようでし…(・∀・)ヒソヒソ」
立命館「そうか。情報収集ごくろう。では・・・時は、満ちたな。」

そのころ予備校軍の本拠地
河合「最近めっきり代ゼミの姿をみなくなったなぁ・・・」
駿台「あぁ。いなくなると寂しいもんだな。帝京が風邪とか言っていたが、一応見に行ったほうがいいんじゃないのか?」
帝京「!?」
河合「そうだな。これからが大事な時なのに人手不足は避けたい。見舞いに行ってやるとするか。」
帝京「そ・・それはやめた方が!かなり風邪をこじらせていたいたようですからっ!うつりでもしたら大変です!」
駿台「ちょっとくらい良いだろ。あいつも寂しいだろうしなw」
帝京「ちょっ・・ちょっと待って!」
              バタッ
職員「大変です!テレビで・・今テレビで!!!」
河合「どうしたんだ?今昼ドラを見ながらマターリしているんだ。邪魔をするな。」
職員「そんなこと言ってる場合じゃ!偏差値操作がマスコミにバレたんですよ!!」
帝河台「なにぃ〜〜!?」

〜〜
アナウンサー「では、今回の騒動を受験生達はどう思っているのでしょうか?生の声を聞いてきました。」
受験生A「前からおかしいと思ってました。やっぱりね・・という感じです。河合塾に通っていましたが、あんたペテン予備校やめて四谷学院行きます。」
受験生B「言葉もでませんね。完全に受験生をなめてます。東大けって東海大学へ行った俺はいったい何なのかと小一(ry・・・」
受験生C「昨日なんて母親がヒステリック起こしちゃって大変でしたよ。三大予備校は終わりだなこりゃ・・・」
アナウンサー「以上、受験生の生の声をお伝えしました!」
         「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
河合「いったい誰がバラしたんだ・・・駿台!お前か!?」
駿台「何を言ってるんだ!俺も被害者なんだぞ!!」
帝京「(やばい雰囲気に・・・)」
河合「では誰が・・・・代ゼミかぁ!!!!!!!」
駿台あいつだ!最近姿を見せないと思ったら!!!」
               ドンドンッ
マスコミ「河合さ〜ん、駿台さ〜ん。偏差値操作の件でお話を伺いたいんですがねぇ。お時間いただけますか〜?」
マスコミ「訴訟起こすって言う動きもあるんですよ〜早く出てきたらどうなんですか?」
帝京「(ここはひとまず退散・・・と)」
河合「まずいことになった・・・どうする駿台?」
駿台「わからん・・・もう逃げ場はないな・・・」
河合「潮時か・・・ん?帝京の姿がないようだが・・・。」
駿台「まさか!?あいつ自分だけ!!??」
マスコミ「いるのはわかってるんですよ〜!裏切られた受験生の身にもなって下さいよ!」

   その日、事実上三大予備校は生徒数0となり、倒産した。

立命館「予備校連合壊滅、と・・・工作第一弾は成功だ。結局やつらは戦況を複雑にしただけだったしな。何が平和だ。では次へうつるとするか・・・」



〜法政VS東大〜
学習院を寝かせた後、東大の衰えぬ実力を垣間見た法政は…
法政「戻りましょう!東大さんなら七武神だって…」
東大「今のは学習院がかつての部下だったからだ。それに、私には七武神に対抗できる実力も権力もない…」
法政「やるだけやってみましょうよ!」
東大「やるだけ無駄だ」
法政「仲間集めとか手伝いますから!」
東大「お前では、どこかの傘下に下るのがオチだ」
法政「え〜と、それじゃあ…」
東大「黙れ!私はもうこんな国、どうなってもかまわんのだよ!」
法政「は?」
東大「!」
法政「いったい、どれだけの人間がお前を受験し、どれだけの大学がお前を慕ってきたと思ってるんだ?
   それら全てどうでもいいって言うのか!!」
東大「………」
法政「お前の為に勉強し、お前の為に浪人し、お前の為に戦い、お前の為に死んだ…
   お前に振り回された人間や大学はもう関係ないわけか?」
東大「………」
法政「自分の為に、他人の為に、何かの為にとりあえず動く!基本だな、生きてる上での。
   そういう意味じゃ、帝京、関西や予備校のほうが余程自然だよ。奴らがどんだけ腹黒いかは知らないけどさ」
東大「言ってる事がメチャクチャだな、これだから私大は…」
法政「メチャクチャでしょうよ。でも、俺は決めました。東京へ戻ります。せいぜい動いてくたばってきます」
東大「………」
法政「もう俺は行きます。東大さん、最後にお願いです。一緒に来て下さい」
東大「………」
法政「分かりました、残念です。それじゃあ…」
法政は下を向いてる東大に踵を返し、東京へ向かって歩き始めた。

東京―――――
法政「戻ったのはいいけど、何をすればいいのやら…あれだけ東大さんに好き勝手言ってこの有様か…
   二日酔いの薬でも買おうかな…」
??「おいおい、しっかりしたまえよ。私をここまで来させたのだから」
その声の主は東大だった―――――



