法政の逆襲16〜新生〜

一段落ついて、話し合う法政達。
神戸「これからどうしましょうか?」
高医「東大軍の動きを知るのが先決だな」
名大「誰かが一橋の跡を継いでたら、結局振り出しだしな」
北里「継いでいるとしたら、誰でしょうね?」
東大「早稲田か慶應だろうな…」
法政「もし、継いでいたら…?」
高医「倒すしかない。“頭を潰す”これが戦争終結のための最良の方法なのだ」
法政(もしかしたら、早稲田さん達と戦うのか…)

その頃、早稲田と慶應は東大軍を探し、集めていた。
早稲田「だいぶ集まったな」
慶應「こんなものでいいだろう…」

 ワ イ ワ イ ガ ヤ ガ ヤ ・ ・ ・

慶應「みんな、聞いてくれ。一橋さんはついさっき亡くなられた。東工大と戦ってな…」
早稲田「これからは俺達が東大軍を仕切る。異存はないな?」
再び起こる早慶コール。

早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶! 早慶!』

立教「お二人に聞きたいのですが、これからどうするおつもりで?」
慶應「ここにいる全軍で“京大軍基地”へと攻める」
早稲田「一橋さんは命を賭けてくれた。今度は俺達の番だ!」
日大「その通りです!!」
明治「MARCはまだやれます!!」
「やれるぞ!」 「勝ちましょう!」 「京大なんざ怖くねえ!」 「勝てる!」 「早稲田様〜!」
「よっしゃあ!」 「いいぞ〜!」 「素敵〜!」 「慶應さん!」 「ここまで来たら攻めるまでです!」
「この命預けた!」 「粉骨砕身!」 「ウオ〜!」 「早慶バンザイ!」 「関東の意地見せてやるぜ!」

新生・東大軍の目標は決まった。全軍で打倒京大!戦いは最終局面を迎えた…。


〜日本消滅〜
MIT達のアジトに理科大が到着した。
理科大「何でしょうか?緊急招集とは…」
MIT「東工大のバカが死んだ。もはや待つ意味は無い。“日本沈没”の開始だ!」
理科大東工大さんが!?ウソだ…」
CIT「気の毒だが、本当だ。生命反応が消えたらしい」
理科大「ウソだ…」
MIT「うるせぇ!これだから日本の大学は困るぜ。廃校した奴なんざほっておけ!」
理科大「しかし…」
MIT「いいか、これから我々が行うのは“日本沈没”というビッグプロジェクトだ。
    東工大はそれに相応しい男ではなかった。それだけだ!」
理科大「はぁ…」
CIT「理科大、お前は東工大と付き合いが長い。気持ちは察するが、今はそれどころではないのだ」
MIT「そういう事だ」
理科大「分かり…ました…」
MIT「さてと、じゃあロケットの準備だ」
理科大「ロケット!?」
MIT「それで、前もって打ち上げておいた人工衛星へ向かい、その人工衛星に搭載されている兵器で…」
CIT「日本を滅ぼす。“日本沈没”というより、“日本消滅”だな」
理科大「ううう…」
MIT「喜べ、お前は日本で唯一生き残る大学になる」
理科大(私はとんでもない奴らと組んでしまったのでは…)
MIT「ロケットはもう出来ている。しかし、発射場はちと遠い。行くぞ」
理科大「は、は、はい」
CIT「………」

〜最後の希望〜
北軍は九大の見張りのもと、一時休憩していた。
東北「そろそろ出発しよう。ありがとう九大」
九大「礼には及ばない」
東北「九大…」
九大「何だ?」
東北「一緒に来てくれないか?」
九大「フッ…気持ちは有り難いが、MITにやられた傷でもはや役には立たん。足手まといになるだけだ」
東北「それでも構わない」
九大「そうか…では、お願いしよう。私もこのままでは終われん!!」

お茶の水はクローン工場から逃げ出し、森の中を走っていた。
お茶の水「ゆ、許せないわ!あいつら!絶対に借りを返してやるんだから!キィ〜〜〜〜!!
     早く一橋様に報告しなくては…」
そこへ、話し声が聞こえた。
お茶の水「な、何かしら?」

