0374 - ZEROの法則;法則17

恋愛相談をしてきた女に恋愛感情を抱くと九分九厘裏切られる

シチュエーション


 ホームページ「みんなのチャットルーム」にある「仲良しチャット」に出入りしている男女。男のハンドルは「KENJI」でかなり真面目なタイプ、女のハンドルは「きょうこ」で誰とでも気軽に打ち解けるタイプ、二人とも普通の会社に勤めている。
 最初は単なるネット友達という間柄であった二人だが、ある日、チャットで二人っきりになったとき、女が男に恋愛相談をしてきた。それは半同棲している彼氏とうまくやっていけないというもの。男は彼女を精一杯励まし、翌日、彼の元に女からメールが届いた……


メール1通目「ありがとう」・女:
KENJI君、昨日のチャットでは本当にありがとう。
すっごく勇気づけられました(*^^*)

彼はちょっとのことで暴力を振るったり、家を出ていったり、あたしはそんな彼に対して、どういう態度を取っていいのかわからないので、ここのところ毎日毎日落ち込んでいました。

でも、KENJI君とチャットで話していたら、なんだか楽しくて、嫌なことを忘れることが出来ました。

本当にいつか会えるといいですね(^^)

メール2通目「元気になってよかった\(^^)/」・男:
きょうこさん、こんにちは(^o^)

おいらの言葉が少しでもきょうこさんに届いたみたいなんで、嬉しいです♪
なんかさ、おいらもきょうこさんの気持ち、わかるんだ。
おいらの女友達(あくまでも友達だよー(^^;))も情緒不安定なところがあって、いつも泣いてて・・・。やっぱ彼氏とうまくいってないらしい(--;)

もし、きょうこさんさえよかったら、今度遊園地とか行かない? あ、別に下心とかじゃなくて、おいら、きょうこさんのことを励まして、楽しませてあげたいって思ってるだけだから(^^ゞ

迷惑じゃなかったら、返事下さい。

それじゃまたね(^^)/~~

メール3通目「うらやましい」・女:
御返事ありがとう。どうしてだろう、KENJI君からのメールを読んでいると、心が落ち着いてくるのがわかります(*^^*)

KENJI君の友達さんも、ものすごくつらいんだろうね。
でも、彼女はKENJI君みたいな友達想いの友達を持って、幸福者だと思います。
はぁ〜、あたしの側にもそういう人いないかなぁ......

遊園地、行きたい!! ぱーっと遊んで嫌なことを忘れたい気分です。

メール4通目「遊園地」・男:
きょうこさん、こんにちは(^o^)

それじゃ、遊園地行こう! ディズニーランドはちょっと遠すぎるかな? でもおいら行ったことないから(^^ゞ 是非、きょうこさんと一緒に行きたい\(^^)/

なんていうか、きょうこさんのこと、守ってあげたいと思っています。
おいらときょうこさんは、こうやってメールやチャットで話すだけだし、一度も顔を合わせたことないけど、それでもきょうこさんのこと、大切な人だって思ってるよ。

あ〜、言ってしまった・・・けど、後悔してないから(^^ゞ

思えば、一カ月前、初めてチャットで会ったときはサッカーの話なんかをしていただけなのに、まさかそれから、こんな展開になるとは自分でも思っていなかったよ(^^;)

それじゃまたね(^^)/~~

メール5通目「とまどっています」・女:
メールありがとう。

KENJI君からのメールを読んで、とまどっています。
困っているからとか、嫌とかじゃないの。
彼がいるのに、他の男の子からのメールでこんなにドキドキしている自分にとまどっているの。

KENJI君の、あたしを守りたいっていう気持ち...素直に嬉しいです(*^^*)
そういうことを言われたのって久しぶりな気がする。彼氏はそんなこと絶対言ってくれない。

ディズニーランドいいね(*^^*)
友達と1年前に行って以来だよ。なんだか懐かしい...