〜〜
壊滅状態となった予備校軍から離脱した帝京。

帝京「くっ・・・いったいどーなっているんだ・・・計画が全て台無しじゃないか。とりあえず学習院に連絡だ。」
電話「(おかけになった電話番号は、現在使われ・・・・・・)」
帝京「おいおい・・待ってくれよ!学習院は完璧に洗脳したはずなのに!!くそっもう一度!」
電話「(おかけになっ・・・・)」
帝京「じゃあ俺はどーなるんだよぉ!このままくたばれというのか!?」
???「その通り・・・だな・・・」
帝京「なにやつっ!?」
???「帝京・・・やっと・・・・見つけた・・・・」
帝京「お・・お前は!!」



〜帰還〜
東京へ戻った法政と東大。
法政「どうしましょう?」
東大「私もお前もしばらく戦線から離れていたからな…情報集めが先だろう」
法政「そうですね。どうします?」
東大「信頼のおける者に聞くのが一番だろう」
法政「誰かいますか?」
東大「一橋達に情報をもらおう」
法政「大丈夫ですか?東大さん軍を離れたんじゃ…」
東大「別に指揮権を返してもらおうという訳じゃない。ただ情報をもらうだけだ。大丈夫だろう」
法政「………」

法政達は東大軍の総本部へ向かった。幸い場所は以前と同じのままだった。
東大「久しぶりだな。相変わらず門番か、国士舘
国士舘「あ、あ、あ…」
東大「争いに来たわけじゃない。情報が欲しいだけだ。用が終われば、すぐ帰る」

国士舘に案内され、総司令室へ。
東大「久しぶりだな」
法政「ど、どうも…」
一橋「何の用だ、東大。今更、総司令官に戻りたいとでも?そこまで甘くないぞ」
東大「我々は我々のやり方でやる。ただ情報が欲しいだけだ…。
   調子いいかもしれないが、これ以降、お前達に関知しない事を誓う」
一橋「早稲田、慶應。二人を殺せ!」
早稲田&慶應「はっ!」
早稲田「喰らえ、大隈流奥義“広末キャノン”!」
慶應「福沢流奥義“天は人の上に人を落とす”!」
東大「仕方あるまい、東京首都流奥義“お江戸でござる”!」
ズガガーン!!
早慶「ぐわわ〜〜〜!」
一橋「なるほど、日本一は伊達ではないな!」
東大「来るか!?」
法政(俺は………?)

〜敗北〜
向き合う東大と一橋。場に緊張が走る。
一橋「はっきり言おう。私もあれから特訓した…負ける気はしない」
東大「やけに強気だな。ならば決着をつけてやろう!」
早慶法(ごく………)
一橋「しかし、私は総司令の身…なるべく傷は負いたくない」
東大「そうか。ならば情報を…」
一橋「そうではない」
東大「…どういうことだ」
一橋「一瞬だけ…ハーバードさんの力を借りる…」
東大「借りる…?」
一橋「ハーバードさんは我々を養子とした証として、自らの血を分けてくれた」
早稲田「ま、まさか!」
一橋「その血をこの身に流せば、ほんの数瞬だが、ハーバードさん並の力を得られるのだ。
   もっとも、ハーバードさん自身はこの事実に気づいてないようだが」
慶應「だ、ダメです!ハーバードさんはそんな使い方は望んでいません!」
ポタン…
一橋は取り出した血液を自分の体にまぶした。
一橋「ククク…ハーバード大学一橋分校の力を思い知れ!」
東大(どれほどの力か知らないが、数瞬ならば…)
一橋「私の能力は橋の力を操る能力…“レインボーブリッジ”!!」
ドゴォッッ!!
東大「ぐばァ!!」
東大は一撃で倒れた。法政も巻き込まれ、気絶した。
一橋「ふん、こんなものか」
早稲田「………」
一橋「東洋、こいつらを牢獄にぶち込んでおけ!」
東洋「はっ!」
二人は為す術無く捕らえられてしまった。



〜〜
帝京「お・・お前は!!同志社!!」
同志社「探したぞ・・帝京・・・同女の無念・・ここで晴らす!!!」
帝京「(こいつの目・・・殺気に満ちている!)待・・待て!お前あのことを言っているのか!?なら謝る!俺が日本を支配した暁には西日本をお前にやろう!ほ・・ほらこれが手付金だ・・!」
             バサッ(同志社の目の前に広がる札束)
同志社「・・・・・・・。」
             ドキュンッ!(打ち抜かれる札束)
帝京「あぁ〜!お前なんてことを!しかもお前・・それ・・拳銃!!!」
同志社「お前如きに日本は支配できん!人気、実力の面でも一目瞭然だろ!そして・・・お前はここで死ぬのだしな!!!」
             帝京に銃口が向けられる
帝京「ひっ・・ひぃ〜〜〜!!!せめて!命だけでも・・・お前の目的はなんだ!?協力するから!なんだってするから!」
同志社「これから死ぬヤツにやる言葉はない。今までの悪行、そう・・とりわけ同志社女子を殺した罪、全てあの世で償ってもらう!」
帝京「!?待て!俺は同志社女子を殺
              ズギュン!
                  ・・・・・・・・・・。」
同志社「言い訳は・・・聞きたくない・・・。同志社女子よ・・・なぜこんなやつに・・・。」

