法政の逆襲14〜一橋・京大同時撃破作戦〜

法政達は東京へ向かっていた。
法政「あと少しで東京ですね…」
東大「ああ、失敗は許されんぞ」
名大「一橋が“血を使う前”に倒さないと、勝ち目は薄い。どちらにせよ奇襲しかないな」
高医「一橋は基地内でしょうから、基地のセキュリティーに引っ掛かったらアウトですね」
東大「その点なら心配ない。基地は京大によって爆破されたから、
   防衛システムなどは全て使い物にならなくなっているはずだ。
   この戦火で呑気に防衛システムを直すわけもないだろうしな」
神戸「では、東大軍の兵士に気をつければ何とかなりますね」
東大「そういうことだ」
法政「…いよいよ、この道を出ますよ!」
高医「ここからは安全の保障は無い、と言っていい!気を引き締めていきましょう!」

神戸・医大連本部―――――
北大「名古屋支部から連絡だ。打倒一橋のため、十名が東京へ向かったらしい」
京医「では、我々も京大軍基地へ向かいますか」
神医「………」
京医「まだ神戸の事を気にしているのか!お前もリーダーの一人ならしっかりしろ!」
神医「しかし…」
北大「フッ…神医よ、朗報だ」
神医「何です?ぬか喜びは止めて下さいよ」
北大「名古屋支部に神戸が来たらしい。無論、生きて…な」
神医「本当ですか!?」
北大「本当だ。さて、行くぞ」
神医「はい!(神戸…良かった…!)」
北大「遊撃隊として戦場をかき回している東北大の軍もいつまで持つか分からん。
   一刻も早く、京大を倒し、この戦争を終結させる!」
京医(京大…待っていろよ!)


〜狂気〜
東大軍基地―――――
慶應「京大軍のレーザー光線で、我が軍に多大な被害が!」
一橋「レーザー光線?」
慶應「ええ…この基地に撃ち込んだものと同じやつです。戦場のあちらこちらに発射しております、無差別に」
一橋「やらせておけば良い」
慶應「し、しかし…!」
一橋「私にはクローンがある。いくら兵を失おうと、痛くも痒くもない」
慶應「そんな!」
一橋「慶應………ひとついいか?」
慶應「は…」
一橋「先程から何なのだ、貴様は?クローン技術がある今、貴様等早慶の価値もゴミに等しいのだぞ?
   まぁ、まだ早慶クラスのクローンは作れないが…」
慶應「じゃあ、もしも…」
一橋「何だ」
慶應「もしも、一橋さんのクローンが作れるようになったら…あなたの価値だって…!」
一橋「その時は私の価値もゴミ同然になるだろうな。私はそれでも構わない。
   勝てれば………良いのだ」
慶應(こ、この人は狂っている…)

京大軍基地―――――
京大「どうだ?我が軍の新兵器は…」
阪大「威力は抜群だ、甚大な被害が出ている。お互いの軍にな…」
京大「………」
阪大「そろそろ止めよう。前線にいる九大だって黙っちゃおらんぞ」
京大「九大?」
阪大「奴が裏切ったら、重大な損失だ。九州軍を失う事と等しい」
京大「ふん、九大などどうでも良い。私はこの関西を…京都を!“日本の大学の中心”とするのだ!
   そのためにも、東京の大学は全て滅ぼさねばならない…ヒッヒッヒ…」
阪大(京大よ…どうしてしまったのだ…)


〜絶望〜
東京へ入った法政達。気配を殺しながら進む。
神戸「気をつけて下さい…戦闘は極力避けねばなりません」
東大「うむ」
北里「目標は一橋ただ一人ですからね」
法政「あ、誰かいますよ!」

そこにいたのは明治学院だった。
名大「明学か…どうする?気づかれずに進むのは不可能だ」
高医「では、私が麻酔で眠らせますか」
法政「あ、あれ…?明学がもう一人…いや、ゾロゾロ来ますよ」

明学A「ドウダ?ソチラノ様子ハ…?」
明学B「イヤ、京大軍ハ来ナイナ」
明学C「コチラモダ。奴ラ、全滅シタノデハナイカ?」
明学D「ソウカモシレナイナ。所詮、関西ダ。東京ニ敵ウワケガナイノダ」
明学E「ハハハハ………」
明学F「喋ッテイル場合デハ無イ、一橋サマニ完璧ナ勝利ヲオ届ケスルノダ!」