MIT「ロケット発射場はこっちだ」
CIT「随分へんぴな所に建てたものだな。目立ちたがりのお前にしては」
MIT「ふん、発見されて、騒がれても面倒だからな」
理科大「あの、本当にやるんですか?」
MIT「当たり前だ!あと少しで日本はこの世から消えるのだ!人工衛星搭載兵器“MITミサイル”によってな!」
理科大「は、はぁ…」
MIT「宇宙から日本が消滅する瞬間が見れるのだぞ?久々に楽しめそうだ」
理科大「………」

お茶の水「に、日本が消滅!?ど、どうしましょ…誰かに、誰かに伝えなきゃ!!」

MIT「何だ?今、声が聞こえなかったか?」
CIT「いや、気のせいだろう。森の中だし、鳥の鳴き声ではないか?」
MIT「フッ鳥如きに反応してしまうとは…。私も多少は気が張っているらしい」
CIT(今見逃してやった日本の大学よ…。お前が“最後の希望”だ…)
三人はロケット発射場へ向かう。

電通大登場〜
一橋没後の東大軍の動きを追う法政達だが、手がかりはつかめずにいた。
法政「どうなっちゃったんでしょう。東大軍」
名大「ここまで見つからないって事は、全滅したとか?」
高医「さすがにそれは無いでしょう。一橋の墓を造った人は生きてるはずですし」
神戸「新リーダーが現れて、もう京都へ向かったとか…?」
東大「十分あり得るな…。しかし、どこにいるのか分からんと…」
??「ピピピ…ピピピ…」
愛知「だ、誰だ!?」
電通「ピピピ…ピピピ…電気通信大学電通って呼んでくれ」
法政(うわ…また変な奴が…)
東大「で、電通大!お前は東大軍だったな?」
電通「ええ、でも拙者はぐれてしまって。京大軍のレーザー凄かったから…」
名大「他の東京の大学の居場所は分かるか?」
電通「拙者ははぐれてしまったから…。でも…」
名大「やっぱダメか…」
電通「でも、居場所なら分かりますよ。東京の大学ならね」
名大「それを先に言え!!」
電通「す、すみません。一橋様にレーダー係に任命されてましてね。東京の大学の居場所は拙者分かるんですよ。
   これは一橋様と拙者だけの秘密ですが」
法政(思いっきりバラしてやがる…)
東大「今すぐ、調べてくれ!大至急だ!!」
電通「でも、お宅ら、拙者の敵…」
高医「はよぅしちょき!!!!」
電通「は、はい!!え〜と…ピピピ…ピピピ…」
東大「どうだ?」
電通「集団で西へと向かってますね。あと凄い速さで東大軍基地へ向かっているのが一校」
東大「やはり京都へ…!早稲田か慶應だな!」
名大「すぐ追おう!」
神戸「ところで、“凄い速さで東大軍基地へ向かっている一校”って誰でしょうね」
東大「法政、電通とその大学を待っててくれないか?気になる」
法政「え?わ、分かりました!(置いてきぼり!?)」
東大達は東大軍を追跡する事になった。法政と電通は東大軍基地へ戻った。

〜待ち時間〜
東大軍基地―――――
電通「じゃ、二人きりで待ちますか」
法政「そ、そうですね…(この人苦手だ…)」
電通「ところで、何で東大軍にいなかったの?」
法政「(いきなり嫌な質問をしやがって…)え?自分を見つめ直す旅へと…」
電通「じゃあ、戦争初期に京都にいたのは気のせいか…」
法政「(ま、まずい!!)そういう電通大さんはどうしてたんですか?」
電通「これでも国立だからね、指揮官やってたよ」
法政「そ、そうですか…」
電通「どんどん大学が死んでいくんだ。拙者は悲しかったよ…」
法政「電通大さん…」
電通「実は、君達が来る事は知っていたんだ。このレーダーでね」
法政(そうか、東京の大学の居場所は分かるんだよな…)
電通「偶然を装って会ったわけだ。君達なら…戦争を終わらせられると思ってね…」
法政「そうだったんですか…(俺はこの人を誤解してたな…)」
電通「ところで、何で戦争初期は京都にいたの?」
法政「(なぜほじくり返すんだ!)いや、ちょっと京都旅行へ…」
電通「隠さなくてもいい。君は頑張ったよ」
法政「い、いえ…」

