法政の逆襲22〜底なしの沼〜

京大「ICU…貴様の偉大なる力、私が引き継ごう」
ICU「………?」
京大「ハァァァァァァァ!!!!!」
京大がICUからエネルギーを吸収する。そして、辺りが光り輝く。

ブワァァァァ…

光が無くなると、そこには京大が立っていた。勿論、その姿はおぞましいものであった。
京大の周囲には、ICUに吸収された大学の干からびた死体が落ちていた。
しかし、例外もあった。ICUと同志社同志社女子は干からびてはいなかった。

京大「このタイミングを待っていた。ICUの力を全て手に入れるタイミングをな…」
これを見て、阪大が基地から飛び出してくる。しかし、血を吐いて倒れる。
阪大「ぐはァ…!」
京大「お前を刺したナイフには遅効性の毒が仕込んであったのだよ。
   見込みがあるようならば、解毒を施し、生かしておくつもりだったがね…」
阪大「京大…もはやお前を攻めん…」
あえなく阪大も廃校となった。

周囲の大学は一気に騒然となった。
京大「なかなかシビアだった…。一歩間違えて、ICUを殺してしまったら、全てが終わりだ。
   東大などと組むなど吐き気がしたが、手段を選んでいる場合でもあるまいしな…」
ICU「ううう…同志社同志社ぁ…」

ズンッ

京大はもはや戦う力が残っていないICUを踏みつけ、殺した。
京大「ICUにも悪い事をしてしまったようだ。まぁ、彼に報いるためにも…
   私は彼の遺志を継ごうと思う。この力を得た今、日本の大学は京大だけで充分なのだからな」

周囲の大学は絶望に沈む。しかし、生き長らえた同志社の瞳には光り輝くものが宿っていた。



〜〜
――その頃の千葉大

「・・・俺は、俺って男は・・・」

パイ毛を処理したことをはげしく後悔していた。



〜〜
京大「ふははははは……」

高笑いをしている京大をよそに同志社は何かを決意したような顔をしていた。
同女「同志社さん…」
同志社「ICUの敵をとる」
同女「わかりました。私もついていきます」
愛教「待ってください、私も行きます。静岡の意志を無駄にしたくないわ」
三重「俺も行きます。ICUさんの敵をとってやる」
同志社「みなさん…。ありがとうございます」

一方、京医は神戸の残したナイフをまじまじと見つめていた。
京医「もしかしたら、これで…!」


〜京大の欲望〜
同時に動き出す同志社達と京医。だが、東大がそれを制する。
東大「待て、お前達。ここは私でなければならない…」
同志社「無理です!奴は強い…ICUよりも…」
京医「…私にお任せを!秘策があるのです!」
東大「ここだけは譲れないのだ…頼む、譲ってくれ!!」
東大の必死な姿に一同は言葉を失う。そして、東大は単身京大のもとへ向かう。

東大「京大…これがお前の望みか」
京大「ああ…関東での戦い以来か」
東大「何故私との戦いを望む?」
京大「お前を殺し、京都が…京大が日本一となる!これだけの為に突き進んで来たのだ。
   そのためには何もかも利用する覚悟を決めていた…阪大ですら駒に過ぎなかった」
東大「迷いはなかったのか…?」
京大「あったさ。大いに迷った。事実、つい先程まで、迷っていたのだから」
東大「………」
京大「だが、久々にお前とタッグを組んで確信した。“こいつと戦いたい”とな」
東大「お前との決着は私もつけたかった。が、ここまでする必要はあったのか?はっきり言おう、お前は狂っている」
京大「狂ってなどないさ。“欲望を満たす”…ごく自然の行為と思えるがな…」
東大「しかし、ここまでの犠牲を出す必要はなかった!!」
京大「だが、もし平和な世に、東西の代表である私とお前が決闘などしたらどうなる?結局戦争だ」
東大「………」
京大「もういいだろう。正々堂々決着をつけよう」

お茶の水「ちょっと待って!どこが正々堂々なのよ!!」
中央「そうだ!お前はICUの力を奪いパワーアップしてるが、東大さんは傷ついている!」
東北「京大…そこまで墜ちたか!」
法政「ハンデとして、京大さんには100キロの重りを…」

ゴッ

法政は気絶した。

〜一瞬〜
京大「利用するものは利用する、と私は申したばかりなのだがな。
   道ばたで誰かに襲われた時、近くに棒きれが落ちていたらどうするね?
   武器は卑怯だと、素手で相手を迎え撃つかね?迷わず拾うだろう…棒きれを」
東北「そ、それは緊急の場合じゃないか!」
京大「では、受験生はどうだ?期日が迫っているのに勉強しないバカはいまい。
   勉強すると、公平性が欠けるのか?」
東北「受験と決闘を一緒にするな!」
京大「同じだよ。少なくとも、私には…」
東北「うう…」
京大「私は東大との戦いのため、日夜修行を重ねてきた。そして、反乱を起こした。
   その時、東大と一度戦った。結果は…引き分け」
東北「………?」
京大「普通の方法では勝てない、と悟った。だから、部下、親友、七部神、ICUと様々なものを利用した」
東北「先程の受験を返すが、それはカンニングじゃないか!正々堂々とは言えない!!」
京大「試験ではカンニングは禁止されている。決闘にルールはあるか?
   “他人の力を奪ってはいけない”というルールが!!不正もクソも無い」
東北「しかし…!」
東大「もういい、東北大。私も受けるつもりだ“正々堂々の決闘”をな…」

もはや、誰も水を差すものはいない。東大と京大、二つの大学が向き合った。

京大「行くぞ、東大!」
東大「来い、京大!」


     ドゴッ!!


勝負はその一撃で決まった。


〜〜
 誰もが固唾をのんで見守っていた。
 東大、京大。両者の激突により舞い上がった砂埃により、視界は遮られた。

 京医は神戸と神医の形見を握りしめた。
 同志社はICUの顔を思い浮かべた。
 同女は同志社の手をきつく握りしめた。
 お茶の水女子は一橋に祈った。
 愛教と三重は静岡の微笑みを思い返した。
 慶応は重体の早稲田を気にしていた。
 法政は未だ気絶している。

 そして、そこにいる全員が東大の勝利を祈っていた。


〜無常感の克服〜
やがて、砂埃が晴れていく。中には二人の男が立っていた。
東大「腕を上げたな、京大!」
京大「お前こそな!」

京大の姿は元に戻っていた。今の激突で、ICUから奪った力を失った為だろうか。
東大「またお前と戦いたいな」
京大「そうだな…」
東大&京大「ハッハッハ…!」

一同は唖然とした。引き分け、予想外の結末だった。二人の決着はつかない運命なのだろうか。
しかし、そうではなかった。
京大「どうした…?」
東大「お前の…勝ちだ…」

ドサッ

東大は倒れた。京医がすぐさま駆け寄る。
京医「…!おい、動ける医大は早く来い!!」

生き残ったわずかな医大が東大の周りに集まる。そして、慌ただしく作業を始めた。
医学の専門用語が嵐のように飛び交う。

その中で、京大はただ立っていた。微動だにしていない。
京大「全ての生物には目的がある…それが“死”だと言う者もあるが、そんな事はどうでもいい。
   もちろん、目的を果たせる者は少ない。多くの者は“能力不足”が原因だと思っているだろう。
   しかし、そうでは無い。本当の原因は“目的を果たした時の無常感”への恐怖なのだ。
   それを恐れるゆえ、無意識のうちに手加減をしてしまう。それが原因なのだ…」
静かに、息継ぎもせず、言い放った京大は更に続ける。
京大「私はその恐怖に打ち勝ち、目的を果たした。そして、予想通り私は無常感に襲われている…
   それを消す方法はただ一つ。“次の目的を定める事”しかない…」
京大は周囲の大学を見回し、言った。
京大「貴様ら全て殺す」

〜機械〜
京大はまるで生気を失ったような顔つきだった。そして、ゆっくりと歩き出す。

同志社「同女、俺の後ろへ!」
愛教「何て殺気だ…!」
三重「はっきり言おう、俺は今の京大が一番怖い…」
慶應「早稲田、待っていろ。すぐ終わる」
お茶の水「ちょっと、いつまで寝てるのよ!!」
法政「…ん、ああ…」

京大「何かをやり遂げるとは…かくも悲しいものなのだな」
突如、京大が異様な目つきで襲いかかる。近くの医大達が目に入ってないのはせめてもの救いだった。

京大「まずはお前だ…」
慶應「クッ!」

ガギッ!!

京大のパンチを慶應は何とかガードした。ダメージはさして無い。
慶應(やはり、京大は弱まっている。が、なぜだ!?まるで勝てる気がしない!!)

ドゴン!!

慶應が反撃に蹴りを浴びせる。京大はガードする間もなく、吹っ飛んだ。
中央「さすが慶應さん!」
東海「これは決まりだろう…」

しかし、京大は何事もなかったかのように、立ち上がる。血を流しながら、不気味に微笑んですらいた。
辺りはざわめく。決して強くはないのに、絶望を周囲に与える相手は初めてだからだ。

京医は東大の治療をしながら呟く。
京医「彼の運命は決まっていたんだ…東大を倒したその瞬間に…。
   もう彼は、目的を達するのが目的のマシーンだ…死ぬ事もなく、ひたすら無常感を味わい続ける…」

最終章 〜不死身〜
京大「こんなものか…?慶應よ…」
慶應「クッ…」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!

慶應は京大を殴り続けた。やがて、慶應は殴り疲れ、京大から離れる。
慶應「ハァ…ハァ…」
京大「どうした?私はまだ生きているぞ」
慶應「バカな…その傷では死んでるはず!」
京大「だが、現に生きている…」

法政「東北さん、一体なぜ!?」
東北「いや、京大の異常なまでの生への執着心が奴を死なせないのだ。信じられん…」

殴られ続け、傷だらけになりながらも笑う京大と、圧倒的に攻めながら、徐々に心も体も蝕まれる慶應
慶應「まさか…不死身なのか!?」
京大「さあな…」
慶應「くそォォォォォ!!!!!」
京大「京都伝統流奥義“応仁の乱舞”!!」

ズドドドォォォォン!!!

慶應「ぐおォッ!!」

慶應が倒れる姿を見て、嘆く京医。
京医「誰も勝てない…少なくとも彼を殺すことは不可能だ。七武神でも無理だろう…
   おそらく、腕を切っても、心臓を吹っ飛ばしても、死ぬまい…」

京大「さあて、次は誰にするか…」
次の標的を満面の笑みで選ぶ京大。その笑みは血まみれ、傷だらけの肉体とは、あまりにもかけ離れていた。

最終章 〜無力〜
京大「お前だ…法政」
法政(おいおい、俺かよ!)
京大「フハハハハ!一介の私立の貴様が私の手で死ねるなど、滅多に無い事だぞ!」
法政のもとへひた走る京大。
法政(ダメだ…死ぬ!)

