0215

1904年の日露戦争の際に、ロシア正教会は全教会をあげて 日本に天罰を下すように神に祈りをささげた。
結局なにも天罰は降りず、ロシアは負けた。 19年後の1923年日本で関東大震災が発生。
ロシアの物理学者カピッツァはこの事実から 「神はわれわれから10光年以内にいる」と結論を下した。

0217

「とりあえずサーバー?に/testディレクトリを作って、その下に置いておきましたので、よろしくご査収ください」
 サーバーが疑問形になっている。黙読していた私の脳裡に、若い人が好んで使う半疑問文の語調が響いた。
「サーバー? みたいな。ご査収ください? って感じ」
 無骨な正木氏がそのように話しているイメージを思い浮かべ、私は端末の前で思わずくすりと笑った。まあ、実際のところは、サーバーといっても本稼動用とは別のテスト環境だったので、そのニュアンスを出すための疑問符なのだろうけれど、と納得しながら。
 ところが、次のメールで疑問符の謎が解けた。そういうことではなかったのだ。
「(ばた){2}しておりまして、対応が遅れましたことをお詫びいたします」
 あ、正規表現だ、と私は思った。正規表現とは、コンピュータで文字列を処理するとき、より柔軟に表現するための手段である。たとえば「ウィンドウズ」という語を検索したいのだが、もしかしたら対象文書の中では「Windows」と表現してあるか もしれない、という場合「(ウィンドウズ|Windows)」という正規表現で検索すればどちらでもマッチしてくれる。
そして、正規表現では{n}は直前表現のn回繰り返しを表わす。正木氏は「ばたばたしておりまして」を正規表現で書いていたのである。ここにおいて、ようやく「サーバー?」の意図が判ったのである。
つまりこれも正規表現だったのだ。?は直前表現、この場合は長音符号「ー」、が「あってもなくてもよい状態」を作る。すなわち、「サーバ」でも「サーバー」でもよい、という意味だったのである。 理系の人間は、外来語の最後の長音を省いて表記することが多い。コンピューターではなくコンピュータ、プリンターではなくプリンタ、そう表記するのである。しかし、音節が少ない単語でこれをやるとちょっと不自然になってしまう。コーヒーをコーヒとやったり、クーラーをクーラとやったりするのがおかしいのは誰にでもわかるだろう。私はコンピュータとは表記するが、サーバという表記にはちょっと違和感を感じているのであるが、おそらく正木氏も同じ感覚の持ち主であり、しかしサーバーと伸ばすのがよいという確信もなかったので、曖昧に「サーバー?」とやったのだろう。
「なるほど」私は、深深と肯いて感心しつつ、驚嘆した。「変わった人だなあ」ところが正木氏の変人ぶりは、この程度ではなかった。しばらくして、また彼と打ちあわせに同席することとなったのだが、仕様について説明していた正木氏の口から飛び出した言葉に私はのけぞった。
「ですから、ここでパラメーハテナターハテナにWを指定して起動すると」パラメーハテナターハテナ。なんじゃそれは。はてな。私はペンを持ちなおすとレジュメの余白にその言葉を書き落としてみた。
「パラメー?ター?」ふうむ。 パラメーターとは媒介変数のことだが、コンピュータでは
プログラムや関数に与える引数の意味で使われる。ところで日本工業規格の表記では長音符号は随分省かれるからこれは「パラメタ」となる。英語のparameterはむしろ「パラーミター」に近い発音だから「パラメタ」はやりすぎだと私は常々思っていたのだが、正木氏もそうだったのだろう。好きな方で解釈してください、というつもりの発言なのだった。
それにしても、なんとまあ、彼は口頭でも正規表現を使う人であったのだ。愕然としていた私に気付いたのか、隣に座っていた正木氏の部下が、にやりと笑って耳打ちした。「彼、変わっているでしょう。いつもああなんですよ」彼が小声で教えてくれたところ、どういう信念のもとにや、正木氏は正規表現の信奉者であるらしいのだ。今の会社にエンジニアとして中途入社してきたときには既にそうだったようで、いかなる原因が彼をそうせしめたかは謎に包まれているらしいのだが、とにかく正木氏は日常生活においても正規表現を使のであった。

