法政の逆襲13〜到着〜

医大連名古屋基地―――――
名古屋には、高医と名大の部隊がいた。
産医「だ、誰かがこの基地に向かってきてる!」
香医「な、何!高医さんに報告だ!」

高医「誰かがこの基地へ?」
香医「はい。攻撃しますか?」
高医「待て、私も展望台へ行こう」

高医「奴らか?」
香医「ええ」
産医「三人います。双眼鏡をどうぞ」
高医「すまん………むむっ!?」
香医「どっどうしました!?」
高医「神戸だ………!!」
産医「生きていたんですか!?」
高医「そのようだ…出迎えろ!」
香医「ははっ!!」

医大連基地に到着した神戸達。
高医「てっきり死んだのかと…」
神戸「バカ言うなよ」
高医「…それで、一橋の秘密は掴んだのか?」
神戸「ああ。だが、それはこの二人に聞く方が早いだろう」
高医「この二人…?ああっ!東大!!と誰?」
法政「法政です」
高医「包茎?」
法政「ほ・う・せ・い!!!!!」
東大「まあそれより、一橋のことだが…」
東大は一橋と戦った時のことを語った。医大連の面々は驚きを隠せない表情であった。



〜九大軍〜
東京を攻める西軍の一派、九大軍。
九大「くそ、京大に阪大め。同じ旧帝だというのに、奴らは後ろで指示に回り、
   私は九州軍を率い、前線で戦う…不公平だ。これが関西と九州の差なのか…?」
福岡「九大様、北から東京を攻めていた大分軍が敗北しました!」
九大「そうか…」
  (くそ!何が“先制して基地を破壊した。東大軍は混乱するはず、安心して攻めたし”だ!
   混乱どころか基地を破壊された事で結束が強固になってる印象すら受ける…)
福岡「―――――九大様?指示を仰ぎたいのですが」
九大「そうだな…(うう…一気に攻め倒すはずだったのに、策などあるわけがない!)」
その時、空から光が…

ドッカァァァァァン!!

大爆発が起き、多くの兵士達が吹き飛ぶ。
九大「ぐわああああ!!こ、これは阪大の言っていた新兵器!福岡、大丈夫か!」
福岡「な、何とか…でも、動けませ…ん…」
九大の周りでは、多くの部下がうめき声を上げていた。
「くそ………右足が!」「熱い…焼ける…!」「うああああ…」「死ぬゥゥゥ…」「あが、あが、あが…」
九大軍はこの非常事態を受け、無事な者が怪我人の介抱をする事になった。九大もやむなく介抱に参加する。
九大(何を考えている、京大!敵味方関係なく殺すつもりか!)

ドッカァァァァァン… ドッカァァァァァン… ドッカァァァァァン…

九大「色んな箇所に撃っているのか…。久留米、全軍招集してくれ。九州の大学全部、だ」
  (京大は膠着を脱するために冷酷に徹した…!京大がそうするならば、私もそうするまで!)
久留米「どういうことでしょう?」
九大「一点突破だ…全軍で!!」
久留米「そ、それでは怪我人は?」
九大「無論、強引に連れて行くか、置いていくまでだ…」
久留米「そ、そんな…」
九大(もう止まる事退く事は死を意味する…もうこれしか…これしか無いのだ!!)
九大は覚悟を決めた。旧帝として、九大軍大将として、最後まで部下を率いる事を…。



〜大作戦〜
医大連名古屋基地―――――
高医「…では、協力していただけると?」
東大「うむ。こちらとしても大助かりだ」
法政(よかった…。やっぱり、どこかの組織に属してないとな)
高医「では、作戦会議が始まりますので早速…」
東大「そうだな。行くぞ、法政」
法政「はい」

会議室―――――
高医「今日は皆に新たな仲間を紹介する。東大と法政だ」
「本物の東大だ!」「東大が入るのか」「作戦成功も近いな…」「東大とは心強い」「東大かよ…」
法政(お、俺は…?)
高医「静かにしてくれ。今は一刻を争うのだ」
東大「どうでもいいが、高医。方言は直したのか?」
高医「いやいや、全国規模の連合なのでね。合わせてるだけですよ。聞きたいですか?」
東大「…遠慮しておく」
高医「…では新メンバーもいるので、作戦のおさらいをしておく」
法政(どんな作戦だろう…?)