名大「どうなってんだ!同じ顔が何人も!」
東大(クローンだな…!)
法政「確か、上智さんも三人いましたよね…」
神戸「こ、これはまずいぞ!下手すると、東大軍の戦力は…“無限”だ!!」
愛知大「か、勝てるわけがない!一橋の事だから、自分の周りに優秀な大学のクローンを護衛として置いているはず!」
名大「絶望だな…」
高医「クローン工場を先に叩かないと、とんでもない事になる!」
神戸「工場ったって、どこだと言うんだ!探している間にどんどん兵士は増えていくぞ!!」
法政「心当たりがあるんですが…」
神戸「どこだ?」
法政「東大軍の兵器工場ですけど…」
東大「行ってみる価値はあるな…」
高医「では、東大軍の兵器工場に行ってみましょう!案内して下さい!」

〜いざ工場へ〜
目的地を“東大軍基地”から“兵器工場”に変えた法政達。
法政「じゃあ、俺が先頭で行くんで、ついてきて下さい!」
神戸「頼むよ」
東大「大丈夫だろうな?」
法政「…多分」
名大(限りなく不安だ…)

京大軍基地―――――
佛教「し、侵入者です!」
阪大「東大軍か!?」
佛教「いえ、医科歯科連合だと思われます!」
阪大「くっ…(主力は殆ど東京へ送り込んでしまった、まずいな…)」
???「私がいます。安心して下さい」
阪大「立命館…!だが、医大相手では、関関同立のお前でも…」
立命館「ICUが帰ってきたんですよ。大きな手土産を持ってね…」
阪大「ICU?(話が見えないが…)よ、よし!頼むぞ!」
立命館「お任せを…」

京医「京大軍基地に兵士は殆ど残っていないはずだ!」
神医「なるべく投降させろ!犠牲者は増やしたくない!」
北大「一気に京大の首を取るぞ!!」

再び東京―――――
法政「ここですけど…兵器工場」
名大「こりゃ外れだな、廃墟じゃねえか。こんなとこでクローン培養は無理だ」
神戸「…いや、当たりかもしれませんよ」
名大「え?」
神戸「廃墟の中に、妙に真新しい建物が見えます。カモフラージュしていたんでしょう」
香医「ホントだ!ここですね“クローン工場”は…」
東大「入ろう。そして、クローン製造を止めるのだ!」

〜罠〜
東大軍兵器工場内部―――――精鋭部隊十名は真新しい建物の前に着いた。
名大「これがクローン工場ってわけだ…」
産医「…にしてはおかしくないですか?」
高医「何がだ?」
産医「この工場は東大軍の切り札なんですよ?それにしては、警備が薄い…というより、無いですよ警備!」
東大「いや、逆だろう。こんな廃墟に衛兵なんて置いたら、かえって怪しまれてしまう。
   だから、わざと警備を薄くしてあるんだろう」
産医「ああ、そうか…」
北里「危険な賭けですね。まあ、そのおかげで我々は楽に侵入できるわけですが」
法政「でもクローンで兵力は無限なんだから、一人くらい警備員を置いてもバチは当たらないでしょうにね」
東大「あ………!」
神戸「確かに…兵力は無限にあるんだから、ここをガッチリ守った方がいいよな…」
名大「…という事は」
????「そ、これは罠ってわけよ」
法政「こ、この声は!」
お茶の水「東京のマドンナ、一橋様の第二夫人、そして、クローン工場長!お茶の水よ」
法政(出たよ…)
東大「なぜ貴様がクローンを?そんな技術を持っているとは思えないが…」
お茶の水「ホホホ、鈍いわね東大様。クローン技術はアメリカのものなのよ。
     私は工場長とは言っても、ここの警備が主な仕事ね」
名大「女…一人で我々の相手が務まるとでも?」
お茶の水「ホホホ、これだから名古屋は困るわ。誰が一人って言ったかしら?」
神戸「ま、まさか…」
お茶の水「ええ。ちなみに、この工場は学習院50名、ICU50名、上智50名で囲んでいるわ」
法政「学習院50名!!?」
名大「ICU50名!!?」
東大「上智50名!!?」
お茶の水「ま、“GIジョー”ってやつね」
東大「見逃して下さい」
お茶の水「土下座しても無駄よ。一橋様に“ここに来た者は必ず殺せ”って言われてあるの」
東大(チッ………)
法政(東大さんの土下座も通用しないとは…)