 たとえば、NT系列でないほうのウィンドウズを総称するとき、私は面倒臭いので「ウィンドウズ95系の」などと言う。

だが、正木氏は、「Windows(9[58](SE)?|Me)」と表記し、口頭でも「ウィンドウズ括弧キュー鍵括弧ゴーパー鍵括弧閉じ括弧エスイー括弧閉じハテナ縦棒エムイー括弧閉じ」などと言うらしいのだ。これでは「ウィンドウズ95SE」などという存在しないOSにもなってしまいそうなものだが、正木氏に言わせると「存在しないんだからマッチしないので大丈夫」なのだそうだ。細かい性格なのか大雑把なのか、よく判らない人である。
 それにしても、話すときにまでこれをやられると、理解しにくくって堪ったものではなかろうと思うが、正木氏は仕事ができる人なので少々の奇行にはみんな目をつぶっているのだそうだ。正木氏は外国の人名をナカグロで区切る一般表記と「=」で区切る教科書表記のどちらがよいか 決めかねているらしく、「スティー[ブヴ][・=]ジョブズ」などと書く。極め付きは何かの折り三銃士の話題になったとき、「((ア(ト|ラミ))|ポルト)ス」とやったのだそうだ。そんなの正規表現考えるよりは、普通に書いた方がはやいと思うのだが。
「す、凄い人ですねえ」私はやや引き攣りながら言った。
と、その時、身振り手振りを交えて喋っていた正木氏が、勢い余ってがつんと会議机の角に掌をぶちつけて、叫んだ。
「痛プラス」
+は直前表現の1回以上無制限の繰り返しを意味する。「いた+」、すなわち「いたたたた……」である。こんな事態にすら正規表現を使うとは。「うむ{3}、正木氏は本物だ」
 私はついつられて正規表現で感心してしまった。

0218 - 劣化ウラン弾について

A :
多分「劣化」という言葉がいけないんだよ。 「自然の」とか「手作り」だったら
絶対オッケー。

B :
たしかに「劣化ウラン」より「純粋ウラン」とかの方が きれいで安全な気がするな

C :
リサイクルウランではどうかな?

D :
この弾丸には再生ウランが使用されています。

0220 - 恐怖の組織

殺人・傷害・窃盗・強姦・密輸などなど、様々な犯罪に関わる巨大な組織。「犯罪あるところに、この組織あり。」と言っても過言ではない。名前は違うが、同様の組織が日本だけではなく世界中に存在する。

日本では禁止されている銃器を数多く所持し、時々それを使用してはニュースなどで大きく報道され問題になることもある。また銃器だけではなく鈍器のようなものも携帯し、町中を徘徊している様を見掛けた人も少なくはないだろう。

また、黒や白の自動車に乗っては騒音を出しつつ赤信号を突破したり、他人の車を停車させ、何ヶ月も運転ができないような仕打ちをしてくることもある。

日本では警察【けいさつ】(団体・組織)と呼ばれている。

0221 - 封印されし・・・。

俺は小学生の頃ジャンケンでグーしか出さなかった。みんなになんで?と不思議な顔をされたがグーしか出さなかった。もうずっとグー、ひたすらグーだった。しまいにジャンケン馬鹿とまで言われたがそれでもチョキやパーには浮気しなかった。

そんなんで5年がたったある日、給食でプリンが余った、プリンと言えば小学生の憧れのデザート、欲しくない奴などいるハズも無く、当然公平に勝負という事になった、ジャンケンで。皆俺の方を見てニヤニヤしている、そしてガリ勉の学級委員長が合図をかける。

「最初はグー!ジャンケン ポン!」

その時俺は初めて封印されしチョキを使った。