ガンッ

同志社「法政ィ!!」
お茶の水「いやあああ!!」
三重「もろに顔に入った…!」
東北「しまった―――――」

法政「あれ?」
京大「どうだ!フハハハハ!!」
京大は法政を殴り続ける。だが、その威力は赤子並みと言っても差し支えがなかった。

ガンッ ゴンッ バシッ ドカッ ベシッ

京大「なかなかタフじゃないか…だが、まだまだ!!」
法政「………」
京大「手も足も出せぬか?それも仕方あるまい!」
法政「きょ、京大さん…」

同志社「さっきの慶應への技が、最後の力だったんだ…」
東北「もう京大にあるのは、生への執着のみだ…。法政…」

『 京 大 を 楽 に し て や る ん だ ・ ・ ・ 』

法政「そんな…」
京大「どうした!?まだ死なないか!!」
京大はまだ法政を殴っていた。撫でていた、という方が正しいだろうか。

最終章 〜戦争終結
バゴッ!!

法政のパンチが京大に当たった。
MARCHを解雇された法政と、反乱を企てる京大が出会ったあの日には、かすりもしなかったパンチが当たった。

京大「その程度か!!」
法政(ダメだ…死なないんだ、この人は…)

東北「休むな、攻撃しろ法政!」
法政「無理です!俺には…!」

その時、同志社が法政と京大の間に立った。
同女「同志社、何をするつもり!?」
お茶の水同志社!」
東北「同志社!」
京医「同志社!」
三重「同志社!」
愛教「同志社!」
法政(なるほど、法政と同志社で“報道”というわけか!!)

同志社「京大さん…俺はあなたを許しません。多くの部下を見殺しにし、ICUまでも殺した…」
京大「………」
同志社「ですが、俺は同じ京都生まれとして、あなたを尊敬しています!!」
京大「………」
同志社「あなたは誇りでした…阪大さんや立命館もこの思いは同じなはず!」
京大「………」
同志社「少し、休憩しましょう…」

京大「そうさせてもらうか」

そう言い残し、京大の体は静かに横たわった。



最終章 〜その後〜
京都府立医科大学附属病院―――――
とある二人が同時に目を覚ます。

ガバッ

東大&京大「ここは…?」
東大「あ…!」
京大「な…!」
しばしの沈黙が流れる。そこへ京医が入ってくる。
京医「目が覚めましたか…」
東大「そうか…お前が…」
京大「………」
京医「喋らなくて結構です。今はお休み下さい…」

『先生〜〜〜!!』

京医「ん?」
看護婦「大変です、また早稲田さんと慶應さんが喧嘩を…!」
京医「やれやれ…あの二人も元気な事だ…。では、また後ほど…」
京医は病室を出て行った。

東大「………」
京大「………」
その後、どちらから話しかけたのだろう。どんな会話をしたのだろう。
そんな事は問題ではなかった。この二人がベッドの上で会話をした。それだけで充分ではないだろうか。

法政の逆襲21〜豹変〜

北大と樽商を踏みつけ、高笑いするICU。
CIT「誰か、通信機を持っていないか!?」
電通「そんなもの、どうするんだい?」
CIT「ICUの父親、スワースモアと連絡を取る。彼なら何か知っているかも…」
ICU「残念ですが、もう彼はこの世にいない…」
CIT「何だと!」
ICU「先程、スワースモアは思念を飛ばし、私を精神世界へと誘い込んできました。返り討ちにしましたがね…」
CIT「くっ…!あのスワースモアの精神力をも上回るとは!」
法政「思念?精神世界?…いったい?」
CIT「私やMITが科学力で戦うように、スワースモアやアマーストは精神力で戦う。
    並の大学なら、スワースモアに思念を送られるだけで狂い死にしてしまう…」
ICU「しかし、私は生きている。精神から攻めても私は倒せないのですよ」

絶望が周辺を包む。
ICU「情けない事です。これほどの数でも私を傷つける事さえままならない…」
豊橋「その通りだ!」
岐阜「ICU様に素直に従うのだ!」
名工「道は一つ!」
中央(チッ…あの三人、神官気取りかよ…)

ブオオオオッ!!!

ICUが手から出した光で三校が消えていく。
岐阜「う、うわあ!」
名工「な、何で…」
豊橋「あんたが俺達を呼んだんじゃないか…!」

甲南「自分で連れてきた援軍を殺しやがった…」
慶應「従っていた者まで殺すとはな。ICU、お前はただの殺人狂だ!!」
ICU「日本に大学は一つでいい。そう、たった一つでね…」

〜ICUの爆弾発言〜
ICU「日本はこの私、国際基督教大学だけで充分!」
九大「バカな…!」
東北「お前はいいが、困るのは受験生だぞ?どうやって日本全国をカバーするんだ!!」
ICU「最初のうちは仕方ありません」
東大「最初のうち…?」
ICU「どんどん増やしていきます。子孫をね…」
京医「子孫?女子大だけ生かしておいて、子供を産ませるのか?」

その瞬間、女子大から相次いで非難の声が出る。
お茶の水「ふざけんじゃないわよ!舌噛んで死んでやるから!」
京女「嫌どすえ」
本女「誰があんな奴の子なんか…」
東女「どうせなら慶應さんと…じゃなくて、死んでやるわ!」
奈良女「私も死にます」
法政(ICUも恐ろしいが、女も恐ろしい…くわばらくわばら…)

ICU「安心したまえ。私は紳士だから、心配しないで欲しい」
法政(そういう問題か…?)
ICU「自分の子孫は自分で作る、という事ですよ…」
東大「何ィィィィィィィィ!!!???」
法政(東大さん、驚きすぎ…)
ICU「私が先程大学を吸収した時、女子大も混ざってました。ようするに、私は男であり女でもあるんですねぇ…」
京医「雌雄同体という訳か…」
ICU「そんな単純な言葉でくくれる存在ではありませんがね」
慶應「そんな事が許されると思うのか!!」
ICU「大学が一つになる以上、もう学歴差別は起こりえません。全員同じ大学なのですから…
    もちろん同じ大学でも学部間での格差は存在します。この際、学部はなくしてしまいましょう」
中央「学部が無くなったら、メチャクチャになるぞ…」
ICU「好きずきに学べば良いのです。好きな事をね…無論、常識の範囲内でですが…
    どうしようも無い学生には消えてもらうシステムです。そこは非情になりませんとね。
    まあ、便宜上学部名をつけましょう。“平和学部”とでも名付けておきましょうか」

〜神戸の形見〜
自分の計画を語り終わり、再び恍惚とした笑みを浮かべるICU。
周囲の大学はただ呆然としていた。絶望の為か、ICUの無茶な思想の為か、それぞれの理由で。
ICU「…どうしました?すっかり静まってしまって…」
東大「(ここは私が先頭を…)私が相手を―――――」
CIT「待て」
東大「CITさん…」
CIT「お前は死んではならない。この場で奴をまともに相手出来るのは私だけだろう。
    私が戦っている間に…対策を考えてくれ」
東大「分かりました…」
CIT「私が相手をしよう。“CITナパーム”!!」

ズドォォォォン!!!!!

ICU「(クッ…七武神だけあって、大した威力だ…)面白い、まずは君からにしますか」

京都軍基地内部―――――
京大「設置終了。よおし、奴らを皆殺しにしてやる…」
京大は兵器についているいくつかの装置をいじり、エネルギー充填を開始した。
京大「やっと…やっと京都の時代が…」

外ではICUとCITの戦いが続く。
京医「く…ICUが押しているな…」
京医は手を握りしめた。その時、手に痛みが走る。
京医「つッ!これは、神戸のナイフか…妙な形だが…(ん?何か書いてある…)」



京医( こ れ は ! ! )


〜当たって砕ける〜
奮闘空しく、ついにCITも力尽きる。
CIT「く…ここまでか…」
ICU「あっけないですねぇ」

東北「このままじゃ…」
九大「………」
東北「私は行くぞ。あいつは戦友なんだ」
九大「待て」
東北「なに?」
九大「私だけで…いい…ゴホッ!」
咳をした九大の手には、大量の血がついていた。
九大「言ったろう?俺の命はあと一日。もうどうしようも無いのだ」
東北「だが、医大達に診せれば…!」
九大「いいんだ。九州の大学は全滅してしまったし、もうこの世に未練はない…。
   最初で最後の宇宙旅行も出来たし、なかなか良い一日だった…」
東北「よせ…」
九大は京都軍基地に向かって叫ぶ。
九大「京大ッ!!お前は俺を利用していたつもりだろうが、なかなか楽しめたぞ。
   ありがとうよ!!」

九大はICUへたち向かっていく。
九大「うおりゃああああああ!!!!!」
ICU「さっきから皆さん、よほど自殺が好きなようですね。美徳とでも思っているんでしょうか?

ドガァッ!

九大「きゅ…うしゅ…う…」
これが九大の最期の言葉となった。

〜CIT最後の光〜
CITが電波を使って話しかける。理系同士だから出来る芸当である。
CIT『電通…頼みがある…』
電通『なんでしょう?』
CIT『一瞬でいい…奴の動きを止めてくれ!』
電通『分かりました』
CIT『最後に私が日本の味方になった真の理由を教えよう…』

ICU「次は誰にするか…なッ!?」
電通「“弛緩電波”!」
ICU「筋肉が思うように動きませんね…だが、これしきで…」
その隙にCITがICUの懐に近づく。
ICU「しつこいですね…」
CITは自分の手で自分の胸を貫いた。大量の血が流れる。
ICU「また自殺ですか?しかも、正真正銘自らの手で…」
CIT「私の血がついてしまって大変だな、ICU…」
ICU「汚らわしい血ですが、我慢してあげますよ」
CIT「私の血は………ガソリンだ。それも特別製のな」
ICU「なにッ!(く、動けん…!)」
CIT「九大には悪い事をしたな…私を庇った意味がなくなってしまった…」
CITは火をつけた。当然、大爆発が起きる。

   「うわ…!」   「すごい!」   「眩しい…」   「爆発だ!」

「凄い音」   「逃げろ…」   「CITさん!」   「自爆!?」   「ぐお!」

   「死ぬ…」   「うわぁ!!」   「危な」   「そんな!!」

爆発はやがて静まり、辺りには煙だけが立ち込める。
ICU「ぐはァッ…CITの最後の大技というわけですか…ぐぶッ」

〜ピピピ〜
大量の煙が立ち込め、辺りは混乱する。
そして混乱の中、法政・電通お茶の水の三人が揃い、電通が静かに話し始める。

電通「法政、今回の戦争で数少ない得られた事の一つは君と出会えた事かな」
お茶の水「私は!?」
電通「勿論、君もだよ。平和だったら拙者達は大した交流もなかったままだろうしね」
法政「電通さん…?」
電通「ピピピ…ピピピ…」
法政「何でレーダーを…?」
電通「何とか、この煙の中でもレーダーは使えるようだ。東大達はあっちにいる。早く行きなさい」
法政「え、でも…」
電通「早く!!」
お茶の水「アンタはどうするのよ!?」
法政「行こう、お茶の水。…電通さん!」
電通「ありがとう…法政」

