法政の逆襲17〜止められるのは三人だけ〜

電通大のレーダーを頼りに理科大を追う法政達。
法政「電通さん、あとどのくらいですか?」
電通「もうすぐだな」
お茶の水理科大に気をつければ、何とかなるわよ!」
法政「いや、まだ戦うと決まったわけじゃ…」
お茶の水「い〜え、あれは本気だわ。本気で日本を消そうとしてるわよ!!」
電通「あんま喋ってると、体力の減りも早くなるよ」
法政&お茶の水「グッ…!」

ロケット発射場―――――
高くそびえ立つロケットを見上げる三人。
理科大「こ、これが…!」
MIT「どうだ?私の自信作だ」
CIT「流石だな、これほどのものを造り上げるとは…」
MIT「名付けて“MITシャトル”!!」
理科大「相変わらず“MIT”をつけるのは忘れないんですね」
MIT「当然だ」

発射場から少し離れた場所―――――
法政「な、何あれ…」
電通「ロケット…だろうね」
お茶の水「ほら言ったでしょ!あれで宇宙から日本を消すつもりよ、きっと!」
法政「まさか、本気でこんな事をする奴がいるなんて…どうしましょう?」
電通「拙者達が止めるしかなかろう」
お茶の水「そうよ!情けないわね!!」
法政(結局戦うのか…トホホ…)
電通「まだ間に合う。あのロケットを飛ばさなければいいんだから」
法政「そうですね、この事実を知ってるのは俺達だけですからね!」
三人は決意を固め、ロケット発射場へと向かう。



〜〜
一方京大軍内部
東海地方国立はそのなかの一室で休んでいた。

静岡「京大軍まで来ちゃったけど、これからどうしましょうか?」
三重「うーん、別に京大に恩はないしなぁ」
豊橋「名大様に黙ってでて来ちゃったし」
名工「名大なんかかんけーねーだろ? あんなの、俺らのこと忘れてるさ」
愛教「だったら、良いんですけど…」
岐阜「とにかく、今はここで指示を待とう」
静岡「そうね。ICUさんもいるんだから」
愛教「そうそう、ICUさんっといえば、なんであんな所にいたのかしら?」
豊橋「そうだな。沼津と清水に東大軍の東海大支部があったのに…」
名工「爆破された富士山を見に来たんじゃねー? あれ、大変だったもんな」
静岡「ええ、あの爆発で常葉学園さんのお子さんの富士常葉大が亡くなったもの」
豊橋「ヤツもかわいそうだったよな。あそこの一家は中立だったのに」
岐阜「で、静岡がICUさんを見つけて保護したんだよな」
静岡「あのままだったら、東海大に見つかってたもの」
三重「で、静岡から連絡を受けた俺らが駆けつけて…」
愛教「ICUさんから話を聞いたのよね、この戦争を終結させようって」
名工「俺らもどうしようもなかったし、それに賛成したんだよな」
岐阜「このままだと、何も出来ないまま争いに巻き込まれて殺されていただろうし」
豊橋「関東と関西の争い…、東海地方が戦場になる可能性は大きかったもんな」
愛教「これから、ICUさんはどうするつもりなのかしら」
静岡「そうね。でも、私たちはICUさんについていくだけよ」
豊橋「そうだ。それが、もし、京大軍を抜けることになったとしても…」



〜最悪の敵〜
ロケット発射場―――――
法政「そこまでだ!」
お茶の水「そこまでよ!」
電通「バカな事はやめなさい」
MIT「何だ?貴様らは…」
理科大「あ…法政!それに、お茶の水電通大…」
MIT「これはこれは…予想外の客だな。わざわざ殺されにくるとは…」
お茶の水「ホホホ、アンタみたいな、マイナー大学に負けるわけないでしょうが!」
MIT「マイナー大学?この私が?」
法政「だって…見たこと無いし…」
MIT「私の名はマサチューセッツ工科大学。通称MITだ…」
法政「え………」
お茶の水「じょ、冗談はよしてよ!七武神じゃないのよ!」
MIT「その通り、私は七武神だ」

そして、MITはCITを指さして言った。
MIT「あいつはカリフォルニア工科大学。通称CITだ…」
CIT「………」
法政(お、終わった…俺もここまでか…)
お茶の水(七武神が…二人も!とんだ誤算だわ…)
電通「拙者は電気通信大学。通称電通大だよ」
MIT「貴様の名前なんざ聞いてないがな」
電通「聞かれてないのはキミも一緒でしょう。相手なんか関係無い。拙者は“日本消滅”を止めに来たのだから」
法政「でも…勝てっこないですよ!」
電通「分からないよ。あちらの三人に運良く隕石が落ちてきたら勝てる」
法政「無茶な!」
電通「勝てる相手とだけ戦うキミじゃないはずだ!!」
法政「(そうだ…他のみんなだって…)や、やりましょう!七武神がなんだ!こっちは元MARCHで元法慶だ!」
お茶の水「私だって女子大最強よ!」
MIT「ゴミ共が…。貴様らを血祭りにあげて、宇宙に捨ててやるとしようか…」
七武神、MITとのバトルが始まった!

