0332 - 高句麗問題をわかりやすく読み解く

高句麗は中国なのか朝鮮なのか。古代の王朝をめぐる帰属問題が韓国と中国の間で争われています。
日本人にとっては高句麗なんて、日本史の授業の最初のほうで新羅やら百済やらと一緒に出てきただけの国です。668年に唐に滅ぼされた(覚え方は「ロックな老爺だ、高句麗滅亡」)という程度の知識しかなくて、「なんで今ごろそんな昔のことにこだわるわけ?」と不思議でしかないですよね。常識的に考えれば、今の中国東北部北朝鮮あたりに広がっていて、427年まで中国側に、それ以後は平壌に首都があったのだから、「朝鮮と中国、どっちの国でもないし、どっちの国でもある」というべきなのかもしれません。
しかし、です。

たとえばここに、仲の良い友達同士であるところのC子とK美がいるとして、あるとき2人で飲んでいて、過去の男遍歴の話になったとしましょう。
C子「そのときのカレ、あたしに隠れてぇ、浮気してたんよー。もーマジむかつくー」
K美「えー、うそ、サイテー。なんでわかったん?」
C子「ケータイの履歴。ヤツったらこざかしくてさぁ、相手の女の名前、「山田太郎」で登録してあんのー」
K美「ぎゃはは、山田太郎! ヤバッ」
C子「でさぁ、あるときさぁ、ケータイちょっと見してみそ、って履歴のところみたらぁ、山田太郎山田太郎山田太郎山田太郎、C子、山田太郎山田太郎‥‥」
K美「ぎゃはは、そりゃバレルっしょ」
C子「あたしもぉ、チョー激怒してぇ、ヤツとはソッコーわかれてぇ、で、名前はわかんないけど、番号わかってるからさぁ、毎晩その山田太郎に無言電話かけてやったの」
K美「ぎゃははは、チョーヤバイよ、それぇ。あーでも、あたしもぉ、昔、1カ月くらい無言電話かかってきたことある」
C子「えー、やだ、どうせ恨まれることでもしたんじゃないのぉ?」
K美「かもねー、まあ、あたしもさぁ、そのころ3マタとか平気でしてたしぃ」
C子「きゃはは、ひどい女〜、魔性〜! ね、ね、ね、もしかしてぇ、その無言電話の女、あたしだったかもぉ」
K美「ぎゃはは、やだあ、マジヤバ〜。ちなみに、そのときの男、なんて名前だったん?」
C子「タカシ。あーもう、思い出すだけでマジむかつく〜」
K美「‥‥」
C子「なにー、どうしたの、何、マジな顔して」
K美「タカシって、栗田タカシ?」
C子「えーっ、なんで知ってるのぉ? え‥‥、もしかして‥‥」
K美「‥‥」
C子「‥‥」
ということになった場合、どうでしょうか。

どうせ栗田タカシなんて双方にとっても過去の男のひとりでしかないのですし、はた目から見ればどうでもいいような問題かもしれません。しかし、当事者たるC子とK美にとっては、その栗田タカシが、
・平気で3マタかけるようなヒドイ女にだまされて去っていった、C子の元カレ
であるのか、あるいは、
・相手のケータイの履歴をチェックして、夜中に無言電話かけてくるようなネクラ女から逃れてきた、K美の元カレ
であるのか、これはもう、何としてもハッキリ白黒つけねばならぬ重大問題なのでありまして、
「ふたりにとっての元カレで、どうせ今となっては、過去の男よ」
などと笑って済ませるわけにはいかないはずです。
高句麗問題もこれと同じで、当事者の中国と韓国にとっては、思わず感情的になってしまう、切実な問題なのだと思います。