〜〜
立命館に会うため京大軍の要塞へ向かった同志社

同志社「この要塞も久しぶりだな・・・まだキレイなあたり、ここには攻め込まれていないのだろう。」
???「同志社!!」
同志社「そ・・その声は!!同志社女子!!」
同女「良かった・・・また会えたわね。」
同志社「・・・・・・いや、これは何かの間違い。夢でも見ているのだろうか?廃校になった大学が復興するなんて・・・長旅で疲れてるな、俺も。」
同女「?なにを言っているの?」
同志社「え・・・だってお前は帝京に殺されたって。立命館の手紙に・・・。」
同女「帝京!!??」
同志社「え!違うのか?立命館!あいつ・・・謀ったな!同志社女子!立命館はどこにいる!?」
同女「あ。。おそらく京大様のところに。」
同志社「ありがとう。まだ積もる話がある。また後で会おう。」
同女「う、うん・・。(同志社・・・私はあなたに言わなければいけないことが・・・)」
             
          同志社立命館のもとへ向かった。

〜〜
工作員A「ヒソヒソ(・∀・)・・・同志社が帝京を殺してくれたようでし。まもなくここへ・・・ヒソヒソ(・∀・)」
立命館「そうか。工作第二弾も成功だな。ごくろう。」
工作員A「ヒソヒソ(・∀・)・・・東大軍の偵察に行った工作員Bとの連絡が取れませんが・・・ヒソヒソ(・∀・)」
立命館「なに!?・・・調べておいてくれ。もう同志社がくる。」
工作員A「ヒソヒソ(・∀・)・・・御意・・・ヒソヒソ(・∀・)」

                ウィーン(入り口が開く)

同志社立命館!!!どういうことだ!?」
立命館「誰かと思えば同志社じゃないか!京大さん、少し同志社と二人きりで話をしたいのですが。」
京大「同志社・・・今までいったいどこへ行っていた?まぁいい。その話は後でじっくり聞こう。立命館、奥の部屋を使え。」
立命館「はい。」
同志社「え、おい、ちょ・・ちょっと!」
立命館「いいから、こっちへ来てくれ。」

〜〜
             同志社立命館は奥の部屋へ
立命館「京大さんに話を聞かれると面倒なのでな。・・・・まぁお前が根が単純なヤツで助かったよ。」
同志社「!?どういう意味だ!?それより同志社女子は死んでなんかいなかったじゃないか!!お前俺にうそを!!」
立命館「うそはついたつもりはないが。俺はただ手紙に「同志社女子が帝京にヤられた。」と書いただけだ。」
同志社「つまり殺されたんだろ!?」
立命館「いや、ヤられた、すなわちレイープだな。俺もショックだったが。」
同志社「レイープ!?だからあの時・・・。だが、立命館、俺は帝京を殺してしまった。」
立命館「そうか。協力に感謝する。」
同志社「は?」
立命館「お前の勘違いは予測されたことだった。書いてあっただろ?『工作ハ万全ナリ』と。」
同志社「じゃ・・じゃぁお前俺に帝京を殺させようと!?」
立命館「そういうことだな。うまく歯車が噛み合ってくれて幸運としか言いようが無い。」
同志社「俺を・・・利用したわけか。帝京はいずれなんとかしなければいけないと思ってはいたが・・・。しかも同志社女子をレイープ・・・。」
立命館「すまん同志社!こうするしかなかった!今回ばかりは許してくれ!真の自由のためだろ?あと、これからお前の協力が必要なのだが。頼まれてくれるか?」
同志社「くっ・・・大学を殺めて真の自由か・・・まぁいい。お前は頭がきれる。その話、のった。」
立命館「恩に着る。やはり・・・お前は親友だよ。」
同志社「気持ち悪いこと言うなよ。共に、真の自由を、未来の平和を掴み取ろう。」
立命館「あぁ。今後の計画は後で説明する。他言は厳禁だ。早く同志社女子の所へいってやれ。京大さんには俺がなんとか言っておく。」
同志社「助かる。では。」
            同志社女子の真実を知った同志社は、彼女の傷を癒そうと、一晩中語り合った。幸せな時を過ごした。
            数日後、最終決戦の火蓋が切られることも知らずに・・・。



