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とある大学の医学部での話。その日は解剖実習が行われていた。解剖と言ってもカエルの解剖とはわけが違う。その日解剖されていたのは、献体された人間の遺体であり、その実習に参加している学生たちにとっても、人体解剖は初めての経験だった。
さすがに皆緊張していて、室内に重苦しい空気が立ち込めていた。それを見かねたクラスでもムードメーカー的存在の学生が、切り取られた遺体の耳をおもむろに手に取って壁の方に向かって歩いていった。そして……。
「壁に耳あり!」
この学生は後日、退学処分となった。