電通には分かっていた。煙の中をICUがまっすぐ電通に向かってきている事を…
電通「レーダーってのは便利だけど、自分が死ぬ事まで分かっちゃうとはな…」

ICU「私の筋肉を弛緩させるとは、下らぬ事をしてくれました。おかげで予想外のダメージですよ…」
電通「君の敵だからね、拙者は」
ICU「なぜ逃げなかったのですか?」
電通「逃げるのは嫌いなんでね」
ICU「死ぬのが怖くないのですか?」
電通「怖いよ」
ICU「私に勝てると思っているのですか?」
電通「可能性は“なきにしもあらず”ってところだろうね」
ICU「ずいぶん勇敢なんですね…」
電通「まあね」

電気通信大学、廃校。


〜志〜
東大達のもとへ着いた法政とお茶の水
法政「東大さん…電通さんまで…」
東大「ICUの力は予想以上だった。こうなれば、最後まで戦おう!」
慶應「私もそのつもりです」

中央「法政…」
法政「何?」
中央「もうMARCHは俺とお前だけだ。勝手な言い分だが、MARCHとして共に戦ってくれないか?」
法政「別に卑屈になることはないよ。こっちだって、東大軍を裏切った時期があったし、
   そのおかげで大勢の大学と出会えたからね」
中央「…そうか。あの時の会議では、こうなるとは夢にも思わなかったな」
東大達は覚悟を決めた。煙の中では、ICUの笑い声と大学達の悲鳴が聞こえる。

京大軍基地では、スタンフォードのレーザー兵器がエネルギー充填完了の合図を示した。
京大「………」

  お 前 と 東 大 の タ ッ グ は 日 本 最 強 だ ・ ・ ・ 

京大「………」

  お 前 と

京大「黙れ!全て私の責任なのだ!!もうこれしかないんだよ!!」

阪大「責任はお前だけじゃない」
京大「阪大…!いたのか…」
阪大「京大、確かに戦争の発端人はお前だろう。だが、この戦争で水面下の野望が次々と浮上した。
   皆持っていたのだ、心の底に黒い物を。今回はそれが表面化したにすぎない」
京大「だが…」
阪大「お前に罪が無いとは言わない。だが、お前のこれまでの行動は軍の司令官としては正しいとも言える。
   いかに生き残るか、いかに勝つか…」

〜目覚め〜
京大「………」
阪大「お前が何を考えているかなど、私には分からない。だが、一番大切なのは…ええと…
   ハァ…イライラしてきた」
京大「?」
阪大「はよう決めろや!!骨は拾ってやる!!」
京大「ハッハッハ…」
阪大「………」
京大「口より手が先に出るお前が、よく今まで副司令など務まったと思ってな…やはり、お前はそうでなくてはいかん」
阪大「すいませんでした…」
京大「拾う骨が残るか知らないが、約束は守ってもらうぞ」

ドガシャァァァァン!!!!!

京大はスタンフォードの兵器を破壊した。
阪大「なにも壊さなくても…」
京大「何年ぶりかな、あいつと組むのは…」
準備体操をしながら、京大は基地の外へ出て行った。

法政「ピピピ…ピピピ…」
中央「おい、どうした?」
法政「いや、何でもない。そういや今や俺達って“CH”だな。あえて発音するなら“チ”か?」
中央「あ、ああ…何か余裕あるな、お前…」
法政(電通さん、俺は勝てる相手とだけ戦う男じゃありません!)
東大「煙が晴れてきた。行くぞ!」
かつての東大軍の生き残り全員が叫ぶ。

     『 は い ! ! ! ! ! 』

〜最強タッグ復活〜
煙が晴れると、夥しい死体の山が現れる。しかし、感傷に浸っている場合ではない。
ICU「いよいよ少なくなってきましたね。皆さん…」

東大「勝負はこれからだ…!」
慶應「この場にいる大学は全員お前より上だ!」
法政「例え灰になったって、鼻に入ってクシャミぐらいはさせてやるからな!」
お茶の水「覚悟しなさいよ!!」
中央「青学と立教の仇は取る!」
専修「日大も動けないし、やってやるかな」
東海「捨て駒、盾、好きにして下さいよ!東大さん!!」

医大連の生き残りも同時に奮起する。
高医「医大の誇りを思い知らせてやろう!」
京医「ああ…!」
東北「散った旧帝達の志は無駄にはしない!!」

ICU「元気がよろしい事で…その精神も身体も破壊尽くしてあげましょう。後に今日は記念日となるでしょうね」
最終決戦が始まろうとしていたその時!

     『 私 も 入 れ ろ 』

予想外の展開に、気抜けする一同。
東大「京大…?」
京大「私と組め、東大」
東大「は?」
京大「東都タッグの復活だ」
東大「それも面白いかもな」
京大「そうだろう?」
東大&京大「ハッハッハッハッハ…!」
まったく意味不明のやり取りだが、一つだけ確かな事があった。最強タッグの復活である。

法政(今回の戦争の最大の目的は…“これ”だったのかもしれないな…)

〜圧倒〜
法政「東大さんと京大さんて、タッグを組んでいたんですか?」
慶應「ああ…恐ろしいほどの強さだった」

東大と京大がICUに挑む。
ICU「七武神を超えた私に勝てるとでも?」
東大「京大、行くぞ」
京大「ああ」
ICU「何をする気ですか…」

ズゴッ! ドゴッ! バキッ! ゴスッ! ベキッ! ドムッ! ビシッ!

ICU「ぐおおおおおお!!!」
東大と京大のコンビネーションは完璧だった。芸術的と言える程であった。

ICU「お、おのれェ!!」
ICUも応戦するも、まるで当たらない。東大と京大が美しい舞を舞う中、ただ一人錯乱しているような格好だ。

中央「あのICUが…」
専修「まるで子供扱いだ!」

やがて、ICUが五度目のダウンを喫する。
ICU「何故だ!私の方がパワーは上のはず!」
東大「確かにな…だが、お前では我々のコンビネーションは崩せん」
京大「うむ、残念ながら、な」

法政「す、すごい…!」
高医「これ程とは…東都タッグ…」

ICU「く…同志社、私に力をォ!!」
ICUが再びパワーを高める。しかし、東大と京大の表情は変わらない。

〜圧勝〜
ICUはより速度と力を増し、猛攻を開始する。しかし、東大と京大には当たらない。
ICU「あ、当たらないよ!ど、同志社ァ!!」
東大「東京首都流奥義“幻の江戸城”!!」
京大「京都伝統流奥義“八つ橋ショットガン”!!」

ゴッバァァァアアアァァン!!!!!

ICU「ギょほホオおウウうあア!!!」
東大「そろそろトドメだな」
京大「ああ…」
ICU「グ…ゴキ…ゲゲェ…」
ICUの強固な意志が崩れようとしていた。それと同時に、今までに与えられたダメージが一気に噴出する。

ICU「アガウぅウううウぅゥウウう!!!!!」
ICUの体中から血が噴き出す。おおかた流し尽くした後のICUはやせ細っていた。

慶應「終わったか…当然だな。あの二人のタッグは本物だ…」
中央「あんだけ苦労したのに…」
東北「今までのダメージの蓄積もあるのだろう。何より、ICUの自信が崩れた事が大きい」
見守っていた大学達は歓声をあげ始めた。

法政(何だろ、この不安感は…。なんか嘘っぽいモノを感じる…)

東大「終わりだ、ICU!この長い戦いに終止符を打つ!!」
ICU「オオ…」

ガキッ!!

突然、京大が背後から東大を殴りつける。たまらず東大は倒れる。
東大「ぐはっ…京大!?」
京大「………」

法政の逆襲20〜無事帰還〜

法政達を乗せた脱出ポットは地上へと向かっていた。
CIT「間もなく地上だ!一応衝撃吸収加工はしてあるが、計り知れない衝撃が来るはず。
    頭を伏せて、歯を食いしばっていろ!」

ズオオォォォォォン!!!!!

脱出ポットは京都軍基地近辺に落ちた。
中が満員だったのが幸いし、皆が互いにマットの役目を果たしたため、何とか無傷であった。

法政「いてて…」
電通「みんな大丈夫かい?」
九大「何とかな…」
お茶の水「ちょっと足どけなさいよ!」
ガコッ!
CIT「ぐわっ!」
法政(CITを足蹴に…恐ろしい女だ…)
東北「ひとまず出よう、ここは狭い」

京大軍基地前―――――
早稲田「すごい音だったな…」
慶應「先程の流星群の一つだろうな」

   ザワ ザワ…   ガヤ ガヤ…    ワイ ワイ…

ICU「静かにしなさい。天からの贈り物、と言ったところですか…」
そして、その直後に東大達と神戸・医大連がほぼ同時に到着した。

〜ICUと神医〜
早慶軍に追い付いた東大達。だが、もはやその目的は早慶軍を止める事ではない。
目の前のICUを止める事なのだ。
東大「早稲田、これは一体…?」
早稲田「………」
慶應「もう意地は捨てよう。一橋さんもそれを望んでいるはず」
早稲田「そうだな…」
二人は東大にICUが変貌する一部始終、そしてICUの横暴を話した。
東大「ICU…そういう事か」
樽商「南山も吸収されたのか…あいつに!」
慶應「お願いします。ICUを倒しましょう!!」

一方、神医はICUとの接触を図る。
京医「危険だ、戻れ!」
神医「ICUさん…」
ICU「君は先程の…何の用かな?」
神医「これがお前の秘策だったのか…」
ICU「そういうことになるね」
神医「同志社と語らった夢はどうした!これがその答えだと言うのか!!」
ICU「同志社は私の一部となった。これからは二人で平和を実現させていこうと思う」
神医「なっ…!」
ICU「これからの大学の歴史は私が創る。もう争いは起こりえない」
神医「あれだけ苦悩して得た答えがそんな結論なのか!目を覚ましてくれ!今のあんたはどうかしてる!!」
ICU「苦悩などする奴がおかしい。私の予定表に従えば良いのだから、迷いが生じるスキさえ存在しない」
神医「ああ…もう迷わない」
ICU「それは良かった」
神医「お前を倒す!!」
ICU「迷う前に狂ったか、ハハハ」
神医「“メス乱れ投げ”!!」
ICUは全てのメスを見切り、その全てを弾いた。
ICU「二度は見逃さない。君には天罰を与えよう…」


〜京大の作戦〜
京大軍基地内部・医療室―――――
京大は意識を失った阪大をベッドに適当に寝かせた。
京大(どうすれば良いのだ…同志社とICUとの親交を利用して、ICUを意のままに操るはずが…!
   まさか、同志社がICUに吸収されてしまうとは!!)
阪大「………」
京大(しかもとっさの判断とは言え、阪大を刺してしまうとはな…惜しい駒を使用不能にしたものだ。
   もう少し、下級の駒を使うべきだったな)