〜多勢に無勢〜
罠にはまり、クローン軍団に囲まれた法政達。
お茶の水「150対10…勝負は見えてるわね」
名大「くそ…!」
神戸「逃げよう!」

法政達は慌てて工場を出ようとするが…。
名大「ダメだ、完全に囲まれている!!」
東大「もう…終わりなのか…」
お茶の水「ホホホ、この工場にたどり着いたのは誉めてやるわ。でも、もう終わり…」
法政(相変わらずキツい性格だな、こいつ…)
お茶の水「あんたらが死んだら、あんたらのクローンを造ってあげるから、光栄に思いなさい!」
高医「くっ…(そんな事になったら、一橋の思う壺だ!)戦おう!」
北里「それしかないですね…」
名大「旧帝の意地、見せてやるぜ!クローン共!!」
神戸「じゃあ、なるべく固まって戦いましょう!」
東大「うむ、行くぞ!!」
法政(逃げたい…)
お茶の水「ホホホ、最後まであがくつもり?クローン達!やっておしまい!!」

学習院軍団「ウオオオ〜ン」
上智軍団「コロス、コロス、コロス、コロス、コロス…」
ICU軍団「一橋サマ、ワレワレノ、生ミノ親!」

東大「東京首都流奥義“東京タワー333連打”!!」
名大「名古屋城パワー全開!“ゴールデンシャチホコ”!!」
神戸「神戸魔法“神戸和牛召喚”!!」
愛知「名古屋城パワー全開!“シルバーシャチホコ”!!」
医大達「“メス乱れ投げ”!!」
法政(どうでもいいけど、技名を叫ぶ意味はあるのか………?)

お茶の水「ホホホ、いつまで持つかしらねぇ、この人数相手に…」


〜再戦〜
東大軍基地―――――
???「意外でしたよ…」
一橋「………」
???「てっきり、クローンを護衛につけてると思ったんですがね」
一橋「…自分の事は自分で守る主義でね」
???「なるほど…」
一橋「………」
???「他の方々はどうしました?例えば早慶とか…」
一橋「全員出撃させた。今この基地にはお前と私しかいない…」
???「何故です?私のように、あなたの首“だけ”を狙っている者もいるでしょうに…」
一橋「お前が病院から消えた時から、いつか私を殺しに来ると予想はついていたんでな…」
???「わざわざ私のために人払いを?有り難い事です」
一橋「何を企んでいるか、知らないが…。東工大、今度こそお前はここで殺す!!」
東工大「前のようにはまいりませんよ。では!!」

その頃、法政達はクローン軍団に苦戦していた。
法政「がはぁ!…いてて…」
東大「ぐっやはり数が多すぎる…!」
神戸「しかも、ただの雑魚じゃありません。学習院、ICU、上智ですからね…」
名大「名古屋城パワーが…尽きてきたぜ…」
高医「ハァ…ハァ…」
お茶の水「ホホホ、情けないわね。じゃあ終わりにしようかしら。とどめよ!!」
お茶の水の号令でクローン軍団が一斉に襲いかかる!法政達の運命は!?


〜逆襲〜
司令室で対峙する二人の男。一橋と東工大
東工大「私は長い時間をかけ“理工系”を極めました…今日はそれをお披露目したいと思います…」
一橋「ほう…」
東工大「こちらから行きますよ!」

東工大はいきなり部屋を出た。一橋はたまらず追いかける。
一橋「………何だこれは!」

そこには、一橋より二回りは大きい二足歩行ロボットが立っていた。
東工大「私が造った戦闘ロボ“トーコー”です。操縦席にはもちろん、この私…」
一橋「実力では敵わないから機械に頼るというわけか」
東工大「これは私が造ったのですよ?MIT様の助けも受けておりません。紛れもない“実力”です」
一橋「MITだと!?まさか貴様!!」
東工大「喋りすぎましたか…まあ冥土の土産に教えてあげましょう。
    私は七武神のMIT様とCIT様とつながっております」
一橋「そうだったのか…。退院したのもそいつらの治療があったからか…!」
東工大「もういいでしょう。貴方の顔はもう見たくありません。“東工大キャノン”!!」

ズドゴォォォン!!

一橋「ぐばはああぁア!!!」
東工大「じゃ、もう一発」

ドゴォォォォォン!!

