法政の逆襲10〜〜 (7)

一方米国に渡米していた一橋、早慶連合軍はハーバード大シカゴ大に会うべく
道を急いでいた。

一橋「みろ、あのお方がハーバードだ・・・」
その崇高な姿に3校はしばらく呆然と立ちつくし、ただ見つめていた。
早稲田「あ、あれが七武神の中でもスタンフォードとともに最強といわれている
ハーバードか・・・」
慶応「時間がありません。急ぎましょう。」

3校はハーバードの元へと向かった。
慶応「ひさしぶりです。ハーバードさん」
ハーバードはゆっくりと目を開け、青く静かな瞳を開いた。
ハーバード「・・・慶応か。。。我がMBAから輸入した経営学の調子はどうだ?」
慶応「おかげでうちのMBAも助かっています。その節はどうもありがとうございました。」
一橋「ハーバードさん、以前うちの竹中平蔵がおせわになりました」
ハーバード「む、一橋も来たのか。久しぶりだな。そうか、早稲田も一緒か、
いったい3校そろってどうしたのだ?」
早稲田「実は今日本は大変な状態になっています。」
早稲田は今までの事情を説明した。

〜〜
ハーバード「むう・・・そんなことが起きていたとは。。。」
早稲田「我々とて争いは好まないのですが、向こうがしかけた戦争。なんとか
勝たねばなりません。そこでまたハーバードさんの力をお借りしたいのです。」
ハーバード「そうか・・・しかし私にも出来ることと出来ないことがある。
お前達とは交流も深い。私も出来る限り力にはなってやりたいが・・・」
一橋「我々を養子にして下さい。戦局を切り開き、予備校にも勝つにはそれしかありません。」
ハーバード「養子?それはいったい?」
慶応「もはや偏差値という概念自体が意味をなさなくなってきています。しかし
日本には悲しむべき事にそれに代わる尺度がいまだに存在しないのです。」
早稲田「我々がハーバードの日本分校になることで、偏差値、受験勉強
そのものから離脱するのです。」
ハーバード「なるほど・・・確かに私も日本の過剰な受験戦争に憂れていた
ところだ。いいだろう。そろそろ日本も次の段階に入るときが来たようだ。」
一橋「ありがとうございます。」
ハーバード「一橋、そなたはハーバード大学一橋分校と名乗るがいい。慶応、
そなたはハーバード大学慶応分校と名乗るがよい。そして早稲田、そなたは
ハーバード大学早稲田分校だ。私に出来ることはこれぐらいだが、そなたらが
3校力を合わせれば必ずこの難局を打開できるはず。頑張るのだぞ。」
一橋「ありがとうございます。」

こうして米国に渡った3校は新たな名称と姿をまとい、次なる目的地シカゴ大
へと向かっていった。



〜〜
一方、ICUは両親に会いに来ていた。
スワースモア「ICU・・・戻ってきたのか・・・」
アマースト「私たちはどれだけ心配したのか・・・」
ICU「か、母さん・・・」
ICUの目には涙が浮かんでいた。しかし今は感傷に浸っている時間がない。
ICU「父さん、母さん、今日はお願いがあって参りました。今日本では大変なこ
とが起きています。」
ICUは事情を説明した。
ICU「僕はなんとかこの戦争に終止符を打ちたいのです。でも僕一人ではちから
不足で・・・だから是非父さんと母さんの力が借りたいのです。」
スワースモア「そうか・・・だが、我々は米国を動くことは出来ない。」
アマースト「あなたは昔から優しい子だったからね・・・でも私たちは
ここを離れるわけにはいかないの。七武神は微妙な力で相互に牽制しながら
存在しているの。一人でも欠けたらそれこそ今の日本みたいに、いや、もっと
酷いことがここでも起きる。だから私たち二人はここにしかいることが出来ないのよ」
スワースモア「だが、お前の悩みは分かった。七武神が集まる会合がもう数日後
に開かれる。その時に議題に持ち出そう。」
ICU「ありがとう父さん・・・」
アマースト「ごめんね、力になれなくて・・・」
スワースモア「お前が日本でどうしようもなくなったら米国に来い。ここで
暮らせばいい」
ICU「ありがとう。だけど僕は仲間達を見捨てるわけには行かない。たとえ自分
の命が果てようと日本の戦争を終わらせる。」

ICUは大した成果を上げれず、肩を落として帰っていった。しかし、数日後
スワースモアは約束通り七武神の会合でICUの話を議題に取り上げた。
そしてそれがきっかけでいよいよ最終戦争が始まろうとしていた。



〜〜
シカゴ大と会合をし、成果を収めた3校は日本への帰途についていた。

早稲田「それにしてもシカゴさんが話がわかる大学でよかったよ。」
一橋「そうだな。戦争の終結がされない場合は日本に対し大規模な経済制裁
加えるか・・・そうなる前に警告の段階でみなが戦争をやめるといいが」
慶応「中には警告の意味すら分からない連中がいますからね・・・」
一橋「分かれた東大が気になるな。急いで帰ろう。」

3校は成田空港に着くと、そのまま駒場に向かっていった。