メール6通目「来週の土曜日は?」・男:
きょうこさん、こんにちは(^o^)

おいらがきょうこさんの彼氏だったら、毎日でも言うよ。俺がずっと守る! って。だって、ほんとの気持ちだから(^^ゞ

ディズニーランドに行く日、来週の土曜日でどうかな? きょうこさん、土日休みだったよね。おいらも土曜は休みなんだ。
もし都合悪かったら、言ってきて下さい。
あ、電話でもいいよ。おいら独り暮らしだから大丈夫!

****−**−****

です!

明日、定例チャットだよね。
またきょうこさんとチャット出来るのが楽しみ\(^^)/

それじゃまたね(^^)/~~

そして翌日の定例チャット

KENJI:こんばんは\(^^)/>ALL
  出目金:やう>KENJI
  ととろ:こんばんはー!>KENJI
   瑞紀:おひさ〜>KENJI
 まゆまゆ:こんばんは(*^^*)>KENJI
 きょうこ:こんばんは>KENJI
   瑞紀:ねーねー、KENJI聞いてよ
KENJI:ん?>瑞紀
   瑞紀:きょうこが彼氏にとうとうプロポーズされたんだって!!
 きょうこ:まだ指輪くれただけだって(*^^*)>瑞紀
 まゆまゆ:それって、婚約指輪なんでしょ?>きょうこ
 きょうこ:んー、一応、そんな感じかなぁ?(*^^*)>まゆまゆ
  出目金:きょうこおめでとう! そうかー、やっときょうこにも幸せが
  ととろ:俺も相談に乗ったかいがあったよ、彼氏とのこと
 きょうこ:うん、みんなありがとう(*^^*)
  出目金:前に、僕の所に電話くれたときは別れるとかいう話をしていたのに(笑)>きょうこ
 きょうこ:うん、あの時は本気でそう思っていた(^^;>出目金
 まゆまゆ:ねー、結婚式には呼んでよね>きょうこ
 きょうこ:まだ早いよー(^^;>まゆまゆ
   瑞紀:あたし、てんとう虫のサンバをまゆまゆと唄う(爆)
 まゆまゆ:うわ〜、定番!!(笑)
  出目金:きょうこ、今、幸せ?
 きょうこ:うん、もう最高に幸せ(*^^*)>出目金
  ととろ:ひゅーひゅー!!
 きょうこ:彼が、来週の土曜日にあたしの両親に挨拶するって
 まゆまゆ:きょうこ、ちゃんと彼をサポートしてあげるんだよ
  ととろ:彼氏、緊張するだろうなぁ
 きょうこ:大丈夫、ちゃんとしつけておくから(笑)
   瑞紀:(爆)>きょうこ

 お知らせ:KENJIさんが退室しました。

 悲惨である。こういう例はネットに限らず、現実社会でも結構あるものだ。
 私の経験上、特別親しくない女が恋愛相談を持ちかけてくる場合、彼女は私一人に言っているわけではなく、彼女の周りにいる男全員に言っている可能性が高い。こういう女性は、とりあえず自分の一時の寂しさが、他人と話すことによって解消されればよいのであり、大して思い入れのない相手にも平気で相談(という愚痴)を仕掛けてくる。
 ここで男としては、彼女の相談をさらっと受け流せればいいのであるが、もともと相手に好意を持っていた場合など、「自分は彼女の相談相手に指名された」=「彼女にとって自分は特別な人なんだ」という重大な思い違いをしてしまい、あるいは「ここで俺の、男としての価値を見せつけなければ」と意気込んでしまい上のようなことになってしまうのである。
 例に出てくる彼女も対応馴れしており、一言たりとも、あなたと一緒に行きたいとは書いていない。ただ、ディズニーランドに行きたいと書いているだけだ。なんという巧みな文章表現だろう。
 更に言うならば、付き合って結構経つ彼氏とのことを、知り合いの男たちに相談する女性は「これからもそういう彼氏を支えていきたい」「そこにあたしの存在価値がある」んだけど、「でもたまには、男から優しい言葉を掛けられたい」わけであり、恋愛相談を受けた男が「別れた方がいい、俺だったら守ってやれる」と口説いたところでもともとそんなつもりはあまりないというのが現実だ。
 こういう女から仕掛けてきた疑似恋愛に乗ることは極めて危険な行為であり、ほぼ100%の確率で時間の無駄遣いに終わると言える。