0352 - 短歌集2
変われると思う自分はいるけれど変わろうとする自分がおらず
数学は叶わぬ恋に似ています見えぬ答えに翻弄されて
背が高く広い背中にみとれてる振りむかないで夢を見させて
本当はしたいことなどないけれど無理やり決める将来の夢
買ってでもしろといわれる苦労なら僕は一杯親に売ってる
好きやでと今日も言えへんうちやけどいつか言うたる花咲かせたる
シンデレラガラスの靴をはく隙にわたし裸足であなたを奪おう
「言い寄る」をひいたら隣に「言い訳」が人の恋愛この繰り返し
将来と17歳と制服にせかされるよに生かされている
前まではとても易しいことだった家族そろって夕食くらい
周りよりゆっくり進む舟ですがあなたの言葉は私の舵です
夕焼けが沈む瞬間風が吹くどこか切ない紅の町
誰も居ぬホームの横で鳴く虫に終電知らせる夜の踏切
私の目見えなくなる日くるんだよそれでもいいとつぶやく夫
あの人に出会った時から切ってない髪の長さは時間の長さ