〜秒読み開始〜
牢屋に閉じこめられた東大と法政。
法政「情報を得るどころか、遮断されてしまいましたね…」
東大「すまん、私の読みが甘かったばかりに…」
法政「いえ。ところで、連中はなんで俺等を殺さなかったんでしょうか?」
東大「さあな、昔の仲間だから情が沸いたか、部下を鼓舞するために晒し首にでもするのか、
   拷問をかけていろいろ聞き出すのか、それとも…」
法政「や、やめて下さいよ…希望が無くなっちゃいますよ…」
東大「大丈夫だ。出る方法はある」
法政「え?」
東大「それはな…」

一方会議室では、来たるべき最終決戦に向けての会議が行われていた。
一橋「いよいよ決戦は近い…」
早稲田「ここまで来たら全力で戦うのみです!」
立教「我々MARCも準備は万端です。いつでも出陣の命令を!」
一橋「落ち着け、この会議はいくつも解せない点があるから開いたのだ」
慶應「解せない点…?」
一橋「まず、突然の予備校連合の壊滅だ」
早稲田「あれは内部の背信者、つまり代ゼミがマスコミに密告したって事で解決したじゃないですか」
一橋「死んでいたんだよ、自宅で代ゼミがな…。しかも、死亡推定時刻は予備校壊滅のだいぶ前だ…」
立教「なんですって!?じゃあ誰が偏差値操作をマスコミに…」
一橋「それが分からん、余程の手練れだろうな。京大軍か、他の勢力か…」
早稲田「いずれにせよ、厄介ですね…。それだけの大仕事を何の証拠も残さず…」
一橋「それともう一つ。斥候の情報だが、同志社が帰国した」
慶應「それが解せない点ですか?ハッハッハ、たかが同志社、どう動こうと問題ではありません。
   おおかた、戦争が嫌になって外国へ飛び出し、ホームシックになり、帰ってきたってとこでしょう」
早稲田「そうですよ、阪大が七武神に援助を頼もうと渡米したのは知っていますが、
    同志社がそんなパイプを持っているとは思えませんし…」
立教「同志社に外国に通じている仲間がいるなら別ですが、そんな話は聞いた事ないですしね」
一橋「ならいいんだがな…(何か嫌な予感がする…)」
会議は適当なところでお開きになり、最終決戦へのカウントダウンが始まったのであった。


〜最後の勢力〜
東医歯廃校後、無気力だった医科歯科連合だったが―――――
神戸「最近、京大軍の動きが慌ただしい。いよいよ最後の戦いが始まるようだ」
神医「いよいよか…」
神戸「俺達はどうする?」
神医「決まっているだろう。参戦だ!」
神戸「そう来たか、嬉しいぜ!それじゃ旧帝軍にも伝えてくる」
神戸が部屋を出た後、神医はつぶやく。
神医「東大軍も京大軍も七武神…つまりアメリカに頼る有様…
   俺達がこの状況に風穴を開けてやる!!
   見ていろ、東京医科歯科…俺達が夢見た日本を実現させてやるからな!」

そして、牢屋の中の法政と東大は…
法政「じゃあ…やりますか」
東大「うむ」
法政「この野郎!てめぇのせいで、捕まったんだろうが!」
東大「うわ、止めろ!」
法政「ぶっ殺してやる!」
東大「何するんだ!だ、誰か!」
そこに衛兵の亜細亜がやってくる。
亜細亜「何やってるんだ!」
東大「こいつがいきなり暴れ出して…」
法政「るせー!お前がいなけりゃ捕まらなかったんだ!!」
東大「あ、あ、あ、開けてくれ…殺される!」
亜細亜「(こいつらは大事な駒だからな…)ちっ出ろ!」
ガチャ
東大&法政「チャンス!」
ドカッ!
亜細亜「ぎゃあ!!」
東大「上手くいって何よりだな」
法政「いやぁ、ハハハ」
二人は気絶している亜細亜を牢屋に入れ、手を握り合った。