一橋「うぐわァあアァァ!!!」
東工大「いやぁ、良い気持ちです。ではもう一発」

バガァァァアァアン!!
一橋「グぼァアあぁァあ!!!」
東工大「まだ、くたばらないで下さいよ。じっくり楽しみたいものです」

〜トーコー〜
一橋「う…ぐは…!」
東工大「では、次はこのロボの怪力ぶりを披露しましょう」
東工大のロボ“トーコー”は一橋を軽々と持ち上げ、床に叩きつけた。
ドゴッ!
一橋「ゲホッ!」
東工大「すごいでしょう。自信作なんですよ」
一橋「こ、この卑怯者が!!」
ブンッ!
一橋は殴りかかったが、あっさりかわされる。
東工大「スピードにも自信があります」
一橋(くそ…!)
東工大「前の私とは違うという事は分かっていただけましたか?」
一橋「“レインボーブリッジ”!!」

ドゴーン!!

東工大「すいませんねぇ…あいにく耐久力も抜群でしてね」
一橋「ダメージ0…か」
東工大「まあ、そう落ち込まずに。楽しんでいきましょうよ」

バキッ! ドカッ! ガスッ! ドゴッ! ゲシッ! ボカッ! ボグッ! ゴスッ!

一橋「ガハッ!ゲホッ!…ゼェ…ゼェ…」
東工大「辛そうですね。じゃあ、そろそろ楽になりなさい」
一橋(く、血は引き出しの中…殺される…!)
東工大「どのみち日本は沈没するのです。早く死ぬか、後に死ぬか、それだけの差ですよ…
    東工大キャノ…」
???「“広末ビーム”!!」
バシュッ!
東工大「うわ!だ、誰ですか!?」
早稲田「俺が相手するぜ、東工大さんよォ!!」

〜最強コンビ〜
一橋「わ、早稲田!?なぜ、お前がここに…!」
早稲田「成蹊がボロボロにやられてたんですよ。で、“これは何かあるな”って基地へ戻ってきたんです」
東工大「その洞察力は評価に値しますが、戻ってきたのは賢明ではありませんね」
早稲田「ふん、お前は理屈っぽくて前から嫌いだったんだ。さっさとかかって来いや!」
東工大「いいでしょう。一発で終わらせてあげます!“東工大キャノン”!!」
バシュッ!
図太い光線が早稲田の腹部を貫いた。
早稲田「すいませんねぇ…あいにく耐久力も抜群でしてね。あ、これお前の真似ね」
東工大「バカな、確かに貫通したはずでは…!」
早稲田「これだ」
早稲田は自分の腹についている輪を取り外した。
早稲田「これは“一芸フープ”と言って、取り付けた場所とその反対部分を異空間でつなぐ性質がある。
ようするに、俺の腹は空洞なわけだ」
東工大「そんな物があったとは…」
早稲田「まぁ、“一芸フープ”だけあって、一日一回しか使えないんだけど…」
東工大「そうですか、それを聞いて安心しました」
早稲田「あ………!」
東工大「二度目はありませんよ!東工大キャノ…」
早稲田「今だ!慶應!」
慶應「“一撃KO”!!」

ズバガァァァン!!!

東工大「ぐわああああああ!!」
慶應「フッ…この“一撃KO”は命中率は0に等しいが、当たったら、必ず相手をKOする!」
早稲田「例えるなら、打率は0に等しいが、ボールをバットに当てれば必ずホームランにする打者…」
慶應「まず当たらないが、先程の東工大は早稲田に注意が向いていた。つまり、当たる!」
早稲田「当たる、すなわちKO、すなわち勝利!」
一橋(やはり、コンビを組むと実力が何倍にもなるな…この二人)
しかし、東工大のロボ“トーコー”は静かに起きあがる。
東工大「大打撃は受けましたが、“一撃KO”とはいかなかったようですね…」
早稲田&慶應(勝負はこれから…か)