〜魂の一撃〜
法政「“キャリアデザイン”!!」
お茶の水「“玉露ぶちまけ”!!」
電通「“妨害電波”!!」

ドゴーン! バゴーン! ズドーン!

法政(まるっきり効いてない…)
お茶の水(詐欺じゃないの!?直撃だったのに!キィ〜〜〜〜!)
電通(ああは言ったものの、実力差は大きい………か)
MIT「こんなものかね。では、七武神の力を見せてやろう。“MITでこピン”!!」
ピンッ
法政&お茶の水電通「うわァァァ〜〜〜〜!!」
MIT「でこピンの風圧だけで、そのザマか…。こりゃ勝負は見えたな」
電通「ぐっ…“電化製品乱れ投げ”!!」
MIT「効くかァ!“MITキャノン”!!」

ズドゴォォォォォォン!!!!!

お茶の水「うう…ダメ…」
電通「ぐうう…何て威力だ…!」
MIT「さっきまでの威勢はどうした?ゴミがこの私に逆らうなど…1000年早いわ!」
法政「ガハッ!ハァ…ハァ…まだまだ!」
法政はガムシャラに攻める。しかし、全く当たらない。
MIT「ククク…MITキャノンを受け、なお攻めてくるその“馬鹿さ加減”は誉めてやろう」
法政「うおおおおお!」
お茶の水「法政…まだやると言うの…」

ドゴッ!

MIT「うぐはッ!」
電通「あ、当たった!法政の攻撃が!」
MIT「…日本のクソ大学の分際で、よ、よくも〜〜〜〜!!」

〜悲劇・救出劇〜
MIT「この場で消滅させてくれるわ!最強の技でな!」
法政「うう………」
MIT「くたばれ…“MITゴッド…」
理科大「理科実験その1“ヨウ素液洪水”!!」

ドジャジャ〜〜〜〜!!

MIT「ぐわっ!何だこの液は…。理科大ィィィ…貴様ァァァ!!」
理科大「俺だって、俺だって………日本が好きだァ!!」
MIT「バカめが…CIT!そいつを殺せ!」
CIT「土壇場で裏切るとはな…容赦はしない。“CITエクスプロージョン”」

バゴオォォォォォォン!!!!!

理科大「ぐわああああああ!!」
電通理科大………くっ!」
MIT「おとなしく我々に協力していれば、死なずに済んだものを…。さて、次は貴様だ。法政とやら」
法政(ダメだ…動けない…)

MITが技を出そうとしたその時、謎の軍勢が割って入った!
??「MIT見つけたぞ!」
MIT「チッ…またゴミが増えたか!?」
CIT「何者だ?」
東北「東北大だ。ここからは我々東北軍が相手をしよう」
九大「さっきの借りは返させてもらう!」
法政「と、東北大…」
MIT「もう出発を待つだけというのに…次から次へ…!こ、殺してやる…全員…!」
東北「目標はMITとCIT!倒れている者は介抱してやれ!!」

新たなる援軍、東北軍。果たして、二人の七武神を倒すことはできるのか!?

〜二つの戦場〜
北軍とMIT・CITの激闘が始まる。
秋田「これ以上、好き勝手はさせねーぞ!」
八戸「日本の底力をなめるな!」
岩手「数はこちらが上なんだ!」
仙台「東北大さんの名も上がるぜ!」
MIT「うぐぐ…格の違いを思い知らせてやるわ!」
CIT「仕方あるまい…」

東北「大丈夫か、法政達」
法政「た、助かりました…」
お茶の水「来るのが遅いのよ!」
電通「間一髪、かなり危なかったね」
東北「もう大丈夫だ。奴らはたった二人…数で押せば勝てる!」
九大「………」

京都―――――
早稲田「よぉし、いよいよ京都だ!」
慶應「結局、京大軍と鉢合わせる事はなかったな…」
早稲田「基地に一気に攻め込もう!それしかねぇよ!!」
慶應「そうだな…。みんな、我々は新米司令官だが、最後まで付き合ってくれ!!」
全軍「お〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

早慶軍より少し遅れて東大達。
神戸「京都が見えてきましたね…。何かものすごく懐かしいです」
東大「何としても、東大軍と京大軍の全面衝突は避けねばならん!」
高医「追いつけるでしょうか…」
名大「最悪の場合、両軍の間に入って止めるしかないだろうな」
香医「厳しいですね…」

〜逃走〜
MIT「CIT、手を出すなよ!“MITキャノン連射”!!」

ドゴゴォォォオオォォォォンン!!!!!