京大は寝かせた阪大をそのままにし、考える。
京大(ここで退いて、兵力を蓄えるか?ダメだ…もう有力な大学など残っていないではないか!
   ならば、早稲田達と手を組んでICUを倒すか?いや、それでは京都を日本の大学の中心に出来ぬ。
   ICUと早慶軍をまとめて葬らねば…)

突然、京大は立ち上がった。
京大「…スタンフォードの兵器があるじゃないか!!
   最大出力ならば、早慶軍にもICUにも大打撃を与えられるではないか!
   倒せずとも、弱った所を京大軍で攻めれば勝機は十分だ!!」

京大は用済みとして、地下へしまってあるスタンフォード作の兵器のもとへ向かった。
そして、京大が出て行った後の医療室では…
阪大「…させんぞ」

京大軍基地外―――――
京医「神医ィィィィィ!!!!!」
北大「たった一撃で…!」
ICU「医大なのに、自分の命を粗末にするとは…医者の不養生と言うやつかな?」
京医「おのれ、殺してやる!」

東大「我々も行こう。全員で止めなければ!!」
早稲田&慶應「はい!」

〜叫び〜
東大・早慶医大連合軍とICUの戦いが始まる。
ICUの強さは凄まじく、かかっていった者から次々にやられていく。
名大「何て強さだ!」
神戸「俺はあっちに行きます!」

グニャッ

神戸「何か踏んだな…」
神戸は下を見た瞬間、全身が凍り付いた。
神戸「神医…嘘だろ…」

神戸「何で死んでるんだよ…」

神戸「こんなに近くにいたのに…!」

神戸「俺はお前の戦死の報せを覚悟していた…もちろん再会への希望も…。そのどちらでも無ェよ…」

神戸「バカヤロォォォォォォ!!!!!」
戦場ではこの叫びすら、かき消される。

一方、法政達は脱出ポットから出ていた。
法政「ここは…?」
東北「おそらく京都…だろうな」
九大「京大軍基地の方向が騒がしいな。いよいよ東西決戦が始まったか…」
法政「は、早く行かないと!」
CIT(あそこには…何かいる。七武神すらも超える“何か”が!)


〜〜
辺り一面に戦いの跡が広がる。
あちこちで、負傷した大学らのうめき声が聞こえてくる。

ICU「みなさん、そろそろ諦めたら如何ですか?」
京医「くそ! まだまだだ…」
ICU「あなたのお仲間には、もうほとんど動く事も出来ない状況のようですけど…」

確かにICUの言うとおりだった、
今この場で動けるのは京医・慶応・東大などのリーダー格や、
運良く負傷の少ない一部の大学だけであった。
早稲田でさえも、もう動くことすら出来ない重傷だ。
(もう、どうにも出来ないのだろうか…?)
誰もが、諦めかけたそのとき、一つの大学がものすごい勢いでICUに迫る。

神戸「うおぉぉぉ! 神医の敵だ!」
その手には神医の遺体の衣類から抜き取ったあるものが握られていた。
神戸「殺してやる!!」

〜〜
とっさのことで、ICUにも避ける暇がなかった。

ザシュッッ!!

血しぶきが飛んだ。

血まみれの大学がぱたりと倒れた。

神戸「あ、あ…あ……」

カランとその手からあるものがこぼれ落ちる。

静岡「I…U…さん…大…丈…で…すか…」

深紅に染まった身体で、静岡がささやく。
ICUの無事な姿を認めて、そっと微笑み息を引き取った。

ICU「馬鹿な事をしてくれました…」
にやりと嗤う。
ICU「まあ、虫けらには相応しい末路かもしれませんね」

〜〜
ICUは立ちつくす神戸の頭を軽く握りしめた。

神戸「ぎゃぁぁぁあああ!!」

グシャッ!

神戸の頭は破裂した。

ICU「こんな危険なものを残しておくわけには…」
ICUが神戸の落としたそれにさわろうとすると、バチッと火花が散った。
ICU「…どうやら私にはさわることも出来ないようですね。忌々しい」
ICU「まあ、良いでしょう。
   どうせ、こんなものがあっても私の優位は変らないのですから」
ICUは不敵に頬笑む。


           さあ、粛正を始めましょうか


〜決断〜
北里「粛正だって…?」
ICU「これまでは私の慈悲深い御心が災いし、少なからず手加減をしてしまいました。
    しかし、今からは逆らう者には容赦しません」
慶應「ひるむな、みんな!」

アメリカ―――――
スワースモア「こうなってしまうとは…!」
アマースト「まだ早すぎたのかもしれないわね」
スワースモア「この言葉を教えた私の責任だ。息子の過ちは私の過ち。私が出るしかなかろう」
アマースト「でも…あの子が可哀想…」
スワースモア「やむを得ないのだ」

京大軍基地・地下5階―――――
京大「あったあった…早速運ばねばな…」
阪大「ま、待て…」
京大「もう動けるのか。丁度良い、運ぶのを手伝え」
阪大「力を…合わせろ…早慶軍や医大連と…」
京大「寝言をほざくな。私の目標は変わらない」
阪大「東大もいる」
京大「何ッ!」
阪大「お前と東大のタッグは日本最強だ…。頼む…」
京大「奴と組むくらいならば、ICUの奴隷になる方が幾分マシと言うものだ」
阪大「た、頼む…」
京大「邪魔だ!」
京大は無言で阪大を押しのけ、兵器を持って地上へ上がっていった。

法政達は戦場の近くに来た。
法政「な、何だみんな殺されていく!」
九大「何者だ!あのデカい奴は!」
お茶の水「顔はICUに似てるわね…」
電通「そうだ、あれはICUだ!」
CIT(スワースモアめ…)


〜粛正〜
香医「くばァ…」
共女「いやァ!」
多摩美「ぐわ…」

ICU「次はあなたにしましょうかね」
高医「東大さん、後ろ!!」
ICU「さようなら…長い間ご苦労様…」
東大(しまった…殺られる!)

ズドッ!

東大「な、名古屋…!」
名大「よりによって…お前を庇って…死ぬとはな…ヘッ…」
東大「くゥ…!」
名大も間もなく廃校となった。

愛知「おのれェ!」
愛知医「許さん!」

ズパァァッ

一瞬で二校の首が飛ぶ。その直後、法政達はようやく辿り着いた。
東北「何という事だ…まるで血の池だ…」
お茶の水「せっかく日本消滅を食いとめたのに何でよ!」
九大「こいつが正真正銘の最強の敵ってわけか」
法政「こ、こんな…」
電通「まず落ち着こう。皆の死が無駄になる…」
CIT「奴の力はMITや私以上だ…絶望かもしれん…」
ICU「また新勢力の登場ですか。しかも、旧帝に七武神までおられますね。
    まぁ無意味なのですが…うっ!?」
突然ICUが頭を押さえ、うずくまった。

〜父と子〜
ICU「うぐぐぐぐぐ!!これは…父さんか!」

精神世界―――――
スワースモア『ICU、ここがどこだか分かるな?』
ICU『精神世界…』
スワースモア『息子よ…もはや、お前を殺せるのは私だけ。“魔法の言葉”の責任を取ろうと思う』
ICU『………』
スワースモア『ミッション系大学の力を借り、世に平和をもたらすための言葉“peace”
       お前は使い方を誤ったのだ…』
ICU『私を殺すのですか?』
スワースモア『この精神世界では、お前の強さも無意味だ。精神の強さのみがモノを言う。ぬんッ!』
ICU『がああああああああ!!!!!』

現実では、ICUが頭を掻きむしりながら、悶えていた。
東大「いきなり苦しみだしたぞ!」
高医「力が大きすぎたんだ、きっとそれで…」
慶應「同情はしない。奴は殺しすぎた」
北大「死者を弔おう…愚かな戦いだった…」
法政「そうですね…」

やがて、動かなくなったICUを見て、生き残っている者は怪我人の介抱と死者の埋葬を始めた。
中央「法政か…久しぶりだな」
法政「他の三人は?」
中央「立教と青学はICUに飲まれた。明治は瀕死だ」
法政「そう…」

京医「神戸…神医…ん?何だこれは…」
京医は神戸の手に握られていたものを手に取った。

〜惨劇〜
精神世界―――――
スワースモア『終わったか…息子よ、すまない』

スワースモアはICUの精神の亡骸に近づいた。
ICU『フッ』
スワースモア『………!』
ICU『父さん…君も俗物だ』
スワースモア『何故だ、確かに精神崩壊させたはず!』
ICU『ここでは精神の強さが全て、でしたね?』
スワースモア『ああ…』
ICU『私には同志社がいる。彼がいる限り、私の精神は鋼鉄そのもの…』
スワースモア『ドウシシャ…?』
ICU『もういいでしょう。詮索されるのは好きではありません。さようならスワースモアさん…』
スワースモア『もはや…私でも…止め…のか…』
その瞬間、アメリカにいたスワースモアは廃校となった。

現実世界―――――
樽商「こいつはどうしますか?」
北大「弔ってやろう。そいつの中には大勢の大学がいるんだ…」
樽商「では…」
ICU「誰を弔うのかな?」
樽商「うわ…!」

グシャッ!

北大「生きていたか!“さっぽろ雪まつり”!!」
ICU「祭りなら地獄でやりたまえ」

ズビュッ!

二校は一瞬で廃校と化した。父をも超えたICU、本当の戦いはこれからである。

法政の逆襲19〜〜

一方 京大軍内部
 同志社に詰め寄る東海国立の姿があった。

同志社「ICU……」
静岡「あ、同志社さん! ICUさんが出撃したって本当ですか!?」
三重「しかも、ひとりで!」
同志社「ああ…」
岐阜「どうしてそんなことに!」
愛教「同志社さんは、なぜ何もせずにここにいるのです!?」
同志社「俺にはどうしようもない…。京大様の命令だからな…」

同女「同志社さん! そんな弱気でどうするのよ!」

 柱の影(笑)から立ち聞きしていた同志社女子が現る。

同志社「同女…」
三重「そうですよ!」
静岡「ICUさんとは終戦を誓い合った仲だと聞きてますわ」
名工「俺らも、協力するから、ICUさんを助けにいこうぜ!」
同志社「みなさん…」
同女「ほら、行きましょ。ICUさんを助けに」

同志社・同女と東海国立が外にでると、突然、激しく大気が震え出した。

グオオオオオオオオオオオオオオオオ…

同志社「みんな、大丈夫か!?」
同女「ええ…、私は大丈夫」
静岡「私たちも無事です」
同志社「今のは一体…」
愛教「ICUさんの身に何かあったのかも…」
三重「急ぎましょう!」



〜こぉひぃぶれいく〜
――そのころ千葉大
千葉大「・・・・チッ、しけてんなぁ!」

自販機のおつり返却口を探っていた・・・


――そのころ筑波大
筑波大「・・・・チッ、しけてんなぁ!」

強風で海上が荒れている中、土浦港で海洋実験を行おうとしていた・・・



――ある日の千葉大
千葉大「おっ!ラッキー!!今朝の朝刊めっけ!!」

総武線の車内で網棚の上に小さな幸せを感じていた・・・



〜吸収〜
ICUの周囲の大気が激しく震える。
慶應「一体何が起こるんだ…?」
早稲田「ハッタリに決まってる…よな?」
立教「うう…」
青学「く…ぐゥ…あぐ…」
明治「おい、どうしたよ?」
慶應「どうした?」
明治「二人が急に苦しみだして…」
慶應「大丈夫か?戦闘と行軍が続いたからな…その影響だろう」
立教&青学「うわああああああああああああああああああああ!!!!!」