医大連の作戦は一口で言うと“東大軍、京大軍。両軍の頭を同時に潰す”であった。
その為に、神戸基地と名古屋基地を作ったのだ。

東大「なるほどな…」
高医「神戸に残っている神医達が京大を叩き、我々が一橋を叩きます」
香医「これしかないのです。七武神が出てきた以上、我々に出来る事は“兵士達の戦意を削ぐ事”ですから」
法政「医大連と言えども、七武神相手では分が悪いですからね…」

作戦をおさらいしたところで、会議の開始。様々な意見が飛び交う中、一人の男が会議室に入ってきて、叫んだ。

名大「俺は認めないぜ。東大なんてなぁ!!」

〜名大VS東大〜
高医「名大さん、いまは戦争中です。旧帝間のイザコザは今は抜きに…」
名大「東大が入ると言うならば、名古屋軍は離脱させてもらう」
法政「そんな子供みたいな事言わずに…」
名大「黙れッ!!」
法政「は、はい!」
名大「お前らには分かるまい…この旧帝という特殊な枠組みが…」
法政「分かりません」
名大「黙れィッ!!」
法政「は、はい!」
名大「東大の長年のワンマンぶりが京大の反乱を招いたのだ。私は京大を裏切ったが、東大と和解するつもりはない」
法政「まあまあ、一時休戦って事で…」
名大「シャラップ!!」
法政「は、はい!(今度は英語かよ…)」
名大「俺は東大が許せない。半ば独裁的な支配、そのせいで反乱が起こると軍を逃げ、再びおめおめと姿を現す…
   そんな奴に心を許す気はない!!」
法政「心を許さなくても、体を許せば…」
名大「お口にチャック!!」
法政「は、はい!(もう訳分からん…)」

名大の独白により、部屋の中に不気味な沈黙が漂う。やがて、東大が口を開く。
東大「確かに…名大。貴様の言うとおりだ」
名大「ふん、だったら…」
東大「許してくれ!!」
東大はいきなり土下座をした。
名大「うう…!」
東大「………」
名大「わ、分かった…。頭を上げてくれ…今は少しでも戦力が必要だしな…」
東大「ありがとう」

その直後、東大は法政にだけ、そっと呟いた。
東大「…土下座はな、したもの勝ちだ」
法政「は、はあ…(恐ろしい人だ…。さすが、東京大学!!)」

〜十名〜
名大が落ち着いたところで会議再開。
高医「…では、具体的な作戦だが、我々はあまり犠牲者を出したくない。つまり、戦闘は最小限に留めたい」
東大「ということは?」
高医「最小限の戦闘で一橋を倒したい。まあ、一橋だけを倒すのが理想ですが…」
東大「当然、我々の兵が多いと、東大軍と衝突する可能性も高くなるな」
高医「察しの通りです。つまり、今回の作戦は“少数精鋭”でいきたい」
東大「何名くらいだ?」
高医「多くて10名…ってところですか」
東大「なるほど」
高医「今回はそのメンバーを選別したいのです」
名大「まあ、俺と高医、東大に神戸は確定だろうな」
法政(よかった…俺は入らないよな)
東大「法政も入れよう」
法政「(何ィ!)な、何でですか!」
東大「こいつには計り知れない力がある…ような気がする」
名大「確かにな、京大の反乱の作戦名を考えたのもこいつだし」
神戸「じゃあ、法政も入れよう」
法政「(何言ってやがる!)僕はいいですよ、ホント!他の医大の方々を入れたほうが…」
東大「遠慮するな」
法政(してません!)
名大「その謙虚な性格、気に入った!」
法政(心の底から断ってます!)
神戸「期待しているよ」
法政(しなくていいから!)
高医「君がこの作戦のカギだ」
法政(素人のピッキングでも開くようなカギですが、何か?)
法政の思いも空しく、法政は精鋭部隊に加えられてしまった。
ちなみにメンバーは、
高医、神戸、名大、東大、法政、愛知大、愛知医、北里、香医、産医の十名となった。



〜謎の敵〜
その頃、関東の九大は―――――
久留米「九大様、全軍集まりました!」
九大(京大が無差別攻撃を始めた以上、我が軍が生き残るには攻めて攻めて、攻めまくるしかない!)