〜〜
東大軍の総本部で密かに偵察をしていた立命工作員B。しかし、一橋の“レインボーブリッジ”の凄まじい破壊力に巻き込まれ、瀕死の状態で逃げ出してきた。

工作員B「はやく・・・ボス(立命館)にこのことを伝えなければ・・・・一橋はとんでもない力を・・・・・。」

          そのころ京大軍の要塞では
立命館「遅い!遅すぎる!!」
同志社「まぁ落ち着け立命館。何が遅いというのだ?」
立命館「東大軍の偵察に向かわせた工作員Bのことだ。このところ音信不通。そして帰還予定日を一週間も過ぎている。何かあったとしか思えん。」
同志社「東大軍に捕らわれた、なんらかの事件に巻き込まれた、何者かに殺された、この三つのどれかだろうな。」
立命館「嫌な事を言うな・・・工作員C、ちょっと行って様子を見てきてくれ!」
工作員C「ヒソヒソ(・∀・)・・・御意・・・ヒソヒソ(・∀・)」
同志社「・・・・また工作員か。お前いったい何人工作員がいるんだ?」
立命館「ざっと全国に・・・100名くらいか。全国の大学の動きを見張らせているのでな。」
同志社「100!?そんなにいるのに今まで気付かなかったとは・・・恐るべし、立命工作員。」
立命館「今わからないのは東大軍の動きだけだ。それが一番肝心なのだが・・・。」
同志社「で、どうするんだ?東大軍と京大軍をぶつけるのか?そーなったら俺達も無事には済まないだろう。もっと誰も傷つかずに、平和を得る方法はないものか・・・。」
立命館「もはや東大軍と京大軍の戦いではない。七武神の力のぶつかりあいかもしれん。ただの日本の大学ならまだかわいかったが、相手が七武神ではそう簡単には・・・。」
同志社「戦う・・・しかないのか?」
立命館「いや・・・最後の工作が成功すれば、望みは見えるかもしれない。しかし工作員Bが帰らないことには・・・くっ・・・」
同志社「捕虜にされていたらこちらの動きがバレているかもしれん。ICUが上手くやっているといいが・・・。」
立命館「ICU?あぁあいつも海外に行ったんだっけな。」
同志社「そうだ。そして俺と同盟を結び、両親でもあるスワースモア大とアマースト大の所へ向かった。もしかしたらそこから突破口が見つかるかもな。」
立命館「そうだな。だが、今は待つしかなさそうだ。」

〜〜
             工作員B捜索中の工作員
工作員C「早くBを見つけないと俺達まで戦いに巻き込まれちまう。戦いは好まん。ったくBはなにやってんだ!」
                      ・
                      ・
工作員C「ん?道端に誰か倒れている。・・・!?まさかあいつは!」
             走り寄る工作員
工作員C「やはりお前はBじゃないか!!・・・まずい、すでに虫の息だ。おい!しっかりしろ!!!」
工作員B「ん・・・。お・・まえ・・は?」
工作員C「Cだ!仲間の顔を忘れたのか!?」
工作員B「すま・・・ん。も・・う・・目・・・が見・・え・・ない。」
工作員C「なんてことだ。待ってろ!今すぐ手当てを!」
工作員B「いや・・・も・・う・・・俺・・は・・だめ・・だ。そ・・それ・・より・・は・・なし・・を・・聞いて・・・くれ。」
工作員C「(確かに、、、もう命は助からないかもしれん。)なんだ!?言ってみろ!」
工作員B「ひと・・・つ・・橋・・は・・七・・武神・・・と・・同等・の・・力を・・・手に・・・入れた。お・・恐らく・・早・・慶も。」
工作員C「それは本当か!?」
工作員B「あ・・あ。お・・・俺・・・も・・その・・力に・・・うっ!・・・・・」
工作員C「おい!しっか・・・ちっ、もうだめか。!!大変なことになった!早くボスに伝えなければ!」
???「おっと、そうは問屋が卸さない!・・・ちょっと古い言葉でしたかw」
工作員C「誰だ!?」
                東大軍の秘密を知った工作員Cの前に立ちはだかるのは!?



〜〜
その頃、、医大連では陣入りを果たした各大学が作戦場としてキャンプ設置していた。

京医「皆!!聞いてくれ!先日知っての通り東医歯さんが暗殺された!そこで急だが、新しいリーダーが必要だ!!!」
神医「また、リーダーが一人だとまた狙われる危険があるため、3人立てようと思う!!」
高医「なるほど、、で、その3人とやらは誰がなるのだ?」
香医「俺はリーダー向きじゃねぇーな、、、投票で決めるのはどうだ?」
産医「それがいい、早速はじめよう!!」

投票後、、

香医「京医8票!!神医7票!!高医5票!!、我が軍のリーダーはこの3人に決定する!!」
    このあと、他の医大たちは編みだくじで、この3人のいずれかの部隊に均等に入ってもらう!! 
    各部隊には一人づつ後から来る3人の旧帝さんも入る予定だから、気を引き締めろ!!以上!」

神医「神戸、お前はどうするんだ?」
神戸「ん?僕か?ほどほどに働くよ、縛られるのは余り好きじゃないし」
神医「そうか、、、なんにせよ、長かった戦争もこれで終わりなんだなぁ、、」

和医「おーい!!旧帝さんが到着したぞ!!!」

京医「これはこれは、よく来てくださいました。
東北「東医歯君が暗殺されたと言うのは、、
佐医「残念ながら本当です、、、そのため、京医、神医、高医の3人が新リーダーとなりました!!
東北「そうか。分かった。」
佐医「お疲れでしょう?夕食でも食べて休んでください。」
名古屋「ああ、すまないな」