いきなり電通大が立ち上がる。
電通「ピピピ…ピピピ…」
法政(この効果音と、“拙者”は何とかならんのかなぁ…?)
電通「来たよ」
法政「え?誰ですか?」
電通「さっきは遠かったから判別できなかったが、この電波は…お茶の水だな」
法政(ゲ!よりによって…)

お茶の水「に、日本が…ゼェ…ゼェ…消滅するのよ〜〜〜〜!!日本が〜〜〜〜!!」

法政(あ〜あ、クローン工場での敗北のせいで、ぶっ壊れてやがる…)
電通「ま、せっかく来たみたいだし、会ってみようか」


〜追跡〜
東大軍改め早慶軍を追う東大達。
香医「電通大は連れていくべきだったのでは?レーダー機能を持ってますし…」
名大「ふん、さっきまで東大軍だった野郎を信用できるか!」
神戸「大丈夫でしょうか?法政だけ残しちゃって…」
産医「今頃、電通に襲われてるかもしれませんよ」
高医「確かに…敵同士だしな…」
南山「でも、今更戻れませんよ!もう法政、殺されてるかも…」
名大「今回は完全にお前の“失敗”だったな、東大!!」
東大(法政、電通。信じているぞ…。私は部下を信じず軍を去り、一橋は部下を信じ最後まで戦った…
   一橋に報いるためにも、私は“かつての部下”を信じ抜く!!)

一方、早慶軍は京都へと歩を進めていた。
早稲田「もうすぐ京都だ!」
慶應「京大軍が現れる気配はないな…」
早稲田「関東にもだいぶ兵を出していたし、兵力不足だろ?」
立教「我々MARCは関関同立と遭遇しました。ただし、いたのは関学と関西だけでしたが…
   4対2なので、もちろん勝ちました」
日大「うちも産近甲龍と一戦交えました。近畿を倒しましたが、東洋が…やられた」
東海「うちは二人もやられて、今や“東国”です…」
国士舘「大東文化…亜細亜…良い奴だった。あのクソ野郎はどうなったか知らねぇがな!」
東海「クソ野郎?」
国士舘「帝京に決まってるだろ!?あいつ逃げやがって…」
日大(帝京が“何をしてたか”は言えないな…)
東海「もう誰かにやられたんじゃないか?」
国士舘「ケッあいつを殺ってくれた奴に礼を言いたいぜ!」

京都では―――――
同志社「ヘックション!!」
立命館「ど、どうした?」
同志社「今、誰かが俺を噂してたような…」



〜〜
京大軍内部
 ICUはあてもなく構内を彷徨う。

ICU「本当に、京大軍について良かったのだろうか?
    おれの願いは京大軍の勝利ではなかったはず…。
    このままでは、京大軍のためにあの言葉を使うことになるかもしれない。
    そのようなこと……ん?」
??「……った…I……東…立…」
ICU「(なんだ? 声が聞こえる…? もっと近くへ寄ってみよう)」
??「Uは何か秘策を……」
ICU「(な、秘策のことがばれてる? 間者か!?)」
??「分かりました。では」
ICU「(いまだ) 其処にいるのは誰だ!」
??「!!」
ICU「あ!! お前は!」
神医「あ、あなたは、ICUさん!」

医大連(京都)
北大「それにしても、援軍が6人も! 全く、名古屋は…」
京医「まあ、そうがなるな。しかし、厳しいな。いちど本部に戻り体勢を立て直すか」
北大「ああ、この人数じゃどうしようもない…。しかし、それにしても神医は遅いな」
京医「確かに。そろそろ着いてもおかしくはないのだが…」
北大「まさか、抜け出すときに何かあったのでは?」
京医「……。とにかく、もう少し待ってみよう。それで来なければ…」