戦闘開始15分。東北軍はほぼ壊滅状態となった…。
MIT「ハァ…ハァ…徒党を組めば、勝てるとでも思ったか?愚かな…全滅だ!」
東北「な、何て強さだ…」
九大(やはりこうなったか…。数では奴らには勝てん…)
法政(いや、東北勢は全滅できてない…。MITの奴、やはり疲れているんだ…)
MIT「(予想以上に体力を消耗してしまった…)さて、我々は出発させてもらう!これ以上、ゴミが増えるとも限らぬしな!」

MITとCITは急いでロケットに乗り込み、発射させてしまった。
MIT「さらばだ!CIT、扉を全部閉めろ!」
CIT「うむ」

ズゴゴゴゴゴ…シュボォォォォォォォォォォ…!!!!!

東北「し、しまった!」
理科大「5人…」
電通理科大、生きていたのか?」
理科大「俺の…ペットボトルロケットで追いかけろ…5人乗れる…」
お茶の水「5人ですって!?」
九大「迷っている暇はない!動ける者は乗り込め!」
咄嗟に乗り込んだのは法政、お茶の水電通、東北、九大の五人。

理科大「理科実験その2“ペットボトルロケット”!!」

プシュッ! シュバァァァァァァァァァ!!!!!

理科大「日本で死ねて…良かった…」
まもなく廃校した理科大と生き残った東北軍に見送られ、五人は最終決戦へと挑む!



〜〜
MARCに敗れた関学と関大は、満身創痍となって落ち延びていた。

関大「あれだけの兵力じゃ勝てるもんも勝てん…立命同志社の野郎はどこに行ってたんだ!」
関学「ふっ、立命なんかいても役に立ちはしなかったさ。どうせ…ゴホッゴホッ」

関大「大丈夫か?関学、この辺で休もう」

関学「ふう…関大よ、もう先に行ってくれ」
関大「何を言ってるんだ、お前も生き延びて新しいCMを撮ってくれよ!」

関学「いや、…俺はもうダメだ。そうだ、お前に全てを託そう」


関大「わかった。俺に任せておけ」
関学「…」
関大「おい、関学関学?しっかりしろ!」

関西学院大学 廃校

〜〜
関大「西宮、か…」


関大「お久しぶりです」
神女「きゃ!」
関大「!?」
神女「…失礼しました。関大さんね。そんな血まみれで…手当てをしましょう」
関大「…これは、なにぶん必死だったもので、申し訳ない、神戸女学院さん」

神女「関西学院が死んだ、と伝えに来られたのね?」
関大「!! どうしてそれを?」
神女「あなたは純情で正直な人。だから私に近づこうとはしなかった」

神女「私の婚約者が生きていたときには、ね」


関大「えぇ、その通りです。俺は、親友の遺言を伝えに来ました」
関大「『関学のチャペルで、結婚式を挙げたいと思っていたけれど、それが叶わず、申し訳ない』」
関大「『そのチャペル、そして日本庭園を君に残そう。春の桜は君に似合うはずだ』」


神女「わかりました、グスッ、関大さん、ありがとうございました」

〜〜
関大「さてと」
関大「中等部、高等部はいるか?」

関学高等部「あ、関大さん、しばらくぶりです」
関学中等部「しばらくぶりです」

関大「よう、…実はな」

関学高等部「そうですか、兄はやはり」
関大「俺も懸命に戦ったが、すまない」
関学中等部「嘘だ、そんなこと僕は信じない!」
関学高等部「中等部!僕だって信じたくない!けど、けど、関大さんは本気だ!」

関大「…遺言がある」
関大「『お前たちに教えてやりたい事はまだまだあったけれど、残念だがそれはできそうにない。すまない』」

関学中等部「…」

関大「『時計台と大学図書館を、お前たちに残そう。よく遊び、よく学べ』」

関大「今日からお前たちは、関西学院高校と関西学院中学だ」

関大「おい、その時計台を見てみろ」
関学高等部「Mastery、for、Service、確か、奉仕のための練達」

関大「それが、最後の遺言だ。関学はいい奴だった。誇りを忘れるな」

〜〜
関大「これで、一息つけるかな」
関大「ひとまず大阪に帰ろう」

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

関学「神学部は聖和大学に、その他の学部はお前に託そう」
関学「ふっ、関西大学はもっとにぎやかになるぞ」

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

関大「あのとき俺に、生きろと言ったのか、関学


関大「?あのプレハブの建物たちは」

ワイ ワイ   ガヤ ガヤ

関大「俺の、学生街があったところか」

関大「そうだ、俺にはたくさんの学生がいる」
関大「そして、家族…関大一高、一中、幼稚園」

関大「そうだ、俺は死ねない」


関大「すまんな関学、お前の仇は討てない」
関大「討ってほしかったのかどうかは、もはや知らんがな」

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

関学「そして、もう一つ」

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


関大「関西大学は新しく『中央芝生』を設置する!諸君の活気ある行動に期待する!」