〜〜
北大「やぁ、神戸!元気してるか?」
神戸「北大さん!お着きになったんですか?」
北大「ああ、つい先ほどな」
神医「まぁまぁ、飲んで下さいよ」
神戸「神医、仮にもリーダーの一人なんだから、はめ外しすぎるなよ。
  、、、ところで、先ほどから林の中にいる2人は誰ですか?」
北大「ふふ、さすがだね。出ておいで!!」
樽商「できるだけ、気配を消してたんですけどね。」
南山「はじめまして、神戸さん、南山です。以後お見知り置きを。」
北大「神戸、お前は別行動を取るつもりだろう?2人だけだが力を貸すよ、
    マイナーだが力は中々のものだ、足は引っ張らないはず。南山のほうは名大から借りてきた。」
神戸「ありがとうございます、2人ともこれからヨロシク」
南山&樽商「はい!!微力ながら頑張ります」
北大 「、、この前な、、変な噂を耳にした。一橋が東大と闘い勝ったというのだ。
     確か、東大はこの戦から手を引いたはず。それにいくら一橋が強くなろうとも宮廷の底力には到底追いつけないだろう、、
     神戸、お前様子を伺って来ててくれないか?」
神医「!!いくら神戸でも東大よりも強い奴の所に行かせるなんて、無茶です!!」
神戸「神医、お前には言ってなかったけど、1週間くらい前かな、東大さんを居酒屋で見かけた。
    みすぼらしい格好しててね、、そんな彼がどうして軍に行ったのか、興味あるだろう?
神医「お前、、そうは言ってもな、、」
北大「神戸、お前にこれを渡しておく。本当に危険になった時に使ってくれ、一度きりしか使えないが。」



いよいよ佳境!!??



〜〜
工作員C「誰だ!?」
東工大東工大というものです。」
工作員C「とっ東工大!?入院中のはずじゃ!!」
東工大「そうだったかな。」
工作員C「何しにきた!!」
東工大「あなたにいろいろ聞きたいと思いましてねえ。」
工作員C「聞きたいだと?これでも俺は立命館直属の工作員!捕まるくらいなら死を選ぶ!!」
東工大「そうもいかないんですよねえ。」
工作員C「なにっ!?」
東工大理科大。」
理科大「はい。」
理科大工作員Cに注射を打った。
工作員C「な・・・理科大まで・・・・・・うう・・・・な、何でもお聞き下さい・・・・・・。」
東工大「よし、こいつを運ぶぞ。」
理科大「もう一人はどうします?死んでますが。」
東工大「燃やしておけ。」
理科大工作員Bの死体に火をつけた。その後、二人は工作員Cを連れ、アジトへ向かった。
東工大「ただいま帰りました。」
MIT「私の調合した薬はどうだった?」
東工大「すごい効き目です。屈しず吐かずで名高い立命館工作員があっさりと。」
MIT「それにしても驚いたぞ。お前がやられた時は。萌え萌え言ってたしな・・・。」
東工大「その節はどうも・・・。」
MIT「まあ、あの程度の精神治療ならわけないがな。」
東工大「CIT様は?」
MIT[まもなく到着するだろう。到着次第、日本沈没作戦の開始だ!!!!!」



〜〜
――最終決戦前夜、千葉大

千葉大「…夏前に腹筋きたえねえとなあ」

――最終決戦前夜、何も知らない筑波大

筑波大「最近、学会を開いてもどこの大学も来やしない。
    みんなやる気無いのかなぁ…」



〜〜
――最終決戦前夜、早稲田・慶應

早稲田「…フー」
慶應「ふ、こんなところで隠れタバコかい?君は学生気分が抜けないみたいだね」
早稲田「習慣でね。ま、隠れて吸うタバコってものうまいもんさ」
慶應「となり、いいかな」
早稲田「断る必要なんかない。勝手に座れよ」
慶應「ええ、それじゃ遠慮なく」
早稲田「…で、なんか用か」
慶應「…同じ日の本の国を背負った大学なのに、私たちは結局戦うことしかできないのだろうか」
早稲田「くだらねえな。俺ら兵隊が考えたって何になる。売られたケンカは買う、それだけだ」
慶應「私も君も独立自尊、在野精神を第一の信念として生きてきたはずです。それがいつの間にか
この国は偏差値という鎖にがんじがらめにされ、大学は派閥の中生き残ることに必死になっていた。
君も気づいているはずだ。この国はこのままでは――」
早稲田「ハ!天下の慶應様ともあろうお方が随分とナイーブなことをおっしゃるもんだ!おまえはなあ
びびったんだよ!今日明日も知れぬこの戦いにな!臆病者は去れ!」
慶應「クッ!言わせておけばぁぁーっ!」
早稲田「!がはっ!…てめえ、そんな腰の入ったパンチかましてただで帰れるとおもってんのかぁぁ!」
――うわ!やったなてめえ!ドガバキ!おらあ!関節きまったぞ!ギブしろギブ!きくかよ!しねー!

ちょうど牢屋を抜け出した東大と法政は早大・慶大が争う声を聞いて身を潜めた。
法政「はわわわわあ。どどどどどうするんですか?!あの二人、本気ですよ!」
東大「事情は分からんが仕方ない、止めにいくぞ。このままでは騒ぎが大きくなってしまう。さあ!早く」
法政「は、はい!」

to be continue...