〜助っ人〜
クローン工場―――――
お茶の水「ホホホ、死になさい!」
法政「もう終わりだァ!!」
??&??「ちょっと待ったァ!!」

謎の液体がクローンに次々と撃ち込まれる。
クローン達「ウゴォォォォ………」
液体を撃ち込まれたクローンは次々に溶けていく。
東大「何だ…?」
名大「あれ…?」
法政「な、何か助かる雰囲気ですね…」
お茶の水「どうなってるのよ!キィー!」
神戸「あ…お前達は…」
樽商&南山「間に合ったみたいですね」
神戸「医大連に報告に言ったんじゃなかったのか?」
樽商「いや実はあの後、変な人にこの銃を渡されて…」
南山「“これで東大達を助けてやれ”って…」
神戸「どうしたんだよ、この銃は!」
南山「“奴らのクローン技術は不完全だからこれで倒せる”って言われたんですけど」
神戸「………(誰だ?)」
法政「ま、まぁこれで形勢逆転…?」
東大「そう…だな…」
お茶の水「キィ〜〜〜〜!覚えてらっしゃい!!」
お茶の水はどこかへ走り去ってしまった。
法政(逃げたか…)

南山「まぁ、クローンの弱点はこの銃ですので、恐るるに足らずですよ」
樽商「一橋を倒しにいきましょう!」
東大「よ、よし!東大軍基地へ行こう!」
高医「勝ちましょう!そして、日本に平和を!」
法政(そういや、ここからが本番か…)


〜一橋の決意〜
東工大「二人共まとめて始末してあげましょう。“東工大マシンガン”!!」

ガガガガガガガ…!

早稲田「くそっ!マシンガンまであるのかよ!!」
慶應「何でもありだな…」

ガガガガガガガ…!

一橋(体が動かない…血を取りに行くのは無理だな…。アレしかないか…)
東工大「どうしました?早稲田さんに慶應さん!私立最高学府もこの程度ですか?」
早稲田「うぜぇ…!自分の力じゃねぇくせに!!」
慶應「マシンガンのせいで近づけん…」
東工大「もし弾切れを狙っているなら、お気の毒です。たっぷり弾丸はありましてね」
一橋「…うおおおお!」

ドカッ

一橋がトーコーに体当たりをした。そのまま、機体にしがみついている。
東工大「み、見苦しいですよ、一橋さん!さっさと離れなさい!」
一橋「やなこった…」
東工大「だったら死んでもらいましょう!」
一橋「…これだけ密着してれば、ダメージがあるだろ?しかも、お前は慶應の技を喰らったばかり…」
東工大「おい!しがみつきながら、技を出すつもりか!貴様もタダではすまんぞ!」
一橋「………」
東工大「仮にも東大軍の司令官なら、じ、自分を大事にすべきだ!」
一橋「司令官…か。俺は最初からそんな器じゃなかったんだよ…」
早稲田&慶應「ひ、一橋さん!!」
東工大「バカ、ふざけるな!私にはまだ仕事が―――――」
一橋「“レインボーブリッジ”!!!!」

ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!


〜再出発〜
頼もしい援軍、樽商・南山と合流した法政達。
東大「では基地に行く前に、この工場を破壊しておかねばな」
神戸「そうですね。二度とクローンはゴメンです」
名大「やっちまおうぜ!!」

クローン工場を破壊していく法政達。

ドガーン! ドガガーン! ガシャーン! ズドドドド…! ズガーン!

東大「すごい施設だな、ここでクローンが製造されていた訳か…」
高医「一橋も大したものやき」
東大「今…方言出たろ」
高医「気のせいです。気のせい…」
南山「ところで、法政のやつ。やけに張り切ってますねぇ」
法政(当然だろ!こんな時じゃなきゃ活躍できないからね!)

そして、あらかた壊し終わって…
高医「じゃあ、行きましょうか」
東大「うむ。だいぶ回り道したが、出発だ」
名大「一橋の野郎をぶっ飛ばしてやろうぜ!!」
愛知大「さ、さすが名大様…!」
愛知医「愛知に生まれて良かった…!」
北里「医大連の名にかけて!」
香医「クローンはもう増えないし、何とかなるでしょ」
南山「出たところで、この銃で楽勝ですよ!液切れは心配ですが…」
樽商「北大様…見ていて下さい!」
神戸「京都で京医や神医達も頑張ってるんだ!僕達も頑張らなきゃ!」
産医「その通りです!」
法政(はぁ…もう一橋さんが誰かにやられてたら、助かるんだけどなぁ…
   まぁ、あり得ない事を考えるのは止めよう…)
こうして一行は再び東大軍基地へ向け出発した。


〜決着〜
東大軍基地―――――

ドッガァァァァァァァァァァン!!!!!

