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十六日午前十時五十分ごろ、甲府市北部の住宅街にイノシシが現れ、追っ手をかいくぐり、
タクシーやバイクなどと接触を繰り返しながら約一時間にわたって逃走。最後は市内の会社
員男性(29)が、持っていたノートパソコンで頭をたたくなどして応戦、ようやく“御用”となった。
北新小近くにいたイノシシを通行人が発見して一一○番通報。甲府署員や市職員が捕獲に
向かったが、イノシシは国立甲府病院前の県道でタクシーを含む車数台と、北口一丁目の市
道でバイクと接触するなどしながら南へ逃げた。
同十一時五十分ごろには武田三丁目のアパート前の市道に出現。歩いていた男性(29)
に突進したが、男性は持っていたパソコンで応戦し、馬乗りになって押さえていたところに
別の男性も駆け付け、捕まえた。
イノシシは雌で体長約一メートル、体重約四○キロ。車と接触した際に負ったとみられる
左目の傷から大量に出血し、間もなく死亡した。
小林家畜医院(同市丸の内二丁目)の小林君男院長によると、この時期は山に餌が豊富に
あるため人里に下りてくるケースは珍しいという。
捕獲現場にはイノシシを見ようと住民らが集まり一時騒然となった。捕まえた男性は
「市街地でイノシシと格闘することになるなんて」と驚いた様子だった。