〜〜
再び京大軍内部

ICU「貴様、いったいこんなところで何を…」
神医「ICUさんこそ…。あなたは東大軍では無かったんですか?」
ICU「東大軍はやめた」
神医「それで、今度は京大軍ですか。確かに、いまは京大軍の力が圧倒している…」
ICU「違う、おれは戦争を終結させようと…!いや、そんなことを云う資格は今のおれにはないな
    同志社と共に、そんな夢を語ったことがあった…。しかし…」
神医「ICUさん、京大軍をでて、我々と共に戦争終結へ向けて戦いましょう!」
ICU「そうだな…」
神医「そうですよ。我々はあなたを歓迎します」
ICU「しかし、もしお前達の見方になり、京大軍・東大軍を倒したところでなんになる?
    新たな戦争が始まるだけだ。
    現に、東大軍は一橋亡き後も早慶が中心となって活動を続けている…」
神医「それは…」
ICU「それでは、だめだ。だから、お前達の軍には入れん」
神医「だったら、だったらどうするというのです!
   なにもしないうちから、それを否定することは出来ない!」
ICU「わからない…、わからないんだ。
    ただ、お前達のしていることは正しくない。それだけはわかる」
神医「正しくないか…。そうかもしれません。憎しみは憎しみしか生まない…。
   でも、それでしか解決できないことがある。今がそのときだ!」
ICU「……。そうかもしれん。しかし……。いや、これ以上の議論は不毛だ。
    今回は見逃す。はやくここから立ち去れ」
神医「…わかりました。ありがとうございます。でも、私は…」
ICU「早くしろ!」

神医立ち去る

ICU「おれには、何が出来る? いったい、何が……」



〜三人組〜
電通と法政はお茶の水を迎えた。
お茶の水「日本が〜〜〜〜!!日本が〜〜〜〜!!」
法政「ま、ま、落ち着きなって」
お茶の水「うるさいわね!!アンタこそ、よく落ち着いてられるわね!!」
電通「何があったのか、話してもらおうかな」
お茶の水「あ…!電通大様。いいわ、話してあげるわ」

お茶の水は森の中で聞いた会話について話した。
お茶の水「…というわけよ」
法政「日本を消滅?…んなバカな」
お茶の水「うるさいわね!ぶっ殺す!!」
電通「まぁまぁ、誰が話してたんだい?」
お茶の水「え〜と、見たこともない大学が二校。それと、理科大がいたわ」
法政「手がかりにはならないな…」
電通「拙者のレーダーを忘れたか?“東京の大学”の居場所は分かる」
法政「あ…!」
お茶の水「どうでもいいけど、一橋様を出してよ!アンタらじゃ頼りにならないわ!」
法政「実は………」

法政はためらいながら、一橋の事を打ち明けた。
お茶の水「ウソよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!あの一橋様が死ぬなんて…」
法政「基地内に東工大さんの死体があった。多分、東工大さんと戦って…」
お茶の水「そんな…」
電通「泣くのはそのへんにしておけ。今は悲しむ暇は無いのだから…」
お茶の水「は、はい…」
法政「………」
電通「拙者達は理科大を追おう。日本の消滅について真偽くらいは確かめないと」
法政「そうですね…本当だったら、エラいことですし」
お茶の水「一橋様…」

〜敵も三人〜
電通大はさっそくレーダーを発動させる。
電通「ピピピ…ピピピ…」
法政「どうですか?」
電通「やけにへんぴな地域に一校いる。これが理科大だろうな」
法政「追いましょう!」

京大軍基地―――――
阪大「東大…いや早慶軍がこの基地へ向かっているという情報が!」
京大「その程度、予想済みだ」
阪大「迎撃するなり、防衛するなりしないと…」
京大「ほっておけ、こっちには“奴”がいる」
阪大「信用できるのですか?」
京大「信用などしていないさ。奴は元々東大軍だぞ?」
阪大「だったら…!」
京大「今に分かる。今にな…」
阪大「………」

再び、理科大のもとへ向かう三人組。
法政「もし、戦う事になったら…」
電通お茶の水の話が事実は相手は三人。こちらも三人。三対三だな」
お茶の水「相手が誰だろうと、ぶっ潰してやるわ!」
法政(お〜怖…)
電通「拙者もこうなったら、とことん付き合うぞ!」
三人は意気揚々と理科大を追う。敵に二人も七武神がいるとも知らずに…。