一橋と東工大のロボ“トーコー”が大爆発を起こす。
早稲田「一橋さん!」
慶應「一橋さん…」
一橋「うぐぐ…あいつは…?東工大はどうなった………?」

三人の目の前には大破したロボットがあった。その下敷きになるように、東工大が白目をむいて倒れている。
早稲田「やりましたよ!倒しましたよ!」
慶應「あなたの勝ちです…」
一橋「良かった…。もう思い残す事は無い…」
慶應「大丈夫です!傷は浅いですから…」
一橋「思えば、私も…随分ムチャをしたもんだ…」
早稲田「しっかりして下さい!!」
一橋「私は…クローンや七武神に…頼るしかなかった…。東大さんの跡を継ぐなんて…私には無理…だった」
慶應「急に弱気にならないで下さいよ…。大丈夫です!」
一橋「毎晩…眠れなかった…怖くてな…。情けない話だ…」
早稲田「しっかりして下さい!!」
一橋「いろいろ迷惑をかけたな…すまない。だが…司令官として…最後の仕事は果たした…。
   これからは…お前達の…時代だ…」
慶應「待って下さい!」
早稲田「死なないでくれぇ!!」
一橋「東大軍を…頼んだ…ぞ…」
早稲田&慶應「………任せて下さい!!」
一橋「………」

遂に、一橋と東工大の決着がついた。二人の廃校という形で…。

法政の逆襲15〜中と外〜

一方、法政達は東大軍基地にようやくたどり着いた。
法政「何か、ひっそりしてますね」
東大「入ってみよう。何かあったのかもしれん」

基地の内部を突き進む法政達。
名大「なんだこりゃ?機械がぶっ壊れてるぞ」
高医「…!誰か埋もれてますよ」
神戸「誰だこれ。もう、死んでるな…」
法政「こ、この人は!」
東大「…東工大だ」
北里「そ、そうだ!この人は東工大だ!」
東大「こいつの始末を一橋に命じて間もなく私は軍を去ったからな…」
法政「何でですか!?東工大さんは東大軍なのに…」
東大「ああ、こいつは兵器開発部長だった。だが、裏切ったんだよ。その後は知らん」
高医「そんな事が…」
神戸「東京もいろいろあったんですねぇ…」
樽商「そうですね」

一方、外で早稲田と慶應は一橋の墓を造っていた。
慶應「一橋さん、安らかに眠って下さい…」
早稲田「京大軍は俺達が必ず…!」
慶應「行こう…」
早稲田「どこへだよ?」
慶應「これ以上、この基地にいても無意味だ。戦場に行かなければ…」
早稲田「そうだな、じゃあ行くか!」

“東大軍司令 一橋 ここへ眠る”

丸太を地面に刺しただけの簡素な墓にはそう刻まれていた。



〜〜
一方京大軍
アメリカから帰ってきたICUが数名の人々と共に京大軍に現われた。

同志社「ICU、遅かったじゃないか」
ICU「悪い、遅れてしまって。
    田子の浦港に上陸してのはいいが、ちょっと手間取ってしまって」
同志社「そうか、それでそちらの方々は?」
ICU「そのときに、ちょっと手伝ってもらった人々なんだ。
    我々に協力してくださると」
静岡「どうも静岡大です。ICUさんが田子の浦にいたときは驚きました」
愛教「愛教ですわれわれも、この混乱の中でどうしようか迷っていたのです」
三重「三重です、それはとにかくあなた方に伝えたいことがあります」
立命館「いったい、どうしたんだ?」
三重「実は……」


同志社「みんな、大変なことが起こった!」
同女「同志社さん、どうしたんですか?」
立命館「落ち着いて聞いてくれ、一橋が死んだ」
阪大「なんだと! 本当か!?」
同志社「ああ、ICUを送ってきてくれた東海国立さんが教えてくれた」
京大「そうか、一橋が死んだか、……これで東大軍も終わりだな」
阪大「いや、まだ慶応と早稲田が残っているうちは安心できません」
同志社医大連と公立大同盟の動きも気になりますね」
立命館「しかし、我々には秘策があります。ICUが持ってきた手みやげです」
京大「ほう、ICUが秘策を?」
ICU「ええ、一応そうなのですが…」
京大「ふむ、それは一体どういったものなのかね?」
ICU「今は、未だ言えません、時が来たら…」
京大「そうか…、期待してるぞ」