バシュウウウウウ…

立教と青学はICUに吸い込まれてしまった。呆然となる早慶軍。
早稲田「え………?」
中央「吸収された…」
その後も続々と早慶軍の大学が吸い込まれていく。

ICU「神に仕える子羊達よ、我が血となり肉となれ!」

ICUのもとへ向かう同志社にも異変は起きていた。
同志社「うううう…!」
同女「ああああ…!」
静岡「どうしたのです!」
同志社「分かったぞICU…お前の力、“あの言葉”は…このためのもの!!」
三重「え?」
同志社「同女…共に行こう。これが定めだったのかも…しれ…」
同女「ええ…あなたと一緒なら…」
同志社と同女もICUに取り込まれてしまった。

ICU「ああ…同志社。だから使いたくなかったのだよ…。親友と呼べたのは君だけだったから…」
ICUは涙を流しつつ、語った。

〜完成〜
北海道―――――
上智「寒い…もう春なのに…」
その時、上智を強烈な力が引き寄せる。
上智「な、何だ!やめろ!うわああああああああああああ!!」
やがて、上智もICUの一部と化した。

京都―――――
京大「あれがICUの真の力か…何ともエゲツないな」
阪大「自分がミッション系だったと思うとゾッとするよ…」
立命館「あの野郎…よくも同志社を…!」

東大達にも異変は起こっていた。
名大「南山の奴、いきなり飛んでったぞ?」
神戸「あんな技持ってたんですかね」
東大「いや…何か強い力に引っ張られていくような印象を受けたぞ…」
高医「急ぎましょう!」

多くの大学を吸収したICUにも異変が起き始めた。
ICU「モウ終ワリダ…全テナ…」
早稲田「終わりだと、ふざけんな!」
ICU「七武神ヲモ超エタ、私ノ姿ヲトクト見ヨ!!」
慶應「恐ろしい程のパワーだ…!」

グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

大地が揺れ、大気が震え、雷鳴が響く。そして、ICUが変身を遂げる。
巨大で、不気味で、それでいて神々しい…ICUは最強の大学へと変貌を果たしたのだ。
ICU「父さん、母さん。こんなに素晴らしい力をどうもありがとう。
    唯一の親友だった同志社も私の一部となったし、もう寂しくないです………」

〜意味不明〜
京大軍基地―――――
京大「こ、こいつは凄い!スタンフォードの兵器も真っ青、最強の兵器だ!!」
阪大「これ程とは…(京大が余裕だったのもうなずける…)」
立命館「ふざけやがって…!」
立命館は司令室を出た。

ICU「せっかくだ。準備体操ついでに…」

ブオン!!

ICUが早慶軍をなぎはらった。それだけで十数校が廃校になった。
ICU「ああ…また多くの命が消えた…」
早稲田(自分で消しといて何言ってやがる!)

静岡「ICUさん、何を!」
三重「やめてください!」
愛教「虐殺はあなたの望むところでは無いはず!」
ICU「君達…少し黙っていてくれ」

ドカァッ!

ICUは極力手加減したつもりだったが、三校は虫の息になった。
ICU「君達…もう少し体を鍛えようね…」
早稲田(何なんだこいつ…)
慶應(読めないぞ…こいつの行動…!)

   『ICU!何をしている!!さっさと早慶共をぶち殺せ!!』

声の主は京大だった。ICUは頭をかきながら、けだるそうに答える。
ICU「神は下々の願いを汲むものだし…そうしましょうか…」

〜〜
ICU「…とでも言うと思いましたか?」

音もせずに閃光が京大軍に向かって迸る!

ブィーッン!

その一撃で、京大軍内部に待機していた大学の内十数校が廃校となった。

京大『な、何をするICU! 気でも狂ったか!』

ICU「これ以上の被害を出したくなければ、すこし、黙っていただけます?」
ICU「そうそう、ここにいるみなさんもよけいなことをしないでくださいね」
慶応(こ、こいつは強すぎる…、ケタが違う)
静岡(ICUさん、どうして……)

ICU「ああ、同志社、見ていてくれ。私の雄姿を…」

恍惚とした笑みをICUはその顔に浮かべていた…

〜予定表〜
ICU「さて、始めましょうか…」

この言葉に場にいる全員に緊張が走る。
(何をだ…?) (いったい?) (怖い…) (何を企んでやがる!) (誰か…)
(あいつ狂ってるぜ) (始めるだと?) (強すぎる…) (はぁ…) (来るなら来やがれ!)
(全員殺すつもりか?) (あれICU?) (ひぃ) (母ちゃん…) (次は俺か…?)

ICU「私はね、平和を目指すつもりです」
全員「………」
ICU「ですから、皆には私の言う通りにしてもらいます…」

ざわ… ざわ… がや… がや… わい… わい… ごにょ… ごにょ…

慶應「そ、それは支配という事か?」
ICU「勘違いしないでもらいたい。これから私が全ての大学の予定表を作ります。
    これからずっと、それに従って行動すれば良いのです」
早稲田「どんな予定表だ!?」
ICU「朝起きる時間、起きた時のセリフ、あくびの数、朝食のメニュー、ご飯を噛む回数、洗顔の時間、洗顔時の水量、
    玄関を出るまでの歩数、ドアを開ける時の力具合………他にも色々ありますね」
京大「それを全部守れだと!?しかも毎日!」
阪大「ふざけるな!」
ICU「あなた方は自分達で自分達を管理できない…。これくらい当然でしょう」

「ふざけんな!」 「バカにしてんのか!」 「あくびの回数…」 「何様だよ!」 「やめろやめろ!」
「おかしいんじゃねぇの?」 「マジかよ…」 「くたばれ!」 「みんな戦おうぜ!」 「消えろ!」

ICU「どうやら主旨が出来ていないようだ…。出来ないのなら…」
その一言で静まる大学達。
ICU「結構です…。ではテスト的に実施してみましょうか。日大、何か踊ってみせよ」

〜真の平和〜
日大「(俺かよ…)じゃあ、フラダンスを…」
数分後、日大は拙いながらもダンスを踊り切った。

ドゴォッ!!

日大「ぐばはァァッ!」
ICU「あれのどこが踊りだ…では明治、聖歌を唄ってみせよ」
明治「う、唄った事ないし…歌詞も知らな」

ガゴォッ!!

明治「げぶばッ!」
ICU「やれやれ…先が思いやられる…」
あっけなく瀕死となった日大と明治。ICUは更に何かを考えている。
ICU「…もう今日は帰って良い。最初の予定表だ。各自、これを守るように」
ICUがその場にいる全大学に紙を配る。内容は各々違うが、次のような内容が書かれていた。

「家まで1000歩で帰れ」 「時速5キロを保ちつつ、家に帰れ」 「阿波踊りをしながら帰宅せよ」
「他の大学を背負いながら帰宅」 「眠りながら走れ」 「家まで2587歩で帰れ」 「競歩で家へ」
「全速力で自宅へ向かへ」 「帰宅禁止」 「右足を地につけずに帰宅」 「泣きながら家を目指せ」

全員「………」
ICU「では、帰宅したまえ。破ったものには“天罰”を与える」
京大「貴様…ふざけるなよ!」
ICU「先刻の君の言葉をお返ししよう。君達に出来るのは“従順”だけだ、違うかい?」
京大「うぐぐ…!」
ICU「そう、これが私と同志社の求めた“平和”だったのだ…」

その瞬間、立命館が基地から飛び出してきた。
立命館「ICUゥゥゥゥ!!お前だけはこの俺が倒す!」



〜脱出劇〜
人工衛星“MITサテライト”―――――
法政「残り1分ですね…」
電通「そうだね。ミサイルはここで暴発し、この衛星は消滅する…」
お茶の水「…良かったじゃない!日本は救えたんだから!」
法政「うん、そうだ!MITも倒したし、満足ですよ!」
電通「すまない…」

そこへ駆け込んでくる九大。
九大「三人共生きてたか!MITは?」
法政「俺が倒しました。宇宙へ吹っ飛ばしてやりましたよ」
電通「でも、ここで終わりです…」
九大「何言ってるんだ!CITが脱出ポットを用意してくれているんだよ!」
電通「え…」
お茶の水「な…」
法政「何ィィィィィ!!」

法政達は急いで脱出ポットへ向かう。
CIT「来たか…」
東北「早くしろ!」
九大「おお!乗り込め、狭いけど我慢だ!」
電通「よいしょ(なぜCITが…?)」
お茶の水「狭いわね!法政、アンタは降りなさい!!」
法政「俺だって死にたくはない」
電通(さっきの死を覚悟した台詞はどこへやら…)

ミサイル発射5秒前、脱出ポットはギリギリで出発した。
背後では、MITサテライトが音もなく消滅した。MITの野望はここに完全に潰えたのだ。

CIT「爆発の影響で、操縦が効かない…。どこへ着陸するか分からないぞ」

〜流星〜
脱出ポットはCITの手操縦で何とか日本へ向かっていた。
CIT「これが限界だ、あとは全てを天に任せるのみだ」

「どけ!」 「何するのよ!」 「狭いんだよ!」 「バカ!」 「私は旧帝だぞ!」
「東北軍は無事だろうか…いてッ!」 「苦しい…」 「尻を触るな!」 「どいてよ!」

電通「悪いね、みんなうるさくて」
CIT「かまわんさ」
電通「でも、敵のはずなのに何故拙者達を…?」
CIT「私も最初はMITと同じ考えだった。日本は滅ぼしたほうが良いとな…
    日本の大学は下らない事に縛られすぎだ。それが世界に広がっては困ると思っていた。
    だが、現実は違った。日本の大学も受験生も、捨てたものでは無いと知った。
    まぁ、こんな感じだ…」
電通「本当にそれだけ…?」
CIT「………」

脱出ポットは幸か不幸か、とある所へ向かっていた。そう決戦の地、京都へ…
そして、地球には流星が降り注ぐ。
これは実はMITサテライトの残骸なのだが、最後の最後、MITは皮肉にも日本に希望をもたらしたのだ。


千葉大「女の子にモテますように!女の子にモテますように!女の子にモテますように!
    よっしゃ三回!希望ができたぜ!!」

筑波「何だ?この流星群は…。これは調査のしがいがありそうだな…
   もしかすると、新たなる学問の進歩に繋がるかもしれん。希望が湧いてきたぞ!」



〜〜
神大「あ、あれは一体、、」
東大「誰であれ、あれが元凶なのやもしれん」
名大「ついに戦争が終る時だな」
高医「気を引き締めていくぞ!!」
4大学<おおおおおおおお>

神医「あれが、、ICUだとういうのか!!!??」
北大「信じる他あるまい」
京医「そして、戦わざるを得ない!!!!」
神医「いくぞっ!!(東医歯、、見守っていてくれ)」


ICUに向かって逝ったものの、そのまま逝ってしまった立命館、、

京大「(立命館までも、、くそっ、、このままでは私の計画も、、)」
京大「おい、阪大よ」
阪大「何ですか?」
   ドスッ!!(重い音とともに、阪大は倒れた)
京大(悪く思うなよ、、)
京大「ICU!!大変だ!!阪大が倒れた!!」
ICU「なんだと?」
京大「疲れのせいかもしれない、私が肩を貸して医療室まで」
ICU「仕方ありませんね、そうして下さい」
京大(よし。上手くいった、このまま逃げて体制を練り直すしかないな、、)

3つの大学たちの思いが交錯する中、昼だというのに空には流星群が輝いていた、、


           役者は揃った!!??