〜〜
早稲田「はあはあ・・・だいったいおめえは昔っから気にくわなかったんだよ!わかってんだよ!人のこと見下しやがって!
いちいち尊大な態度とってんじゃねー!」
慶應「はぁはぁ・・・ふ、言いがかりだな。君の、その、余裕のない貧乏根性が生み出した、はあはあ・・・単なる劣等感だ」
早稲田「だからその態度が尊大だっつってんだよ!あーマジでムカツいてきた!ぶっ殺す!」
慶應「こちらとて!君との馬鹿げた戦闘でこれ以上消耗するわけにはいかんのでね!来い!」
早稲田「後悔しても遅えぞ!ヒロスエキャノン!標準セット!」
慶應「それはこっちのセリフだ!うなれ!諭吉ブレーード!」
――必殺の構えで対峙した二人の間に、突然物陰から飛び出すものがある。東大であった。
東大「双方待てぇい!」
早・慶「お、おまえは東大!?」
東大「この憂国の時、仮にも私立最高学府のおまえらが争うとは・・・どういう事態になるか想像がつくだろう!
これ以上戦況を複雑にしてどうする!」
早稲田「け!一度は逃げ出しておいてよく言うぜ!おれぁアンタが好きだった。尊敬してたんだ。何故、何故逃げた」
東大「・・・」
早稲田「く!答えろよ!答えてくれよ!何か、何か理由があったんだろ!?」
慶應「無駄ですよ、彼も私と同じように気づいたのでしょう。この争いの無益さに」
早稲田「うるせえ!もういい!おまえら二人ともぶっ飛ばしてやる!」
――早稲田のヒロスエキャノンにこれまで以上の粒子が収束してゆく。と、早稲田の背後に忍び寄る人影が
法政「反則御免!ロリフェェイス!オグラアンパンスラッシュ!」
早稲田「ぐふっ!こ、この技は法政の・・・不覚なり」
どさっ。

〜〜
法政「後ろからすいません、早稲田さん」
東大「よくやった法政。どうする慶應、早稲田は気絶しているだけだがしばらく足腰はたたんぞ」
慶應「ふ、どうやら形勢不利ですね。無駄な抵抗はしませんよ、どうぞ逃げてください」
東大「お主、さっき何か言っていたな。『この戦いの無益さに気づいた』とかなんとか」
慶應「さあ、言ったかな」
東大「まあいい。だが慶應よ、この戦い、東西の覇権争いではもう終わらんぞ。七武神の介入は誰かの
シナリオ通りに運んでいるように思えてならない。私の勘ではこの国を売ったやつがいる」
慶應「!なんですって!じゃあアタナはそれを見越して・・・」
東大「腐っても最高学府。みすみす利用されるのは癪に障る。いいかそのことよくよく気をつけるのだ」
法政「東大さん!気づかれました、追っ手がかかります!」
――いたぞー!そこだー!
慶應「ショーナンの波!」
――う、うわあ!流されるぅ〜
慶應「さあ今のうちに行きなさい!」
東大「すまない。恩に着る。いくぞ法政!」
法政「はい!慶應さん!お気をつけて!」
――さってゆく東大と法政の後ろ姿を見守りながら、慶應は深く息を吸った。
慶應「正念場ということか」

to be continue...



〜各々の動き〜
法政と東大―――――
法政「大丈夫でしょうか、あの二人」
東大「さあな、本人達次第だろう。だが、あの目…昔と変わっておらぬ。きっと大丈夫だ…」
法政「そうですね」

東大軍―――――
慶應「申し訳ありません…」
一橋「逃がしたか…まぁ良い、今は奴らに構っている場合ではない。いよいよ戦いだ」
慶應「はっ!」

京大軍―――――
京大「阪大、例の兵器は?」
阪大「三日前に完成し、今日届いた。試射もしたが、完璧だ…」
京大「さすが、スタンフォードさんだな。よし、東大軍を一気に捻り潰すぞ!!」

同志社立命館―――――
立命館「く、工作員Cまで音信不通に…失策だったな」
同志社「ICUとも連絡が取れん、何をやっているんだ、あいつは…」
同志社(女)「待ちましょう。焦りは禁物だわ…」

東工大軍―――――
東工大「ようこそいらっしゃいました。CIT様」
CIT「いよいよ、日本を沈ませる時が来たか…」
MIT「うむ。適当に戦に乗じて大学殺戮を楽しんだら、あの兵器の出番だ!」

医大連と旧帝軍―――――
神医「神戸が戻りません、何かあったのでは…」
北大「しかしこの戦時下、下手に連絡するのは命取りだ。待つしかないな…」
神医(頼むぞ神戸、一橋の秘密を暴いてくれ!)

史実では最終決戦は2時間後―――――
開戦近し!!