〜〜
――そのころの千葉大
千葉大「だからNHK見てないって!」

NHKの集金をめぐって一悶着起こしていた。

――そのころの筑波大
筑波大「だからCOEの採択が少ないって!」

COEの採択をめぐって日本学術振興会と一悶着起こしていた。


〜再起〜
法政達は基地内部をくまなく探索したが、誰も見つけられなかった。
法政「どうしましょうか…?」
東大「考えるまでもない。基地を出るしかあるまい」
神戸「ここで何かあったのは確かですしね」
高医「ちょいと、名古屋の奴らと通信してみるか…」

戦場へ向かう早稲田と慶應。京大軍のレーザーのせいで、両軍の被害は悲惨なものだった。
慶應「生き残っている者をさがそう。そして、“全て”を伝えるんだ…」
早稲田「そうだな…」
そこへ現れたのは専修だった。
専修「あ、早稲田さんに慶應さん!」
すると、続々と大学が現れる。京大軍のレーザーから集団で避難していたようだ。
早稲田「丁度良い、お前達に“全て”を話す」

早稲田は文字通り全てを話した。東工大の侵入、そして一橋の死…。
やはり、大学達はパニックになった。次々と愚痴をこぼし出す。
「もう、終わりだ…」 「リーダーが死んじまうなんて…」 「負けだ…もう負けだ…」
「あの一橋さんが…」 「どうすればいいんだ…」 「あ〜あ…」 「マジかよ…」
「あの東工大がなぁ…」 「やってらんねーよ…」 「全員京大軍の捕虜になって殺される…」
「ウソだろ…」 「一橋さん…」 「東大さんがいればなぁ…」 「絶望だよぉ…」

『ゴチャゴチャうるせーぞ!お前ら!!』

早稲田はたまらず叫んだ。大学達は一瞬で静かになる。
早稲田「まだ、俺達がいる!一橋さんは最期に全てを託してくれた!諦めたら一橋さんが…!」
慶應「その通りだ。我々はまだ戦える。私と早稲田に命を預けてくれないだろうか」
早稲田と慶應の貫禄は東大や一橋に負けないものがあった。やがて、コールが起きる。

早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶!』

東大軍は新たに生まれ変わる―――


〜その後〜
東大軍基地を出た法政達12名。
高医「京都の医大連は京大軍基地から一時撤退したそうだ」
名大「何かあったのか?」
高医「京大軍に正体不明の援軍が来たとか言ってました…。誰でしょうね?」
神戸(神医………)
樽商「京都には北大さんだっているんです!絶対に勝ちますよ!!」

法政「一橋さんはどうしたんでしょう?」
東大「さぁな、逃げたか…それとも、死んだか…」
法政「もし、死んでたら…!」
東大「少なくとも、目標は達した事になるな。後は京都の医大連が京大を倒すのを待つだけだ」
北里「東工大と戦って亡くなったのでしょうか…」
法政「………!」
法政は何かを発見した。

MITとCITの会話。
MIT「おや、東工大の生命反応が消えた…。クックック…」
CIT「あいつに生命反応装置をつけていたのか…悪趣味な奴め」
MIT「一橋には勝てなかったようだな…素直に私のロボを使っていれば死なずに済んだものを」
CIT「多少は同情しているのか?」
MIT「まさか!日本の大学なんざ、全部ゴミだ。奴とは価値観が似ていただけ…」
CIT「………」
MIT「そろそろ大学を殺すのも飽きてきた。理科大を呼び戻して、いよいよ“日本沈没”の開始だ!」
CIT「そうだな…」
MIT「何だ?気がすすまないってツラだな」
CIT「いや、そんな事は…」
MIT「貴様も何かしてたな。材料や薬品からして“クローンを倒す銃”を作ってたってとこか」
CIT「!…流石だな」
MIT「甘く見るなよ。そんな物、どうしようってんだ?」
CIT「気まぐれに作ってみたんだ。それで…捨てたよ」
MIT「ハッ!訳が分からん」
CIT「………」