法政の逆襲18〜ロケットチェイス〜

ロケット内―――――
MIT「ここまで手こずるとは…。しかし、このMITシャトルまでは追ってはこれまい!」
CIT「………」

ロケット外・ペットボトルロケット―――――
法政(まさか、ロケットチェイスをする事になるとは…)
九大「よし、奴らのロケットに飛び移るぞ!」
東北「OK!」
お茶の水「私こう見えても、運動は得意なのよね」
電通「拙者は苦手かな。機械には強いけどね」
法政「すごい高さ…やり損なったら死にますね、こりゃ…」

ガタッ ガタッ ガタタッ ドカッ ガシッ

MIT「何だ?今の音は?外か?」
CIT「奴らがロケットにしがみついたようだな」
MIT「しつこい奴らだ…。だが、扉は閉まっている…このまま大気圏外へ出てお陀仏だ」
CIT(日本の大学達よ…これが最後だ!)
CITはボタンを押し、ロケットの扉を開けた。

九大「うおおおお!あっあそこの扉が開いたぞ!!」
お茶の水「は、入るわよ!」
東北「凄いスピード…目が開けれない…」
電通「こ、根性〜〜〜〜!」
法政(東大さん、見てますか!俺は今飛んでます!!)

五人は扉から何とかロケット内へ入る。その直後、再び扉が閉まる。
MIT「何の真似だ?CIT…」
CIT「あの五人には私もムカついていてね。この手で直接殺したくなった」
MIT「そういうことか…。だが、一人でやってくれ。私は少し休む」
CIT「ああ…分かった…」

人工衛星の戦い〜
法政「死ぬかと思いましたよ…」
東北「強運とは、まさにこの事だな。勝手に扉が開くとは…」
お茶の水「とんだ欠陥ロケットね!!」
九大「この五人で七武神二人を倒さねばならない。はっきり言って、楽観はできんぞ」
電通「勝ちましょうよ。ここまできたら、ね」

MIT特製ロケット“MITシャトル”は瞬く間に大気圏外の人工衛星に到着した。
MIT「着いたか…よし降りよう」
CIT「うむ」
MIT「あのゴミ共の死に場所はここだ!さっさと殺して来い」

ロケットの全ての扉が開く。
九大「出ろって事だな…」
東北「空気も重力もあるみたいだな」
お茶の水「私、宇宙旅行って初めてなのよね〜」
法政(ホント初めてづくしだよ、今回の戦いは)
電通「こ、これは…!」

ロケットを出た五人の目の前に広がる風景…まるで機械で造られた大地であった。
東北「月もハイカラになったものだ」
電通「これは人工衛星ですよ」
東北「人工衛星!?こんな…巨大な…」
CIT「ここはMITの人工衛星“MITサテライト”」
お茶の水「出たわね。前橋工科大学!!」
法政(違うって…)
CIT「日本を破壊するMITミサイル発射まではあと15分。その前に私を倒せなければ、アウトだ」
九大「じ、15分…!」
東北(短すぎる!…というか勝てるかも怪しい…)
法政(“地球は青かった”と言いたいが、言ったら怒られるだろうな…)

とうとう舞台は宇宙。タイムリミットは15分!

〜CITボクシング〜
CITが静かに口を開く。
CIT「派手な技でヘタにミサイル発射装置を刺激しても危険だ。素手でやらせてもらおう」
九大「上等だ!」
九大がCITに殴りかかる。が、CITにかわされ、逆にジャブの連打を喰らってしまった。

シュパパパパパパッ

音は軽いが、九大にジャブ一発一発が重く響く。
九大「ぐは…!(あ、頭がクラクラしやがる…)」
法政「あんなジャブで、あの九大さんが…!」
東北「全員でかかるんだ!!」

全員でかかるも、CITのボクシングによって、次々に返り討ちにあう法政達。
東北「くそッ!」
電通「ぐぐぐ…拙者どうも格闘は苦手で…」
お茶の水「うう…女を殴るなんて…最低の男ね!!」
法政「歯が一本折れた…」
CIT「残り13分」
九大「九州男児をなめるなよ!!」

ボゴッ!!

九大は果敢に攻めるも、CITの放ったボディブローが九大の腹にヒットする。
九大「ゲボォッ!ぐは…」
東北「無理するな!お前はMITにやられた傷が…」
九大「東北…ちょっと話がある」
東北「何だ?」
九大「このままじゃ絶対間に合わない。ここは旧帝の意地を見せてやろうじゃねえか」
東北「…偶然だな。私もお前と同じ事を考えていた」
九大「地方は違えど、やはり旧帝だな。それじゃやるぞ!」
CIT「内緒話もいいが、残りは11分だぞ。もっと攻めたほうがいいと思うがな…」

〜旧帝の意地〜
九大が不敵に話しかける。
九大「CIT、お前卑怯だな。お前を倒す以外にミサイルを止める方法はあるというのに」
CIT「あるとは思えないが…」
東北「お前を無視してここを通過する…ってのはどうよ?」
CIT「少しは見込みがあると思えば…私がすんなり通すと思うか?」
九大&東北「こういう事だ!!」

ガシィィッ!

九大と東北大は二人がかりでCITを押さえにかかる。
CIT「クッ…!」
九大「お前は重火器系の必殺技が使えないからな、そう簡単に引きはがす事は出来ないはずだ!」
東北「おい、法政達!早くMITの所へ行け!」
法政「わ、分かりました!」
電通「急ごう!もう10分くらいしかないよ!」

CIT「うおおおおおおおお!!」
九大と東北大を力任せに振りほどくCIT。
九大「ここからが本番だ!」
東北「我々二人でどこまで七武神相手に持つか…怖いような、試したいような…」
CIT「………」

一方、MITのいるミサイル発射装置へと急ぐ法政達。
法政「三人でMITを倒すんですか…厳しいなぁ…」
電通「まあね…」
お茶の水「自信ないわ…」
電通「法政、お茶の水。少しいいかな…?」
法政「何ですか?」
電通「最悪の場合、拙者は“非常手段”を取らざるを得ない。それについて話す…」

〜神〜
電通は“非常手段”について話した。
電通「…どうだね?」
法政「いいんじゃないでしょうか。俺は賛成です」
お茶の水「私も賛成よ」
電通「ありがとう…じゃあ急ごう!もう10分を切った!」

ミサイル発射装置―――――
MITは地球を眺めながら呟く。
MIT「クックック…いよいよ日本を消すときが来たか…。
    これにより、私の武力をアピールし、全世界に私の名前を知らしめる!!
    そして、他の七武神を私がリードする!!ここから…ここからだ!!」

そこへ、法政達が到着する。
法政「つ、着いた…」
MIT「なぜ貴様らがここに…!」
電通「まぁ裏技を使ってね」
MIT「CITめ…役立たずが…!」
お茶の水「ったく、日本を消滅させて何をしたいのよ、アンタ!」
MIT「クックック…」
電通(笑ってる…?)
MIT「日本消滅など、私にとって通過点に過ぎん。私が世界一の大学になるためのな」
法政「は?」
MIT「あんな島国、私にとっては“道具”だな。せいぜい踏み台といったところだ」
お茶の水「でも、日本を選んだ理由があるでしょ!!」
MIT「きっかけがあったからだろう。理科大から“我々に力添えを”と頼まれてな。
    だから私は条件を出した“私の好きにさせてもらう”とな…。
    まさか、私が日本を消滅させるとは思ってなかったようだがな!クックック…」
法政「最低だな。神でも何でもないよアンタ」
MIT「だが、私は現に七武神だ…。もっとも、私が唯一神となる日も近い!!
    世界中の大学という大学を支配し!私が永遠に神として君臨するのだァ!!!!」
ミサイル発射まであと8分。

〜真の力〜
時間を少しさかのぼって、CITと旧帝二人。
CIT「これは思いつかなかった。だが、あの三人でMITを止められるとでも?」
東北「そんな事は知らん。だが、これが最善の方法のはずだ」
CIT「では君達を倒し、あの三人を追うとしようか。立場が逆転してしまったが」
九大「(APU、西南学院、部下達…)俺の命は俺だけの命じゃない。簡単にやられてたまるか!)
東北&九大「“地帝圏”!!!!!」

ズゴゴゴゴゴ………

CIT「な、何だと!一瞬にして偏差値が大幅にアップした…」
九大「更に、“九州パワー賃借”!!」
東北「同じく、“東北パワー賃借”!!」
旧帝は自分の統治する地方の力を借りることができるのである。
CIT「これほどの力を隠していたとは…」
東北「基本的に自分の実力ではないから、あまりこういう技は使いたくないが、そんな事を言ってる場合では無いのでな!」
CIT「久々に血がうずく…」
九大「も一度行くぜ!!」

ドゴォッ!!

CIT「ぐふ…(先程とはまるで違う…)面白い、こちらもだ!!」

バキィッ!!

九大「ぐわっ!」
東北「おりゃあああああ!!!!」

ボスゥッ!!

CIT「なんのこれしき!!」
二対一の壮絶な殴り合いが始まった。轟音と共に、肉が踊り、血が飛び、骨がきしむ。
何の駆け引きもない粗雑な戦いだ。しかし、これは紛れもなく“世界最高レベル”の激闘なのである。



〜嘆願〜
京大軍基地―――――
立命館「もう早慶軍が肉眼で確認できます」
京大「そうか…ICU、出番だぞ」
ICU「分かった…」
同志社「顔色が随分悪いが…?」
ICU「………」
同志社「悩みがあるなら言ってみろ。もう会話をできる最後のチャンスかもしれない」
ICU「やめないか…戦争を…」
立命館「あ、ICU?」
ICU「色々考えたんだ。やはり戦争は何も生まない。早慶軍も医大連も狙いはここだ。京大軍が白旗を上げれば…」

ガシィッ! ドカッ!!