法政の逆襲10〜〜 (7)

一方米国に渡米していた一橋、早慶連合軍はハーバード大シカゴ大に会うべく
道を急いでいた。

一橋「みろ、あのお方がハーバードだ・・・」
その崇高な姿に3校はしばらく呆然と立ちつくし、ただ見つめていた。
早稲田「あ、あれが七武神の中でもスタンフォードとともに最強といわれている
ハーバードか・・・」
慶応「時間がありません。急ぎましょう。」

3校はハーバードの元へと向かった。
慶応「ひさしぶりです。ハーバードさん」
ハーバードはゆっくりと目を開け、青く静かな瞳を開いた。
ハーバード「・・・慶応か。。。我がMBAから輸入した経営学の調子はどうだ?」
慶応「おかげでうちのMBAも助かっています。その節はどうもありがとうございました。」
一橋「ハーバードさん、以前うちの竹中平蔵がおせわになりました」
ハーバード「む、一橋も来たのか。久しぶりだな。そうか、早稲田も一緒か、
いったい3校そろってどうしたのだ?」
早稲田「実は今日本は大変な状態になっています。」
早稲田は今までの事情を説明した。

〜〜
ハーバード「むう・・・そんなことが起きていたとは。。。」
早稲田「我々とて争いは好まないのですが、向こうがしかけた戦争。なんとか
勝たねばなりません。そこでまたハーバードさんの力をお借りしたいのです。」
ハーバード「そうか・・・しかし私にも出来ることと出来ないことがある。
お前達とは交流も深い。私も出来る限り力にはなってやりたいが・・・」
一橋「我々を養子にして下さい。戦局を切り開き、予備校にも勝つにはそれしかありません。」
ハーバード「養子?それはいったい?」
慶応「もはや偏差値という概念自体が意味をなさなくなってきています。しかし
日本には悲しむべき事にそれに代わる尺度がいまだに存在しないのです。」
早稲田「我々がハーバードの日本分校になることで、偏差値、受験勉強
そのものから離脱するのです。」
ハーバード「なるほど・・・確かに私も日本の過剰な受験戦争に憂れていた
ところだ。いいだろう。そろそろ日本も次の段階に入るときが来たようだ。」
一橋「ありがとうございます。」
ハーバード「一橋、そなたはハーバード大学一橋分校と名乗るがいい。慶応、
そなたはハーバード大学慶応分校と名乗るがよい。そして早稲田、そなたは
ハーバード大学早稲田分校だ。私に出来ることはこれぐらいだが、そなたらが
3校力を合わせれば必ずこの難局を打開できるはず。頑張るのだぞ。」
一橋「ありがとうございます。」

こうして米国に渡った3校は新たな名称と姿をまとい、次なる目的地シカゴ大
へと向かっていった。



〜〜
一方、ICUは両親に会いに来ていた。
スワースモア「ICU・・・戻ってきたのか・・・」
アマースト「私たちはどれだけ心配したのか・・・」
ICU「か、母さん・・・」
ICUの目には涙が浮かんでいた。しかし今は感傷に浸っている時間がない。
ICU「父さん、母さん、今日はお願いがあって参りました。今日本では大変なこ
とが起きています。」
ICUは事情を説明した。
ICU「僕はなんとかこの戦争に終止符を打ちたいのです。でも僕一人ではちから
不足で・・・だから是非父さんと母さんの力が借りたいのです。」
スワースモア「そうか・・・だが、我々は米国を動くことは出来ない。」
アマースト「あなたは昔から優しい子だったからね・・・でも私たちは
ここを離れるわけにはいかないの。七武神は微妙な力で相互に牽制しながら
存在しているの。一人でも欠けたらそれこそ今の日本みたいに、いや、もっと
酷いことがここでも起きる。だから私たち二人はここにしかいることが出来ないのよ」
スワースモア「だが、お前の悩みは分かった。七武神が集まる会合がもう数日後
に開かれる。その時に議題に持ち出そう。」
ICU「ありがとう父さん・・・」
アマースト「ごめんね、力になれなくて・・・」
スワースモア「お前が日本でどうしようもなくなったら米国に来い。ここで
暮らせばいい」
ICU「ありがとう。だけど僕は仲間達を見捨てるわけには行かない。たとえ自分
の命が果てようと日本の戦争を終わらせる。」

ICUは大した成果を上げれず、肩を落として帰っていった。しかし、数日後
スワースモアは約束通り七武神の会合でICUの話を議題に取り上げた。
そしてそれがきっかけでいよいよ最終戦争が始まろうとしていた。



〜〜
シカゴ大と会合をし、成果を収めた3校は日本への帰途についていた。

早稲田「それにしてもシカゴさんが話がわかる大学でよかったよ。」
一橋「そうだな。戦争の終結がされない場合は日本に対し大規模な経済制裁
加えるか・・・そうなる前に警告の段階でみなが戦争をやめるといいが」
慶応「中には警告の意味すら分からない連中がいますからね・・・」
一橋「分かれた東大が気になるな。急いで帰ろう。」

3校は成田空港に着くと、そのまま駒場に向かっていった。