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かつてのドイツにおいて、首相やプロシア総督と、いった要職を歴任した凄腕政治家がいました。 名前はフランツ・フォン・パーペン。 間違いなく、それまでのドイツにおいては、偉大な政治家であった事は間違いありません。 そんな偉大な政治家、パーペンは悩みまくっていました。 その年の選挙に勝てそうにないからです。 中央政界は自分を首相の座から引き摺り下ろしたシュライヒャーが勢力を奮い、どうやっても選挙に勝てそうにありません。
「どうやったら、選挙に勝てるかなぁ・・・」
考えた挙げ句、一つの事を思い出します。
「そう言えば、前の大統領選挙の時に次点になった若手政治家がいたなぁ・・・」
聞けば、高い人気を兼ね備えているらしいのです。
「そうだ。この男を首相にって担げば、勝てるかもしれない」
パーペンの目論見は見事の成功。
この男を首相にして、パーペンは副首相として、入閣に成功。 後は、この「お飾り」の首相の代わりにパーペンが実験を握るだけです。 しかし・・・
この男、副首相のパーペンの言うことなんか、ちっとも聞きません。 次々と政策を打ち立てるのですが、どう考えてもやばそうな政策ばっかりです。
「ひょっとして、自分はとんでもない事をしちゃったのでは・・・」
気が付いた時には、既に手遅れでした。 このやばそうな政策にドイツ国民は、なぜか喚起の声で迎えています。 その声は、すぐにパーペンもとにも聞こえるようになりました。
「ハイル・ヒットラー!」