〜東大と一橋〜
法政は何かを発見した。
法政「これは…墓ですね」
東大「墓だと?」
法政「ええと、“東大軍司令 一橋 ここへ眠る”。一橋さん…死んだのか…」
北里「一橋さん…やはり…」
東大「一橋…すまない!私が…私が…!」
法政「東大さん…」
法政は東大が泣く姿を初めて見た。そして、東大は自分が軍を抜けた日の事を思い出していた。
   ・
   ・
一橋「どこへ行くんです」
東大「全てが嫌になった…。私はもういい…」
一橋「そんな無責任な!私達にはあなたが必要なのです!」
東大「全てお前に任せる。さらばだ…」
一橋「そ、そんな!私には無理です!行かないで下さい!!お願いします!!」
東大「すまんな…」
一橋「待ってくれェ!!うわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!私には…無理だぁ〜〜〜〜〜〜!!
   どうすればいいんだよォォォォ〜〜〜〜〜〜!!」」
   ・
   ・
法政達は墓の前で手を合わせた。
神戸「倒すはずの敵だったのに、手を合わす事になるとは…」
名大「確かに…まぁいいんじゃね?」
高医「あんな東大さんは初めて見ました」
北里「東大さん…」
東大「………」
法政(一軍の長という重圧…か。計り知れないものがあったんだろうな…)
東大「申し訳ない。さあ、出発しよう」
法政「…どこへですか?」
東大「………未来という名の希望へ」
その場が凍り付いた。



〜〜
京大軍から一時撤退した神戸・医大連。

神医「俺が残って奴等の正体を探ってみる」
北大「なにをいうんだ。そんな危険なことをリーダーのお前に任せられるか」
神医「大丈夫だ。俺には神戸から預かったあれがある」
北大「しかし!」
京医「わかった。まかせよう」
北大「京医!」
京医「だが、危険だと思ったら直ぐ逃げろ。お前だけの命じゃないんだ」
神医「わかった。じゃ、行って来る」

援軍の正体を調査していた神医から連絡が入る。

神医「援軍の正体が分かった」
京医「そうか、わかったか。いったい誰なんだ?」
神医「ICUだ。あと、東海国立―静岡・愛教・三重・豊橋技科・名工・岐阜らしい」
北大「なんだと! 名古屋はなにをしていたんだ! あやつの管轄だろうに!」
京医「仕方あるまい。あやつのちからはお前や東北・九州ほど強くはないのだ」
神医「しかも、ICUはなにやら秘策を持っているらしいとか」
京医「秘策…?」
神医「ええ、詳しくは分からなかったのですが…」
北大「そうか、わかった。とりあえず、戻ってこい」
神医「分かりました。では」

神医が京大軍本部からぬけ出そうとしたそのとき。

???「其処にいるのは誰だ!」
神医「(しまった! 見つかったか!?)」



〜〜
筑波研究学園都市にて−

筑波大「ダメだ。計測値の誤差が大きすぎる…」


???「What's up?」
筑波大「誰だよ、この忙しい時に」
東外大「久しぶりです、筑波さん」
筑波大「あ、東外大に阪外大、それに外大のみんな!」
阪外大「みんなでカナダまで研修旅行に行ってた」
京外大「お土産のメイプル饅頭でおす」
筑波大「…実は広島で買ってきたとか?」
関外大「誰もわざわざ広島まで行きまへんがな」
筑波大「いやいや、冗談だよ。ありがとう。なんでまたこんなところまで?」
神戸外「それがですね、空港に着いたとたんビックリですよ」
神田外「もう、東京中が焼け野原」
筑波大「嘘でしょ?この筑波研究学園都市はこんなに平和なのに」
東外大「それなんですよ。上智さんもICUさんもいないし、まともなのはここぐらいでした」
京外大「ちょっと東京に出てきはったらお判りになりますよ」
筑波大「うーん、めんどくさい。そんなことより研究だよ」
阪外大「筑波はいつもこうだ。もっとこれからはグローバルな視野を…」
関外大「もう、よろしいやろ。関東は冷たいわ。とりあえず西へ戻りましょ」
東外大「じゃあ、私も連れて行ってもらいましょうか」

〜〜
−関西にて−

神戸外「あれ?」
関外大「こっちもまぁ見事な焼け野原だな」
阪外大「いったい何があったんだ?」
東外大「これはただ事ではなさそうですね」
京外大「うっ、うっ、わてらのキャンパスが…」
名外大「貧乏な京外のキャンパスなんかたいしたことないだぎゃ」
京外大「なんやて!」
長外大「まぁまぁ、落ち着いて」
関外大「しゃあないからまた留学に行きまへんか?充実の留学制度でお安うしまっせ」
阪外大「じゃあ、ここらでウルドゥー語を学びに行こうか」
関外大「どこやねん」