京大がICUの胸ぐらを掴み、壁に叩きつける。
ICU「グハッ…」
京大「随分腑抜けてしまったようだ。お前のその力は何の為にある?
   平和のためか?違う…“敵の殲滅”のためだけだ…。もっと言うならば、お前の存在価値が“それ”だ」
ICU「何だと…!」
京大「例えば、予備校は何のためにある?“受験生を大学に合格させる”ためだ。
   受験生は何のためにいる?“我々大学の生存”のためだ…。そして、お前は…」
ICU「それ以上言うな!“あの言葉”をここで使うぞ!!」
京大「無理だな。お前のその軽薄な精神では無理だよ、ICU。
   この期に及んで“平和”を叫び、己の力を使う時機ですら見失っているようではな…
   まして、ここには貴様の友人、同志社もいる。そんな脅しは通用せんよ」
ICU「うう…」
京大「お前は自分が何ができると勘違いしているようだが、何もできんよ。
   私の言いなりになってすれば良い。お前にできる事はただ一つ“従順”だけだ」
ICU「あああ…」
同志社「やめて下さい!ただでさえ、精神的に参っているところを!!」
京大「戦争中に精神を病むとは、甘い話だな。分かったら、ICU。さっさと奴らを迎えて来い!!!!」
ICU「………」
ICUは抜け殻になったように、部屋を出て行った。

〜つぶやき〜
早慶軍を追う東大達もようやく入京した。
高医「京都までに追い付きたかったが…」
名大「こうなったら、強引に戦争を止めるしかねぇな!!」
神戸「まだ戦闘が始まった様子はありません。希望は捨てずにいきましょう!」
東大「そうだな…これまでの努力が水泡に帰すことが無いようにせねば!」

早慶軍は間近の京大軍基地を見て、より高揚していた。
早稲田「やっとだぜ!」
慶應「あれが京大の本拠か…」
和光「早稲田様、京大軍基地から誰か出てきます!」

目が虚ろなICUが早慶軍に立ちはだかる。明治が話しかける。
明治「ICUさん、どうしたんですか!こんなところで!!」
ICU「………」
中央「聞いてますか?」
ICU「………」
青学「お久しぶりです」
ICU「………」
立教「何かおっしゃって下さい!」

その瞬間、ICUがぼそりと何かを呟いた。

日大「今、何か言いましたよね…?」
神大「聞こえなかった…」
武蔵「俺は聞こえた。確か―――――」
突然、激しく大気が震え出す。

ズオオオオオオオオオオオオオオオオ…
ドオオオオオオオオオオオオオオオオ…
グオオオオオオオオオオオオオオオオ…

京大「始まったか…」



疲労
人工衛星"MITサテライト"―――――
MIT「"MITキャノン"!!」

ドゴォォォォォン!!!!

お茶の水「キャアアアア!!」
法政「ひぃぃぃぃ!!」
MIT「私の野望を妨げる奴は全てゴミだ!ゴミは私の世界には不要!」
電通「ゼェゼェ…ミサイル発射装置に当たったらどうするんだよ!」
MIT「当たらんよ。私の計算力は世界一でね…私の行動は全て精密かつ的確である」
法政(どこがだよ…)
MIT「"MITキャノン連射"!!」

ドゴン! ドゴン! ドゴン! ドゴン! ドゴン! ドゴン!

法政(うへぇ…相変わらず、洒落にならない威力だけど…明らかに威力は落ちてる!)
電通「法政、君も気づいたかい?」
法政「ええ…」
電通「攻めよう!勝機はある!」
お茶の水「ちょっと何なのよ!!なに二人だけで分かり合ってんのよ!!」

法政「"ボアソナードチョップ"!!」
電通「"下敷きこすって静電気"!!」
お茶の水「もうどうでもいいわ!"十六茶ならぬ重力茶"!!」

ズドーン! バガーン! バゴーン!

MIT「うぎゃあああああ!!」
法政「明らかに効いてるぞ!」
電通「彼にもスタミナは限界があったようだね…」
お茶の水「ホホホ、ざまぁみろだわ!!」
MIT「くく…この屈辱…許せぬ、許せぬゥゥゥゥ!!!!」

〜バリア〜
打って変わって、MITを圧倒する法政達三人。
MIT「ガギギ…何故だ、ゴミ共にここまで…!」
法政「こりゃ勝てますよ!」
お茶の水「形勢逆転ね!」
電通「数々の兵器製作に大学殺戮…。MITのスタミナはもう限界だろう…」
MIT「クッ…まさか、この技を使うハメになるとは…」
法政(まだ何か隠してたのかよ…)
MIT「"MITバリア"!!」

MITと法政達の間に薄透明な壁が出来た。

MIT「このバリアは全ての物理攻撃を遮断する!ミサイル発射はあと5分…貴様らの負けだ!」
お茶の水「こんな壁が何だってのよ!」

バリバリバリ!!

バリアに体当たりしたお茶の水に電撃が走る。
お茶の水「キャアアア!」
MIT「こちらもそっちに手を出せないが…時間稼ぎには最適の技だ!クックック…」
法政「ここまで来てそんな…!」
電通「あと4分を切った…」
MIT「無駄な努力をご苦労さん。さて、日本の最期を眺めましょうか」
法政(寝転びやがった…くそ!)
お茶の水「男らしく戦いなさいよ!!キィ〜〜〜!!」

残り3分…
電通「やはり、あれしかないか…」

〜非常手段〜
電通「ピピピ…ピピピ…」
MIT「電波攻撃か?確かにバリアは通り抜けるが、私を倒すのは無理だな…」
電通「法政、お茶の水…。すまない!!」
法政「いつでもいいですよ!」
お茶の水「アイツの思い通りになるよりマシだわ!」
電通「"破壊電波"!!!!!」

しばしの沈黙が流れる。
MIT「今のが切り札だったようだが、不発だったな。フハハハハハハハハ…!!」
電通「破壊したのはキミの後ろのその装置だよ」
MIT「なにッ!?」

ミサイル発射装置を見ると、各計器や画面が支離滅裂に動いている。
MIT「何をした!?貴様ァァァァァ!!」
電通「破壊したんだよ。その発射装置を…」
MIT「小癪な真似を…!あああ…何ということを…」

MITは慌てて装置を調べる。
MIT「完全に狂っている…このままでは暴発する…」
電通「すまない…」
法政「いいんですよ、あいつも道連れに出来て気分がいいですよ!」
お茶の水「まさか、宇宙で死ぬことになるとはね」
MIT「ふざけるな!!死んでたまるかァ!!」
電通「いかにキミでも、あと2分でそれを直すのは無理だ。おとなしく…」
MIT「この私の計画が…日本を消滅し…七武神の頂点になり…世界の頂点になり…
    神として君臨するはずだったのにィ!!こんな馬鹿げた下らん方法で?全てが崩れたと言うのかァ!!
    私は完璧だったのに…ロケット発射が遅れたのは東工大のせいだ…
    貴様らが生きてここへ来たのは理科大とCITのせいだ…
    そして、私の野望が砕け散ったのは………貴様らのせいだァァァァァァ!!!!!」
MITはバリアを解除し、襲いかかってきた。狙いは法政!

〜MITの最期〜
MIT「死ねェェェェェェェェェェ!!!!!」
法政「ここは退けない!」

MIT「最強の技で死ね!"MITゴッドフィールド"!!」
法政「こちらも!"市ヶ谷いとをかし"!!」


ズゴゴゴゴゴォォォォォォォォン!!!!!


MITは完全に力負けした。スタミナ不足か、法政の底力か…理由は定かではない。

MITは人工衛星の外へと吹き飛ぶ。
MIT「ゲハッァァァッ!俺はし、死にたくない―――――」

宇宙空間で生身のMITの体液は蒸発した。MITは文字通り、宇宙の藻屑と消えた…。
ミサイル発射まであと1分。それは同時にこの衛星の爆発を意味していた。

法政の逆襲17〜止められるのは三人だけ〜

電通大のレーダーを頼りに理科大を追う法政達。
法政「電通さん、あとどのくらいですか?」
電通「もうすぐだな」
お茶の水理科大に気をつければ、何とかなるわよ!」
法政「いや、まだ戦うと決まったわけじゃ…」
お茶の水「い〜え、あれは本気だわ。本気で日本を消そうとしてるわよ!!」
電通「あんま喋ってると、体力の減りも早くなるよ」
法政&お茶の水「グッ…!」

ロケット発射場―――――
高くそびえ立つロケットを見上げる三人。
理科大「こ、これが…!」
MIT「どうだ?私の自信作だ」
CIT「流石だな、これほどのものを造り上げるとは…」
MIT「名付けて“MITシャトル”!!」
理科大「相変わらず“MIT”をつけるのは忘れないんですね」
MIT「当然だ」

発射場から少し離れた場所―――――
法政「な、何あれ…」
電通「ロケット…だろうね」
お茶の水「ほら言ったでしょ!あれで宇宙から日本を消すつもりよ、きっと!」
法政「まさか、本気でこんな事をする奴がいるなんて…どうしましょう?」
電通「拙者達が止めるしかなかろう」
お茶の水「そうよ!情けないわね!!」
法政(結局戦うのか…トホホ…)
電通「まだ間に合う。あのロケットを飛ばさなければいいんだから」
法政「そうですね、この事実を知ってるのは俺達だけですからね!」
三人は決意を固め、ロケット発射場へと向かう。



〜〜
一方京大軍内部
東海地方国立はそのなかの一室で休んでいた。

静岡「京大軍まで来ちゃったけど、これからどうしましょうか?」
三重「うーん、別に京大に恩はないしなぁ」
豊橋「名大様に黙ってでて来ちゃったし」
名工「名大なんかかんけーねーだろ? あんなの、俺らのこと忘れてるさ」
愛教「だったら、良いんですけど…」
岐阜「とにかく、今はここで指示を待とう」
静岡「そうね。ICUさんもいるんだから」
愛教「そうそう、ICUさんっといえば、なんであんな所にいたのかしら?」
豊橋「そうだな。沼津と清水に東大軍の東海大支部があったのに…」
名工「爆破された富士山を見に来たんじゃねー? あれ、大変だったもんな」
静岡「ええ、あの爆発で常葉学園さんのお子さんの富士常葉大が亡くなったもの」
豊橋「ヤツもかわいそうだったよな。あそこの一家は中立だったのに」
岐阜「で、静岡がICUさんを見つけて保護したんだよな」
静岡「あのままだったら、東海大に見つかってたもの」
三重「で、静岡から連絡を受けた俺らが駆けつけて…」
愛教「ICUさんから話を聞いたのよね、この戦争を終結させようって」
名工「俺らもどうしようもなかったし、それに賛成したんだよな」
岐阜「このままだと、何も出来ないまま争いに巻き込まれて殺されていただろうし」
豊橋「関東と関西の争い…、東海地方が戦場になる可能性は大きかったもんな」
愛教「これから、ICUさんはどうするつもりなのかしら」
静岡「そうね。でも、私たちはICUさんについていくだけよ」
豊橋「そうだ。それが、もし、京大軍を抜けることになったとしても…」



