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元首は,国の金庫がもうカラッポなのを知った。さっそく閣議を招集した首相は,財務大臣のソルト爺に問うた。
「いったいどういうことなのだ。あれだけ税金を集めたのに,国庫はカラではないか」元首は,閣僚達を見渡した。「誰か横領をしているのではないか?」
答えに窮したソルト爺は大臣達と相談し,あるものを秘書官に準備させた。
「それでは,数分ほどお待ちくだされ」ソルト爺は声を発した「ただ今証明いたしましょうぞ」
ソルト爺は,準備した氷の固まりを法務大臣に渡した。法務大臣外務大臣に渡し,氷の固まりは,次々に大臣たちの間を回っていった。そして最後に元首に手渡された時には,氷の固まりは殆ど融けてしまっていたのである。
「というわけで・・・これと同じ仕組みで税金は無くなるのですじゃ」