九大「このたびは急遽全軍に集まってもらった」
宮崎「なぜですか?」
九大「京大達がこの膠着状態を受け、京大軍、東大軍関係無く攻撃を仕掛けている」
長崎「先程のレーザー連射ですか…長崎軍は被害はありませんでしたが…」
九大「おそらく、京大の攻撃はまだ続く。ならば、九州全軍で、東大軍基地を落とす!」
鹿児島「な、なるほど…確かに攻めるしかありませんな」
九大「ところで、熊本軍の姿がないが…」

そこへ、熊本学園大学がやって来た。
熊本学園「きゅ、九大様。我が軍は全滅です…」
九大「東大軍か!?」
熊本学園「い、いえ…たった一人にやられました。確か、“まさちゅう”とか何とか名乗っていました」
九大「“まさ厨”!?(聞いた事ないな…)」
宮崎「一県の大学を全滅させるなんて、簡単にできるものではありませんよ」
九大「そ、そうだな…(確実に早慶以上の実力者だろうな…“まさ厨”って誰だ!?)
熊本学園「お、恐ろしい強さで…あっという間に全滅でした…」
九大(七武神の可能性もあるが…。“まさ厨”なんて大学あったか?)

『大学がうようよいるな…楽しめそうだ』

熊本学園「あ、こんな声でした」
九大「だ、誰だ!!」
MIT「七武神の一人、マサチューセッツ工科大学だ。略してMIT…だな」
九大「(“まさ厨”…こいつの事か!)何の用だ」
MIT「日本を沈没させる前に日本の大学殺戮を楽しもうと思ってね。
    東工大の奴も“一橋を自分の手で倒したい”と言っているし…ま、暇つぶしだな」
九大「面白い…私も旧帝の一人、九州大学だ。アメリカ野郎には負けん!」
MIT「ほう…ならば、10秒で廃校にしてやる」



〜出発進行〜
選ばれた十名は早くも出発することに
高医「では行きましょう」
東大「うむ。ルートは?」
高医「あなた方がこの基地へ来るとき使った獣道です」
東大「(ああ、あそこか…)確かに、あそこなら敵に会う事もないな」

名古屋−東京間の獣道―――――
名大「一橋はどうやって倒すんだ?先程の話だと、ハーバード並の強さを身に付けたとか…」
神戸「この十名で一斉にかかるしかないんじゃないですか?」
高医「勝てればいいが…東大さんでも一撃だし…」
東大「………」
法政「まあ、血を使う前に倒しちゃえばいいんじゃないですか?」
他の九名「………それだ!!」
法政「は?」
東大「それだ、それしかない!」
名大「血を使う前なら、何とかなる!」
愛知大「そうですね、名大様」
法政(気づいてなかったのか…この人達)
高医「やっぱ弱いと、そういう姑息な手段を思いつくもんですね」
法政(悪気がないから、かえってムカつく…)

ガサッ!

神戸「誰かが今、道を横切ったような」
名大「目の錯覚だろう?」
神戸「………(見間違えじゃなければ、あれは“ICU”…)」

見間違えではなかった…
ICU「今のは…どこの組織だ?とにかく、同志社に会わないとな…
    あの言葉は使いたくないんだ…!」



〜〜
九大「みんなかかれ!九州の力をみせてやれ!」
MIT「1校に相手に大勢とは無礼だな まあいい、かかって来い雑魚ども!」
長崎「必殺!長崎ちゃんぽん!」
大分「シイタケ栽培!」
MIT「そんな田舎じみた技がこのオレに効くか!死ねえ!」
長崎&大分「ぐわー」
鹿児島「西郷どんアタッーク!」
MIT「ぬるいわ!」
鹿児島「くっ!つ、強い・・・これが七武神の力・・・」
MIT「見せてやろう、我が最先端技術の結晶MITキャノンの威力を!」
九大軍「なにっ!?」
MIT「MITキャノン発射!」

ドッカァァァァァン!!