〜最悪の敵〜
ロケット発射場―――――
法政「そこまでだ!」
お茶の水「そこまでよ!」
電通「バカな事はやめなさい」
MIT「何だ?貴様らは…」
理科大「あ…法政!それに、お茶の水電通大…」
MIT「これはこれは…予想外の客だな。わざわざ殺されにくるとは…」
お茶の水「ホホホ、アンタみたいな、マイナー大学に負けるわけないでしょうが!」
MIT「マイナー大学?この私が?」
法政「だって…見たこと無いし…」
MIT「私の名はマサチューセッツ工科大学。通称MITだ…」
法政「え………」
お茶の水「じょ、冗談はよしてよ!七武神じゃないのよ!」
MIT「その通り、私は七武神だ」

そして、MITはCITを指さして言った。
MIT「あいつはカリフォルニア工科大学。通称CITだ…」
CIT「………」
法政(お、終わった…俺もここまでか…)
お茶の水(七武神が…二人も!とんだ誤算だわ…)
電通「拙者は電気通信大学。通称電通大だよ」
MIT「貴様の名前なんざ聞いてないがな」
電通「聞かれてないのはキミも一緒でしょう。相手なんか関係無い。拙者は“日本消滅”を止めに来たのだから」
法政「でも…勝てっこないですよ!」
電通「分からないよ。あちらの三人に運良く隕石が落ちてきたら勝てる」
法政「無茶な!」
電通「勝てる相手とだけ戦うキミじゃないはずだ!!」
法政「(そうだ…他のみんなだって…)や、やりましょう!七武神がなんだ!こっちは元MARCHで元法慶だ!」
お茶の水「私だって女子大最強よ!」
MIT「ゴミ共が…。貴様らを血祭りにあげて、宇宙に捨ててやるとしようか…」
七武神、MITとのバトルが始まった!

〜魂の一撃〜
法政「“キャリアデザイン”!!」
お茶の水「“玉露ぶちまけ”!!」
電通「“妨害電波”!!」

ドゴーン! バゴーン! ズドーン!

法政(まるっきり効いてない…)
お茶の水(詐欺じゃないの!?直撃だったのに!キィ〜〜〜〜!)
電通(ああは言ったものの、実力差は大きい………か)
MIT「こんなものかね。では、七武神の力を見せてやろう。“MITでこピン”!!」
ピンッ
法政&お茶の水電通「うわァァァ〜〜〜〜!!」
MIT「でこピンの風圧だけで、そのザマか…。こりゃ勝負は見えたな」
電通「ぐっ…“電化製品乱れ投げ”!!」
MIT「効くかァ!“MITキャノン”!!」

ズドゴォォォォォォン!!!!!

お茶の水「うう…ダメ…」
電通「ぐうう…何て威力だ…!」
MIT「さっきまでの威勢はどうした?ゴミがこの私に逆らうなど…1000年早いわ!」
法政「ガハッ!ハァ…ハァ…まだまだ!」
法政はガムシャラに攻める。しかし、全く当たらない。
MIT「ククク…MITキャノンを受け、なお攻めてくるその“馬鹿さ加減”は誉めてやろう」
法政「うおおおおお!」
お茶の水「法政…まだやると言うの…」

ドゴッ!

MIT「うぐはッ!」
電通「あ、当たった!法政の攻撃が!」
MIT「…日本のクソ大学の分際で、よ、よくも〜〜〜〜!!」

〜悲劇・救出劇〜
MIT「この場で消滅させてくれるわ!最強の技でな!」
法政「うう………」
MIT「くたばれ…“MITゴッド…」
理科大「理科実験その1“ヨウ素液洪水”!!」

ドジャジャ〜〜〜〜!!

MIT「ぐわっ!何だこの液は…。理科大ィィィ…貴様ァァァ!!」
理科大「俺だって、俺だって………日本が好きだァ!!」
MIT「バカめが…CIT!そいつを殺せ!」
CIT「土壇場で裏切るとはな…容赦はしない。“CITエクスプロージョン”」

バゴオォォォォォォン!!!!!

理科大「ぐわああああああ!!」
電通理科大………くっ!」
MIT「おとなしく我々に協力していれば、死なずに済んだものを…。さて、次は貴様だ。法政とやら」
法政(ダメだ…動けない…)

MITが技を出そうとしたその時、謎の軍勢が割って入った!
??「MIT見つけたぞ!」
MIT「チッ…またゴミが増えたか!?」
CIT「何者だ?」
東北「東北大だ。ここからは我々東北軍が相手をしよう」
九大「さっきの借りは返させてもらう!」
法政「と、東北大…」
MIT「もう出発を待つだけというのに…次から次へ…!こ、殺してやる…全員…!」
東北「目標はMITとCIT!倒れている者は介抱してやれ!!」

新たなる援軍、東北軍。果たして、二人の七武神を倒すことはできるのか!?

〜二つの戦場〜
北軍とMIT・CITの激闘が始まる。
秋田「これ以上、好き勝手はさせねーぞ!」
八戸「日本の底力をなめるな!」
岩手「数はこちらが上なんだ!」
仙台「東北大さんの名も上がるぜ!」
MIT「うぐぐ…格の違いを思い知らせてやるわ!」
CIT「仕方あるまい…」

東北「大丈夫か、法政達」
法政「た、助かりました…」
お茶の水「来るのが遅いのよ!」
電通「間一髪、かなり危なかったね」
東北「もう大丈夫だ。奴らはたった二人…数で押せば勝てる!」
九大「………」

京都―――――
早稲田「よぉし、いよいよ京都だ!」
慶應「結局、京大軍と鉢合わせる事はなかったな…」
早稲田「基地に一気に攻め込もう!それしかねぇよ!!」
慶應「そうだな…。みんな、我々は新米司令官だが、最後まで付き合ってくれ!!」
全軍「お〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

早慶軍より少し遅れて東大達。
神戸「京都が見えてきましたね…。何かものすごく懐かしいです」
東大「何としても、東大軍と京大軍の全面衝突は避けねばならん!」
高医「追いつけるでしょうか…」
名大「最悪の場合、両軍の間に入って止めるしかないだろうな」
香医「厳しいですね…」

〜逃走〜
MIT「CIT、手を出すなよ!“MITキャノン連射”!!」

ドゴゴォォォオオォォォォンン!!!!!

戦闘開始15分。東北軍はほぼ壊滅状態となった…。
MIT「ハァ…ハァ…徒党を組めば、勝てるとでも思ったか?愚かな…全滅だ!」
東北「な、何て強さだ…」
九大(やはりこうなったか…。数では奴らには勝てん…)
法政(いや、東北勢は全滅できてない…。MITの奴、やはり疲れているんだ…)
MIT「(予想以上に体力を消耗してしまった…)さて、我々は出発させてもらう!これ以上、ゴミが増えるとも限らぬしな!」

MITとCITは急いでロケットに乗り込み、発射させてしまった。
MIT「さらばだ!CIT、扉を全部閉めろ!」
CIT「うむ」

ズゴゴゴゴゴ…シュボォォォォォォォォォォ…!!!!!

東北「し、しまった!」
理科大「5人…」
電通理科大、生きていたのか?」
理科大「俺の…ペットボトルロケットで追いかけろ…5人乗れる…」
お茶の水「5人ですって!?」
九大「迷っている暇はない!動ける者は乗り込め!」
咄嗟に乗り込んだのは法政、お茶の水電通、東北、九大の五人。

理科大「理科実験その2“ペットボトルロケット”!!」

プシュッ! シュバァァァァァァァァァ!!!!!

理科大「日本で死ねて…良かった…」
まもなく廃校した理科大と生き残った東北軍に見送られ、五人は最終決戦へと挑む!



〜〜
MARCに敗れた関学と関大は、満身創痍となって落ち延びていた。

関大「あれだけの兵力じゃ勝てるもんも勝てん…立命同志社の野郎はどこに行ってたんだ!」
関学「ふっ、立命なんかいても役に立ちはしなかったさ。どうせ…ゴホッゴホッ」

関大「大丈夫か?関学、この辺で休もう」

関学「ふう…関大よ、もう先に行ってくれ」
関大「何を言ってるんだ、お前も生き延びて新しいCMを撮ってくれよ!」

関学「いや、…俺はもうダメだ。そうだ、お前に全てを託そう」


関大「わかった。俺に任せておけ」
関学「…」
関大「おい、関学関学?しっかりしろ!」

関西学院大学 廃校

〜〜
関大「西宮、か…」


関大「お久しぶりです」
神女「きゃ!」
関大「!?」
神女「…失礼しました。関大さんね。そんな血まみれで…手当てをしましょう」
関大「…これは、なにぶん必死だったもので、申し訳ない、神戸女学院さん」

神女「関西学院が死んだ、と伝えに来られたのね?」
関大「!! どうしてそれを?」
神女「あなたは純情で正直な人。だから私に近づこうとはしなかった」

神女「私の婚約者が生きていたときには、ね」


関大「えぇ、その通りです。俺は、親友の遺言を伝えに来ました」
関大「『関学のチャペルで、結婚式を挙げたいと思っていたけれど、それが叶わず、申し訳ない』」
関大「『そのチャペル、そして日本庭園を君に残そう。春の桜は君に似合うはずだ』」


神女「わかりました、グスッ、関大さん、ありがとうございました」

〜〜
関大「さてと」
関大「中等部、高等部はいるか?」

関学高等部「あ、関大さん、しばらくぶりです」
関学中等部「しばらくぶりです」

関大「よう、…実はな」

関学高等部「そうですか、兄はやはり」
関大「俺も懸命に戦ったが、すまない」
関学中等部「嘘だ、そんなこと僕は信じない!」
関学高等部「中等部!僕だって信じたくない!けど、けど、関大さんは本気だ!」

関大「…遺言がある」
関大「『お前たちに教えてやりたい事はまだまだあったけれど、残念だがそれはできそうにない。すまない』」

関学中等部「…」

関大「『時計台と大学図書館を、お前たちに残そう。よく遊び、よく学べ』」

関大「今日からお前たちは、関西学院高校と関西学院中学だ」

関大「おい、その時計台を見てみろ」
関学高等部「Mastery、for、Service、確か、奉仕のための練達」

関大「それが、最後の遺言だ。関学はいい奴だった。誇りを忘れるな」

〜〜
関大「これで、一息つけるかな」
関大「ひとまず大阪に帰ろう」

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関学「神学部は聖和大学に、その他の学部はお前に託そう」
関学「ふっ、関西大学はもっとにぎやかになるぞ」

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関大「あのとき俺に、生きろと言ったのか、関学


関大「?あのプレハブの建物たちは」

ワイ ワイ   ガヤ ガヤ

関大「俺の、学生街があったところか」

関大「そうだ、俺にはたくさんの学生がいる」
関大「そして、家族…関大一高、一中、幼稚園」

関大「そうだ、俺は死ねない」


関大「すまんな関学、お前の仇は討てない」
関大「討ってほしかったのかどうかは、もはや知らんがな」

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関学「そして、もう一つ」

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関大「関西大学は新しく『中央芝生』を設置する!諸君の活気ある行動に期待する!」