〜〜
九大軍「うわー」
九大「みんなー」
MIT「ほう?まだ生き残りがいるか さあ残るはおまえだけだ」
九大「おのれー みんなの仇 くらえ!九大名物 いも九!」
MIT「ぐっ!少しはやるようだな、だがまだまだ甘い!」
九大「くそっ、こうなったら・・・ 奥義!地帝圏!」
(地底である九大は東大、京大の権力を一時的に借りることができる!)
九大「オレも地底の端くれ、ただではやられん!いくぞ!いも九!」
MIT「ぐあっ!こいつ急に強くなりやがった!?」
九大「おらおらー!」
MIT「ぐあーーーー!こっ、こんヤツに本気を出すことになろうとは!くらえ!フルパワーMITキャノン!」
九大「うわーーーー!強すぎる・・・もうだめだ、戦う力が残ってない・・・」
MIT「ハアハア・・・ なかなか楽しめたぞ 礼として、苦しまないように潰してやろう」
???「まてっ!」
MIT「だれだ!?」
九大「おまえは、APU!?生きていたのか!」
APU「おれだって、立命館の分校だ!ここはオレが食い止めるその間に逃げてくれ!」
九大「しかし、おれにも九州の王者としての意地が有るここで引くわけには・・」
APU「ここで死んだら無駄死にだ!戻って、立命の兄貴に協力してくれ!」
九大「だが、あいつは裏で何かたくらんで・・・」
MIT「このオレが逃がすと、思うか!ぐわっ、くそっ、死にぞこないが!」
西南学院「ざまーみろ」
APU「早く逃げろ!」
九大「すまん、恩にきる」
西南学院「うっ・・・」
APU「くらえ!」
MIT「雑魚が!」
APU「ぐわっーーーー!立命の兄貴あとはまかせやした・・・」
MIT「ちっ、1匹逃がしたか・・・ まあいい、さあて次ぎはどこをつぶすかな」

〜九大VSMIT〜
関東では、九大軍とMITの戦いが始まろうとしていた。
九大「随分と余裕だが、この人数だ…生きて帰れると思うなよ」
MIT「予言する」
九大「なに?」
MIT「貴様達は3分で全滅する」
九大「さっき10秒って言わなかった?」
MIT「それは貴様との一対一の場合だ。全員でかかってくるなら、流石の私でも3分かかる」
九大「…そうかい。じゃあ行くぜ!」

そして―――――
東工大「あ、MIT様。ここにおられましたか」
理科大「一人で何をやっていたんですか?」
MIT「…下を見てみろ」
東工大「下…?」
地面にはおびただしい数の廃校になった大学があった。
東工大「まさかこれ全部、一人で…!?」
MIT「まあな。骨があったのはほんの数校だった」
??「まだ…終わっていない…」
MIT「生き残ったのはお前だけか。クックック…」
九大「ゆ、許さんぞ…。絶対に!」
MIT「足掻いてみるかね?」
九大「必殺“明太子フラッシュ”!」
ドゴーン!
MIT「効かないねぇ…」
九大「うぐぐ…秘技“とんこつラーメン醤油味”!!」
バゴーン!
MIT「痛くもかゆくもないな…」
九大「ちくしょう、秘術“博多どんたくポラロイド”!!!」
ズドーン!
MIT「ここまで弱いと、悲しくなってくるな…」
全ての技が無効!九大に勝ち目はあるのか!?

〜〜
??くそっ、、、このまま廃校になったら誰が九州を束ねると、い、、う、、ん
   ドサッ

東北「もう少しで両軍激突か、、」
福医「!! 誰か倒れてます!!」
東北「ん?あ、あいつは、九州!?最終決戦はまだ始まってないはずだ!何故、、」

東北「おい、九州!!しっかりしろ!!傷の手当てを!!早く!!」
九州「お、お前は、、東北、、ふふ、、みっともないだろ?こんな醜態、、」
東北「誰がおまえをこんな目に合わせた?」
九州「外国勢、、、の噂は聞いているな、、、?」
東北「ああ、、、まさか!?」
九州「MIT、、俺の部下は殆どやられた、、頼む、敵を、、」
東北「分かった、分かった、もう喋るな、、」

東北「どうなんだ?治りそうか?」
福医「かなり酷いですね、、体力(偏差値)もかなり低下してます、もって1日、、」
九州「、、ありがとう、、疲れたろ?お前達は休んでいてくれ、私が見張りをしよう」

     ずどぉぉぉぉぉん!       うぉぉぉぉぉ!!!!
   遠くから大気と大地が震えたような轟音が鳴り響いた

東北「は、、始まってしまった、、もう止めることは出来ないのか、、、?」